フィリピンで顧客、学生、NGO、組合がNXPに「24人の復職」を要求
2014-08-14
多国籍エレクトロニクス企業NXPに対し、3カ月前にフィリピンのカブヤオで解雇された組合員24人の復職を求める圧力が強まっている。この圧力に対してNXPは、労働組合MWAPを疲弊させるために再三にわたり介入を先送りするという企業戦略を採用している。
NXPは甚だしい権利侵害を擁護・維持するために、「5月5日に労働組合NXPSCIWUの選出指導者全員を解雇した措置は、2014年4月に組合員が3つの公休日に勤務しなかったという正当な理由に基づくものだ」と主張している。
この公休日の欠勤は非合法ストに相当し、解雇の対象となる違法行為だという主張は、道義に反すると同時に間違っている。フィリピン労働当局は組合と現地経営陣との調停協議を仲介している。しかしNXPは、解雇された24人の復職に対して非妥協的な態度を取り続け、復職の代わりに賃金の支払いによる解雇を提示したが、労働者によって全会一致で拒絶された。
フィリピンのNXPにおける権利侵害と解雇された労働者に対するその影響の概観については、下記の感動的なビデオを参照(https://www.youtube.com/watch?v=QGSdSRAYUPE&feature=youtu.be&t=1s)。解雇された労働者はインタビューで、NXPの報復的な大規模解雇によって子どもの授業料を払えなくなり、退学させるしかない状況だと説明した。
インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、次のように述べた。
「NXPの経営幹部とアップルなどの同社の顧客は、この事件の事実を知りながら安眠できるのだろうか」「アップルのiPhone 6をはじめとする多くの日用品は、この虐待的な使用者NXPが作った重要なマイクロチップ技術を利用している。NXPの不正行為をやめさせるのは、それらの法人顧客の義務であり、まず早急に取るべき措置は解雇された労働組合代表24人の復職だ」
NXPによる組合つぶし攻撃は、レデン・アルカンタラ会長率いる組合の交渉単位が、1日1.39米ドルの賃上げと契約労働者1,500人の正規雇用化を求めて交渉したことに対する報復として始まった。組合が要求する8%の賃上げが実現すれば、米1キロと魚の干物1パックを買うことができるだろう。
アップルと並んでNXPの大口顧客であるエリクソンとノキアも、スウェーデンとフィンランドのインダストリオール加盟組織による警告を受けて、NXPの状況を調べている。
NXP労働者は2014年8月6日、「24人を復職させよ」キャンペーンの3カ月目を迎え、NXPがある経済特区LISP1で総勢1,000人によるデモ行進を実施した。他の労働組合と地域社会の支持者も合流し、首都マニラから南部タガログまで練り歩き、行進を阻止するために設けられた大きな鉄鋼バリケードを押しのけて進んだ。NXP施設を通り過ぎたとき、施設内の労働者が窓から拳を突き上げて支援を表明した。
残りのNXP労働者が断固として組合を支持し続けている状況に対応して、経営側は工場全体にカメラを設置するとともに、警備員に対し、労働者による「役員25人を復職させよ」Tシャツの着用とソーシャルメディアでの支援メッセージ掲示をやめさせるよう指示している。
NXP経営陣は、相変わらず従業員の権利の侵害を徐々に拡大し、同社による次の主張を台無しにしている。「NXPは労働者の権利を尊重する名声の高い会社です。これまで一貫して現地従業員と双方に利益をもたらす強力なパートナーシップを享受してきており、間もなく一応の合意に達するものと期待しています」
さらに詳しい情報へのリンク
フィリピンのインダストリオール加盟組織15団体がMWAPを支持して強力な連帯声明に署名:
NXPのドイツ従業員代表委員会が強力な書簡を送り、リック・クレマーCEOとNXPセミコンダクターズ・カブヤオのホセ・オルレアン・ゼネラルマネジャーに24人の復職を要求:
詳しくは#BringBackNXP24ハッシュタグとフェイスブックを参照。
15万人近い支持者がアップルに対し、NXPに正しい行動を取らせるよう要求しているSumOfUsオンライン・キャンペーン:
http://action.sumofus.org/a/apple-supplier-nxp-union-busting/
ビデオ「アップルに知らせよう」:
https://www.youtube.com/watch?v=Ijn7tZdk0EQ
解雇された24人一人一人のプロフィールを詳述するパワーポイント・ファイル:
オーストラリアAMWUによる連帯:
アップルCEOティム・クックへのUSAS書簡:
https://www.facebook.com/bringbacknxp24/photos/pcb.1494905047412664/1494904597412709/?type=1&theater
アジア人権委員会によるNXP労働者への支援:
http://www.humanrights.asia/news/hunger-alerts/AHRC-HAC-005-2014
NUMSAがエンジニアリング部門のストを解決
2014-08-04
エンジニアリング部門の組合員は、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)が取り決めた和解案を全会一致で受け入れ、1カ月に及んだストが終結した。
この和解案は今後3年間、この部門で最も賃金の低い労働者に毎年10%、最も賃金の高い労働者に8%の賃上げを提供する。その他の成果は、職場委員が組合・産業問題に対応するための休暇、操業短縮時に労働者に補償するための産業基金の設立、労働者の訓練機会だった。
人材斡旋会社に雇用される労働者に、主要協約に記載されるすべての雇用条件を享受する権利を与えることについても合意した。交渉協議会は、侵害や不遵守の苦情に対処する人材斡旋会社コンプライアンス担当役員の雇用も約束している。協約当事者全員が、この産業で臨時雇用サービスの利用を抑制して最小限に抑えることも約束した。
「NUMSAは、この長かった1カ月間に支援してくれた世界中の仲間たち全員に感謝したい。当労組は団結を強化し、さらに成長している」とスクムブゾ・ファカシNUMSA国際役員は述べた。
ダイムラー世界従業員代表委員会が新指導部を選出
2014-07-24
ダイムラーAG世界従業員委員会(WEC)(別名「世界従業員代表委員会(WWC)」)はドイツで会合を開き、新指導部を選出した。
2014年5月末に開かれた会合には、インダストリオール・グローバルユニオンを含む公式メンバーに加えて、トルコ、アルゼンチン、インドネシア、インドの代表も出席した。
このドイツ系多国籍自動車メーカーのWECには現在、ドイツ、アメリカ、日本、ブラジル、南アフリカ、スペインの6カ国の労働者が代表として加わっており、メンバー総数は13人である。
WECはマイケル・ブレヒト・ダイムラー従業員代表委員会委員長を委員長に、ゲーリー・キャスティールUAW副会長を副委員長に選出した。
欧州従業員代表委員会(EWC)の委員長にも選出されたブレヒト委員長は、次のように述べた。「世界各国の従業員代表によるこの会合は、明白なメッセージを送っている。すなわち、国際協力を強化したいという意向だ。ダイムラー経営陣は断固としてグローバル化戦略を推進している。WECとEWCでもグローバル化を進め、労働者とその代表も全面的に関係を強化できるようにしていく」
ゲーリー・キャスティールWEC副委員長は、こう語った。「ダイムラーは傑出した共同決定構造に基づく傑出した企業であり、このWECで主導的役割を果たせて光栄だ。ダイムラーを労働者の権利の世界的承認のモデルにするために、一丸となって取り組んでいく」
WWCまたはWECは、世界中のほとんどすべての主要生産拠点から通常年1回、組合代議員や従業員代表委員会メンバーが集まる代表機関の設置に関して、会社側と合意している。
同社は、この会合の費用を支払い、雇用の動向、投資、施設の開設・閉鎖、生産の移転といった国際問題についても報告しなければならない。
南アフリカのNUMSAのストが4週目に突入
2014-07-24
エンジニアリング部門で働いている南アフリカ全国金属労組(NUMSA)の組合員20万人以上が、2014年7月1日に争議行為を開始し、すでに4週目に入っている。
「ストは続いており、まだ終わっていない。ストに参加している組合員は、ストを打ち切るかどうか最終的に決定する予定だ」と、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織NUMSAのカストロ・ンゴベセ全国スポークスパーソンは言う。
労働者は、3年間にわたる10~12%の2桁賃上げ、人材斡旋会社の利用禁止、住宅手当を要求している。また、主要協約の条項を削除し、賃金の高い労働者に手当その他の給付を与えるという使用者の差別的慣行を撤廃することも求めている。
2014年7月21日のマスコミ報道によると、使用者団体の南アフリカ鉄鋼・エンジニアリング産業連盟(SEIFSA)は、労働省(DoL)が促進した取り決めの中で、3年間に毎年10%の賃上げを求める案を条件付きで受け入れた。
人材斡旋会社に関して政府が示した追加案が、使用者側に受け入れられたかどうかは不明である。この案には次のような条項が含まれている。「人材斡旋会社に雇われ、産業部門で臨時雇用、常用雇用または常用外注雇用を斡旋される従業員は、雇用の初日から、すべての社会保障給付を含めて、主要協約に定めるすべての雇用条件を享受する権利を有する」
NUMSAは、この和解案について審議するために、今週ヨハネスブルグで特別全国執行委員会(NEC)を開催している。同労組は会合後、組合員に折り返し報告し、検討・委任を求める予定である。この協議が終わらなければ、合意に達したかどうか発表することができない。
「NECは、断固たる決意で生活賃金を要求する労働者の姿勢を評価した」とンゴベセは述べた。「国内外の同盟者から毎日、多数の支援・連帯メッセージが絶えず寄せられており、身の引き締まる思いだ」
インドの造船所で5人死亡、組合が安全を求めて闘争
2014-07-23
インドにある世界最大の船舶解撤場で労働者を代表するインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のASSRGWAは、先月この現場で発生した死亡事故を受けて、安全検査官の大集会を開催した。
グジャラート州バウナガール地区のアラン船舶解撤場でガス爆発が発生し、労働者5人が死亡、8人が負傷した。全員が出稼ぎ労働者だった。
ASSRGWAは2014年7月21日、政府港務官、工場監督官および副労働委員の監督下で、アランの安全担当者の会合を招集した。解撤場の安全管理者・安全監督者・現地指導員167人が出席、最近の死亡事故について議論し、安全な労働環境の創出によって将来の事故を防止する方法を検討した。
2014年6月28日に亡くなった5人の労働者は、船舶解撤会社のパラス・スチール・コーポレーションに雇われて廃棄ケミカルタンカー「D・V・ペリン」を解体していた。この事故は、ケミカルタンカーのような危険廃棄物の絶対確実な処分・解体手順の採用に対する使用者側の無関心を改めて浮き彫りにしている。アラン船舶解撤場では1月以降15人が死亡しており、ずいぶん前から作業者の安全性がASSRGWAの課題となっている。
ASSRGWAが圧力をかけた結果、政府当局は事故原因の調査を開始した。同労組は、調査が終了するまで解撤場を閉鎖することも要求している。
V・V・ラネー・インダストリオール船舶解撤プロジェクト・コーディネーターは、いち早く事故現場を訪れ、「パラス・スチール・コーポレーションによる重大な過失と安全対策の欠如が規制・執行当局の無関心と相まって、労働者5人の産業殺人を招き、遺族に取り返しのつかない損害を与えた」と述べた。
ASSRGWAは事故の調査を要求しているだけでなく、亡くなった労働者の遺族と負傷した労働者への補償も求めている。ASSRGWAは省庁間委員会とインド国家人権委員会に対し、迅速な責任者の処罰と補償請求手続きも要求している。
ICT・電機・電子労働者の組織化に関する執行委員会プロジェクト:台湾(中華民国)での訓練セッション
2014-07-18
台湾のICT・電機・電子労組は、未組織労働者の組織化の重要性について議論・学習し、組合協力を強化する方法をめぐり活発に討議した。
7月11日に台湾で、ICT・電機・電子労働者に関するROCMU-インダストリオール・グローバルユニオン組織化セミナーが開催された。この部門の非加盟組合も含めて、16の工場レベル組合からさまざまな年齢層の組合役員42人が参加した。
過去20年間に、台湾は電子産業のグローバル・バリューチェーンで重要なプレーヤーになり、多くの台湾系多国籍企業がアジア太平洋諸国に事業を拡張している。一方、労働運動がいくつかのグループに分裂して力を弱めている中で、台湾でも特に若い世代で不安定雇用が急速に広まっている。台湾の組合は現在、質の高い雇用を確保して未組織労働者を組織化するために、強固な連帯基盤を生み出す必要に迫られている。
基調講演ではワン・ホウウェイ労働部雇用関係局長が、ここ数年、労使争議の44%が組合設立・加入絡みであり、多くの場合、経営側による強い圧力が原因で労働者は組織化に失敗していると指摘した。したがって、組合は産業レベルで同盟/連合を発展させ、専従オルグや労働問題専門弁護士を雇うための財政制度も含めて、組合活動のスケールメリットを生み出すべきだ、と同局長は述べた。
松崎寛インダストリオール・グローバルユニオンICT・電機・電子部門担当部長が、鴻海精密(フォックスコン)などの台湾系多国籍企業における労働者の組織化の重要性について説明し、関連組合にインダストリオールのキャンペーンへの積極的な関与を求めた。松崎部長は、日本の電機連合が2020年までに1,534社で労働者を組織化することを目指していることを紹介し、標的企業の確認、未組織職場におけるキーパーソンへの接触、労働者の勧誘に関する具体例を示した。
この会合で参加組合は、組合間協力を強化する方法や、より強力な組合を組織化する方法をめぐり活発に討議した。議論の結果、内部改革プロセスを実施し、組織化に関する戦略的訓練と、政治と労働組合活動との分離に焦点を合わせる必要があることを確認した。ROCMUは、労働組合運動と組織化活動を活性化するために、今後の組合間協力の調整に取り組む予定である。
iPhone 6サプライヤーのNXP、威嚇と牛歩戦術を強化
2014-07-16
10億ドル企業の電子メーカーであるNXPセミコンダクターズは、フィリピンで不当に解雇された労働者24人の復職に関する労働組合の要求を阻止するために、さらに労働者を威嚇して時間を稼いでいる。
アップルの新しいiPhone 6に技術を供給していると言われるこのオランダ系多国籍企業は5月5日、一連の公休日に勤務しなかったことを理由に、フィリピン金属労働者同盟(MWAP)の幹部24人を解雇した。
現在、同社は労働省を通じて、給料を支払って24人の労働者を解雇し、工場から労働組合指導者を効果的に排除したいという意向を伝えたと言われている。MWAPはこの提示を拒絶した。
NXPは約束に反して、新しい交渉チームに今週インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織MWAPと協議させることを怠り、重要な調停会合を延期した。その間に、解雇された労働組合員24人はさらに1週間、仕事も賃金もない状態が続いている。
NXPはフィリピンの首都マニラ郊外のカブヤオ工場で警備員も増員し、これまで以上に現地の労働者を威嚇している。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長はこう述べた。「NXPは牛歩戦術をやめ、威嚇を中止し、今すぐ労働者を復職させなければならない。手続きを引き延ばし、忠実な労働者である組合幹部24人(20年にわたって同社に勤務してきた者もいる)の決意をくじこうとするNXPの人を見下した戦略は、あからさまに攻撃的な組合つぶしの実例であり、労働法に関するすべての国際基準に違反している」
ライナ書記長は、さらに次のように付け加えた。「給料を支払って労働者24人を解雇しようとするNXPの侮辱的な行為は、企業が労働者の権利を金で買うという危険な先例になるだろう。労働者の基本的権利に値段をつけることはできない」
MWAPは困難をものともせずに、組合に敵対的なことで悪名高い経済特区にあるNXPカブヤオ工場で、組合代表の達成に成功した。
MWAPに加入する労働者がNXPと新団体交渉協約を取り決めようとしたところ、同社は、いくつかの公休日に勤務しなかったことが非合法ストに相当するという口実で、組合指導部24人全員を解雇した。
解雇されたフィリピンの労働者を支援するグローバル・キャンペーンが拡大している。世界中で抗議行動が実施されているだけでなく、フィリピンのインダストリオール加盟組織15団体が、MWAPを支持して強力な連帯声明に署名した。
NXPは25カ国で事業を展開している。かつてフィリップスの一部門であった同社は、2013年に48億2,000万米ドルの収益を計上した。アップルの主要サプライヤーであるのみならず、同社の顧客には、特にボッシュ、コンチネンタル、サムスンなど、インダストリオール組合員の主な使用者も名を連ねている。
インダストリオール・グローバルユニオンは、鉱業、エネルギーおよび製造業部門で140カ国・5,000万人の労働者を代表している。
詳細については下記まで問い合わせのこと。
コミュニケーション担当者 レオニー・ググエン +41 22 308 50 23
lguguen@industriall-union.org
コミュニケーション担当者 トム・グリンター +41796934499
tgrinter@industriall-union.org
ブラジル・バイア州の矢崎工場閉鎖で1,200人が解雇へ
2014-07-15
日系自動車部品メーカーの矢崎は、7月末にバイア州フェイラデサンタナ工場を閉鎖する予定である。フェイラデサンタナ金属労組は、同じくインダストリオール・グローバルユニオンに加盟するCNM/CUTとともにキャンペーンを展開し、閉鎖を阻止して工場労働者1,200人の雇用を守ろうとしている。
組合幹部は、6月26日にバイア制度関係局(SERIN)当局者と会談し、州政府による調停を求めた。マルティニアノ・コスタ人事責任者は、雇用を守る可能性を探るとともに、労使と貿易産業省(SICM)、労働雇用省(SETRE)の代表と協議を開始することに同意した。
労使代表は、6月30日にサルバドルで労働雇用省のバイア地域監督者と会見した。
ファビオ・ディアス組合会長によると、会社側は7月末に工場を閉鎖したがっている。同社は計画を変更するつもりはないと述べており、今週末に400人を解雇しようとしているため、組合は工場閉鎖反対キャンペーンを強化している。
6月30日の会合には、ロリカルド・デ・オリベイラCNM/CUT組合方針担当書記も出席し、地域・国際組織に支援を求める必要があると述べた。「同社が移転を計画しているセルジペ州のCUT支部と話し合い、インダストリオール・グローバルユニオンに対し、矢崎本社に問題を持ちかけるよう求めるつもりだ。1,200世帯の運命がかかっている。これは地域経済にも大きな影響を与える可能性がある」と同書記は語った。
パウロ・カイレスCNM/CUT会長は次のように述べた。「フェイラデサンタナの金属労働者は、この闘いでCNM/CUTの支援を頼りにすることができる。1,200人の労働者を見捨てたりすることはできない。そんなことをすれば経済と労働市場に打撃を与えることになる。私たちは矢崎の金属労働者ならびにフェイラデサンタナ労組の闘いと連帯しており、矢崎にこの状況に対する責任を取らせ、工場閉鎖を阻止するために共闘していく」
インダストリオール・グローバルユニオンは事態の行方を見守っており、自動車産業で1,000人以上の雇用を守るために、地方組合と連帯して行動する準備を整えている。
UAW、VWチャタヌーガ工場付近に地方組合を結成
2014-07-11
インダストリオール・グローバルユニオンは、加盟組織UAW(全米自動車労組)がテネシー州チャタヌーガのフォルクスワーゲン工場で組合代表選挙に僅差で敗れたあと、同社労働者の地方支部を設立したことを歓迎している。
UAWが1つの職場で労働者を代表するために地方組合支部を設立したのは、今回が初めてである。
UAWによると、フォルクスワーゲン従業員が組織する新しい第42支部は、同社の従業員代表委員会の従業員関与方針を通じて、この工場の労働者に発言権を与える。
ゲーリー・キャスティールUAW書記長・財政部長は次のように述べた。「フォルクスワーゲンと議論を続けてきた結果、同社と合意に達した。フォルクスワーゲン・チャタヌーガ工場労働者の大部分が第42支部に加われば、会社側は第42支部を承認し、支部に加入した労働者を代表する加盟組合として対応する、と私たちは確信している。この合意の中でUAWは、チャタヌーガでの拡大・成長を確保するためにフォルクスワーゲンとの共同努力を続けると約束している」
テネシー工場はフォルクスワーゲンの製造施設として世界で唯一、組合が設立されていない。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は次のように述べた。「UAWによる地方組合支部の設立と、フォルクスワーゲンによる組合との緊密な協力を称賛する。アメリカ南部で真の結社の自由を実現し、労働者が干渉も威嚇も受けずに、自分で選んだ組合に自由に参加できるようにすべきときだ」
UAWは2014年2月、チャタヌーガ工場で従業員代表委員会を設立するための選挙に626票対712票で敗れ、必要な過半数を得ることができなかった。共和党の政治家と反組合的なグループが主導する脅迫・威嚇を伴う攻撃的な反対キャンペーンが展開され、この選挙プロセスには外部からの干渉があったと著しく非難された。
テネシー州の議員は、工場に組合が結成されれば経済的優遇措置を適用しないと威嚇した。さらに、ボブ・コーカー共和党上院議員は選挙前に、UAWが組合代表を獲得できなければフォルクスワーゲンはチャタヌーガ工場で新型SUVしか生産しないと間違って主張したが、会社側はこれを強く否定した。
UAWは現在、テネシー州に対し、フォルクスワーゲンが工場で新製品ラインを追加できるように、経済的優遇措置の適用を改めて要請している。
「州当局者は州民とフォルクスワーゲン労働者に対し、チャタヌーガ工場向けの優遇措置に関する決定は労働者が組合加入権を行使するか否かに関係がない、と保証している」とレイ・カリーUAW第8地区責任者は言う。
第42支部は、アメリカ、特に南部で、より多くの工場を組織化しようとする取り組みにおける大きな前進である。インダストリオールは現在、米国内の他の未組織企業で地方組合支部を結成するために、加盟組織と協力している。
インダストリオール、NXP社のiPhone 6生産における労働権侵害を指摘
2014-07-09
伝えられるところによれば、多国籍電子メーカーのNXPは新しいiPhone 6のマイクロチップ技術を提供する。インダストリオール・グローバルユニオンはアップルに対し、NXPのフィリピン事業に介入して、解雇された労働組合員24人の職場復帰をはじめ、公正な解決を確保するよう要求した。
いくつかの国々の労働組合は7月2日に国際行動デーを実施し、NXP労働者24人の復職を求めた。この国際行動デーはニュージーランドのファースト・ユニオンが開始し、アジア太平洋地域を中心に行動が続いた。現地経営陣に執念深く攻撃されているNXP労働者は、インダストリオールに加盟するフィリピンの金属労組MWAPの組合員である。
解雇された労働組合員24人の中には、レデン・アルカンタラMWAP全国会長も含まれている。
インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、7月8日付のティム・クック・アップルCEOへの書簡で次のように説明した。「フィリピン・ラグナ州カブヤオのNXP経営陣による悪意に満ちた組合つぶしは、近日発売予定のiPhone 6に暗雲をもたらしています。iPhone 6生産のこの重要な段階で、労働者が結社の自由と団体交渉に対する基本的権利を否定されていることが分かれば、消費者は失望するでありましょう。アップルがこの問題の解決に緊急に取り組まなければ、組織化を理由に労働者を処罰するために、偽りの口実を設けて組合活動家24人を解雇した行為は、ILO第87号条約および第98号条約の違反に該当するだけでなく、自社製品を作っている開発途上地域の労働者に対するアップルの態度を、この上なく明白に知らしめることにもなるでしょう」 「アップルが緊急かつ効果的に介入してNXPフィリピンでこの問題を解決し、サプライヤー責任ガイドラインに従わせつつ、この施設から引き続き部品を調達できるようにすることを期待しています。私たちはNXPSCIがいくつかの有名ブランドを供給していることを知っており、アップルが解決に達するために対応を主導するよう求めます」
問題の現地NXP子会社は、NXPセミコンダクターズ・カブヤオ・インコーポレイテッド(NXPSCI)である。NXPSCIはフィリピンの経済特区の1つにあり、組合に対する敵対的な態度と外部委託率の高さで有名で、約5,000人の労働者を雇用している。
NXPSCI労組は、2013年12月から実施されている現行CBAを更新するために、経営側と誠実な団体交渉を行おうと試みた。組合交渉単位の2つの優先課題は、低賃金の8%引き上げと、工場の不安定契約労働者の正規雇用化だった。2年以上にわたって自動更新契約で働いている労働者もいる。
現地経営陣は組合をつぶして賃上げ要求を阻止するために、4月9日、17日、19日と5月1日に出勤しなかったという偽りの嫌疑で、5月5日に主要組合員24人を解雇した。4月9日、17日、19日はすべてフィリピンの祝祭日であり、5月1日は労働者の日で、現行CBAの規定に基づき、組合員はこの日を祝うために仕事を休むことができる。NXPSCIの就業規則によると、経営側は従業員に対し、賃金倍額で休日労働を要求することができるが、4月、5月の上記の日にそのような要求はなかった。経営側は、組合指導者24人の欠勤を非合法ストとみなした。
経営側は、自分たちの主張する条件で新しいCBAを強行し、組合を完全につぶすために、それ以外にも一連の攻撃的戦術を利用している。
この解雇以来、インダストリオール、MWAPおよびレイバースタートによるオンライン・キャンペーンに、8,000人以上の支持者が加わった。
NXPは、昨年タイで労働者をロックアウトするなど、甚だしい労働権侵害を犯してきた歴史がある。NXPは現在、台湾の施設におけるボーナス不払いをめぐって、インダストリオール加盟組織ROCMUとも紛争中である。
インダストリオールは現在、韓国での労働権侵害でサムスンを非難しているが、アップルはサムスンの主な競合相手である。インダストリオールは、市場をリードする両エレクトロニクス企業が、サプライチェーン全体で最低限の国際労働基準を確保し、自社製品を作る労働者を敬意を持って扱うよう求めている。
インダストリオール、アルゼンチン経済を餌食にする「ハゲタカ・ファンド」を非難
2014-07-07
インダストリオール・グローバルユニオンは、アルゼンチン経済を弱体化させ、その過程で主権と民主主義の原則を浸食している、いわゆる「ハゲタカ・ファンド」の無情な利潤獲得戦略を非難している。
6月にジュネーブで開かれた執行委員会で、フランシスコ・グティエレス金属労組(UOM)国際書記は、不良資産に投資する国際ファンドとの12年に及ぶアルゼンチンの法廷闘争において、アメリカの裁判所が下した画期的な判決の影響に注意を促した。
グティエレスUOM書記長は、インダストリオール加盟組織のアルゼンチン国別協議会を代表して発言し、この判決はアルゼンチンの雇用や経済のみならず、グローバルな金融システムと、今後国家債務の再編がさらに難しくなるであろう他の貧困国にも、甚大な影響を及ぼす可能性があると警告した。
現下の危機が発生したのは2001年、経済的崩壊で長年にわたる大量失業と広範囲に及ぶ貧困がもたらされた結果、アルゼンチンが債務不履行に陥ったときである。この債務のほとんどは、過去数年間に旧軍事独裁政権と金融投機家がため込んだものだった。
続く10年間に、アルゼンチンは貸し手の92%と債務再編について合意に達した。債務不履行はアルゼンチンに大いに必要とされる救済を提供し、急速な成長・発展につながった。2011年の終わりまでには、アルゼンチンは記録的な雇用を達成し、教育とインフラに投資し、貧困をほぼ70%減少させていた。
しかし、債務不履行後に叩き売り同然の安値で債務を購入していたごく少数のヘッジファンド投資家は、合意に達することを拒否し、全額返済と金利を求めて訴訟を起こした。アルゼンチン議会は2005年、同意を拒む債権者への返済を禁止する法律を可決した。
今回、アメリカの連邦判事はアルゼンチンに対し、ヘッジファンドへの返済を命令した。そのうえ、この判決は、アルゼンチンが「ハゲタカ」にも支払わない限り、他の債権者に支払うことも違法と判断し、アメリカの金融機関に対し、世界中のアルゼンチンの資産に関する情報提供を義務づけている。
インダストリオール執行委員会は、貪欲な投資家の攻撃にさらされながら持続的経済発展を促進しようと苦闘するアルゼンチンに、全面的な支援を表明した。
スペイン組合運動の先駆者、リトが逝去
2014-07-04
インダストリオール・グローバルユニオンは、「リト」の愛称で親しまれたスペイン組合運動の先駆者、マヌエル・フェルナンデス・ロペスの逝去に深い悲しみを覚えている。
リトはインダストリオール加盟組織である労働総同盟金属・建設・関連労組(MCA-UGT)の元書記長で、国際金属労連(IMF)の執行委員も務めた。
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は次のように述べている。「リトは組合指導者として例外的に長期にわたって活動した。IMF執行委員会での行動と高く評価された思慮深い介入により、深い国際連帯とラテンアメリカへの特別な愛情を示した。ラテンアメリカ諸国は独裁体制から民主主義へと発展を遂げていたところで、新しい社会の重要な民主的支柱として、強力な労働組合が必要とされていた」
リトはアルセロール・ミッタル(旧エンシデサ)で働き、ベリナ工場(アストゥリアス)のUGTで組織問題担当書記として組合活動を開始した。
UGTヒホンとUGTアストゥリアスの地方レベルでこの責任を引き続き果たし、10年間書記長を務めた。
1988年、UGT金属関連労組の書記長に選出され、1990年、1994年、1996年に再選される。
UGTが建設・林業・関連労組と合併したのちMCA-UGT書記長に就任、2013年にブルゴスで開かれた第26回MCA-UGT大会まで再選され、同大会で会長に選ばれた。
リトはインダストリオール・ヨーロッパの前身である欧州金属労連(EMF)の副会長、統合してインダストリオール・グローバルユニオンになったIMFの副会長も歴任した。
アセラリア、アルセロール、アルセロール・ミッタルの取締役で、アストゥリアス社会主義連盟の執行委員、アストゥリアス担当PSOE地域代表(2期)、PSOE連邦委員も務めた。
リトは2014年6月27日、スペイン・アストゥリアスの故郷オビエードで亡くなった。67歳だった。
南アフリカNUMSAが大規模スト開始
2014-07-01
南アフリカ全国金属労組(NUMSA)の組合員22万人以上が2014年7月1日、金属・エンジニアリング部門で無期限ストに入った。
「これは簡単な決定ではなく、苦痛を伴う決定だった」と先週、NUMSA全国執行委員会は声明を発表した。「ストの要求はまったく議題に盛り込まれていなかった。このストは押しつけられたものだ。私たちの狙いは、使用者側に組織的な圧力をかける戦術の一環としてストを利用し、交渉のテーブルに戻って組合員に受け入れられる案を提示するよう要求することだ」
金属・エンジニアリング交渉協議会(MEIBC)の後援で、2カ月にわたって使用者機関と交渉したが合意に至らず、NUMSAは5月末に争議を宣言した。労働者は当初15%の賃上げを要求したが、争議が宣言されると12%に引き下げた。スト中のNUMSA組合員22万人は、関連部門の全労働者の約半数を代表している。
NUMSAは、MEIBCとの交渉協約の期間を従来の3年ではなく、1年にすることも要求している。同労組は使用者に対し、人材斡旋会社の利用を撤廃し、主要協約から操業短縮・レイオフ条項を削除するよう求めている。
「インダストリオールは女性代表を主導しなければならない」
2014-06-24
2014年6月23日にスイス・ジュネーブで開催された女性委員会で、加盟組織はインダストリオール・グローバルユニオンに対し、女性代表を主導するよう要求した。
インダストリオール加盟組織CNTMブラジルのモニカ・ベローゾは、インダストリオールには先駆的なビジョンを示す機会があると述べた。「私たちは平等に基づいて新組織を構築しているところだ」
「インダストリオールはちょうど2年前に設立された。変革は国家レベルから始めなければならないが、グローバル・レベルはよい刺激を与えることができる」とユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は述べた。
モニカ・ケンペール・インダストリオール書記次長は次のように語った。「私たちは模範を示し、インダストリオール・グローバルユニオンの全レベルで女性が適切に代表されるよう確保しなければならない。加盟組織の多くが示しているように、意思決定レベルの女性参加率40%が可能であることを、加盟組織に吹き込まなければならない」
割り当てをめぐる広範囲にわたる討議は、最近開かれた2回の地域大会(ラテンアメリカ・カリブ海とアジア太平洋)に端を発し、両大会の参加者はインダストリオールの全レベルで女性の割り当てを40%とする決議を採択した。この決議は、大会、執行委員会、会長、副会長、書記長および書記次長に言及している。
代表参加率40%の達成に関して一部の加盟組織から懸念が表明されたにもかかわらず、組合の経験を見ると肯定的な例がいくつかあった。女性委員会では、組合員400人が出席した先ごろのブラジルCNQ-CUT女性会議が、新採用者の30%を女性にするよう使用者に要求したことが報告された。フランスの金属労組FOのブリジット・カペレによると、フランス企業の報告には現在、採用や経歴開発に関する数字が含まれ、組合が女性の職場進出を妨げている障害を分析できるようにしている。女性が多すぎる分野もあれば、不足している分野もある。
2015年9月14~16日にオーストリア・ウィーンで女性世界会議を開催することが確認された。基本テーマは、今後数カ月間に微調整されるが、「女性のリーダーシップで組織機構を変革」である。女性代表を妨げる障害(性差別など)や女性のリーダーシップも議題に盛り込まれる。
女性委員会は、引き続き加盟組織からデータを収集し、組合における女性の存在に関するアンケートへの回答を促すことを決定した。
午後に開かれた女性参画に関する作業部会は、任務を十分に遂行できるようにするために、以下の情報を求めた。
●インダストリオール関連部門における女性の存在に関する統計値
●インダストリオール書記局における女性の存在に関する数字
●各部門における部会長・共同部会長の内訳
●他のグローバル・ユニオン・フェデレーションとITUCの女性参画に関する規則
作業部会は以下に関する討議も要求した。
●インダストリオールの規約
●女性参画を改善するための方針変更
●女性の能力強化に資金を供給して実行する最善の方法
●執行委員会で下す必要があるかもしれない管理上の決定
●共同部会長ポストに加えて部門別会合で講じる必要がある措置
●女性委員会の今後の措置(加盟組織と協議)
南アフリカ全国金属労組(NUMSA)のクリスティーナ・オリビエ委員長が、6月25~26日にジュネーブで開かれる執行委員会に折り返し報告する。