チリの造船労働者、こんな条件では働かない!
2014-06-30
チリのASENAV造船所の労働者は、会社側が3.8%の段階的賃上げしか提示しなかったため、スト決行を票決した。組合は今月中ずっと行動を起こし、労働条件改善を求める労働者の声を広めてきた。
2014年6月6日(月)、チリ南部の町バルディビアで200人を超えるASENAV従業員がデモをし、今回の団体交渉における組合の要求に対する会社側の対応に不満を表明した。5月20日、インダストリオール・グローバルユニオン傘下のチリ全国産業労連に加盟するASENAV労組は、10%の賃上げ、ボーナス増額、被服・給食手当の引き上げ、下請・不安定労働の撤廃を要求した。同社は6月2日、労働者の要求をはるかに下回る条件を提示、3.8%の段階的賃上げを実施し、2016年6月まで四半期ごとに基本給の0.315%の生産力向上奨励金を支払うとした。これを受けて、組合は同社工場前でデモを組織し、大集会で会社側の最終提示を拒絶してスト実施を票決、6月30日(月)にストに入った。同労組によると、会社側の提示は2012年と実質的に同じである。
「会社側の非協力的態度を踏まえて、密室で同社との交渉を続けるのではなく、団体交渉を街頭に持ち出すことに決めた」と同労組のヘクター・シルバ会長は述べた。「賃金要求だけでなく、第1工場と第2工場の労働条件の問題も提起している。両工場は過密状態で、安全な労働条件が確保されていない」と会長は述べた。オラシオ・フエンテス・チリ全国産業労連会長は、同労組に全面的な支援と連帯を表明し、次のように述べた。「同社はマースクの船だけで2億米ドルを超える利益を得ているので、この提示額は恥ずかしいほど低いと思う」
ヘクター・シルバ会長はこう付け加えた。「力と団結で、1つの目標に向かって対応していく。私たちは何年もの間、国内外の造船市場向けに質の高い製品を生産してきたからだ。この会社は、バルディビアの熟練労働者の努力のおかげで何十億ドルも稼いでいながら、最も貴重な資源である金属労働者の価値を認めていない」
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