広報ニュース

第27号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2014年8月18~28日)

スト中のボンバルディア労働者、会社側の不十分な案を否決

2014-08-28

 会社側の最終提示に関して、労働省の監督下で投票を求められたサンダーベイのボンバルディア労働者は、カナダ・オンタリオ州で質の良い雇用と確かな未来を求めて闘う決意をしっかりと証明した。

 ユニフォー第1075支部の組合員は2014年7月14日、ボンバルディアによる大幅譲歩の要求を受けてストに入った。この最近の提示は、同社の依頼により、賃金交渉で投票を行うという選択肢を定める州法に従って投票に付された。労働者の80%が提示に反対票を投じた。

 ジェリー・ディアス・ユニフォー全国会長は、投票結果について次のように述べた。「労働者たちは、現世代と次世代のために質の良い雇用を維持する闘いにおいて、信じがたいほどの決意を示した」

「この結果はボンバルディアに対し、要求された譲歩を受け入れることはできないと同社に一貫して伝えてきた組合側交渉チームを組合員が支持している、という明確なメッセージを送るものだ」とディアス会長は付け加えた。

 この案が受け入れられていれば、現役労働者と退職者の給付が大幅に削減されるとともに、3年間で1%未満の賃上げしか提供されず、2014年5月31日以降に雇われた労働者は現行の確定給付型年金制度を適用されていなかっただろう。2011年に雇用された労働者は退職給付を支給されず、350カナダ・ドル(245ユーロ)の一時金を受け取っていた。労働者の過半数が、この譲歩の影響を受けていただろう。

 ユニフォー第1075支部のドミニク・パスカリーノ支部長は、同社が資金を節約する必要があるなら、もっといい方法があると述べた。「同社は組合と協力すれば、数多くの無駄な慣行をなくし、会社の利益を増やすと同時に、引き続き少額の年金を積み立てるに十分な資金を節約できるだろう」とパスカリーノ支部長は付け加えた。

 

 

フィリピンでアップルのサプライヤーNXPによる権利侵害が悪化

2014-08-28

 

この深刻な労働侵害が撤回されるまでiPhone6は倫理的に問題のある製品となるであろう

アップルは大変待ち望まれたiPhone 6を9月に発売する予定だが、重要な部品はNXPセミコンダクターズが供給している。NXPとアップルはいずれも、フィリピンで解雇された労働組合幹部24人に対する企業責任と道義的責任を無視している。

  この深刻な労働権侵害が撤回されるまで、iPhone 6は倫理的に問題のある製品になるだろう。

  幅広いキャンペーン組織連合はNXPに対し、5月5日のCBA交渉で不当解雇された労働組合幹部24人の復職を要求している。しかし、同社はインダストリオールに「介入して解決に努めている」と主張しているが、工場の実態を見る限り、経営側は組合つぶしの画策を強化している。労働者の権利の重大な侵害が日常的に発生しており、経営側は組合幹部24人の復職に向けて不可欠な措置を講じることを拒否している。

 マニラ近郊のカブヤオ工場におけるNXPのMWAPつぶしは、労働権に関する国際基準の悪質な違反である。この侵害は、NXPの行動規範ならびにアップルのサプライチェーン倫理規範にも根本的に違反している。

  アップルはNXPの重要顧客で、伝えられるところによれば、NXP製マイクロチップは新しいiPhone 6に、駐車場チケットや食品雑貨のような商品の代金をワイヤレスで支払う機能を与える。SumOfUsキャンペーンを通じて15万人以上の消費者や活動家がアップルにメールを送り、同社が介入してNXPに指示し、アップルのサプライチェーン規範に沿って行動させるよう要求した。アップルはインダストリオールと最初の対話を開始しているが、不当解雇された24人の組合幹部は復職していない。

 

LISP1経済特区の工場における組合に対する最新の攻撃的な威嚇として、「手に負えない振る舞い」と「怠慢」を理由に、選出代表の大規模解雇に積極的に抗議している残った組合員を告発する、警備員が食事中も含めて残った組合員の写真やビデオを撮影する、工場中に監視カメラを設置する、解雇された24人を支援するスローガンを掲げたTシャツの着用やソーシャルメディアでのメッセージ投稿を禁止する、といった行為が挙げられる。

  レデン・アルカンタラMWAP会長は、インダストリオール・グローバルユニオンにこう述べた。

「私たちは断固とした姿勢を示し続けています。労働者の尊重を拒否するこの多国籍巨大企業に引き続き抵抗していきます。私たちはインダストリオールの支援からインスピレーションを受けており、闘争強化に力を入れる中で今後ともインダストリオールを頼りにしております」

 フィリピン労働雇用省(DOLE)は解決に向けて協議を仲介しており、労使双方に提案している。DOLEの提示には、5.2%の賃上げ、不当解雇された組合役員24人のうち12人の復職、残り12人への適正な退職手当の支給が含まれている。

  インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は、次のように述べた。「DOLEはフィリピンの労働法を尊重し、労働組合委員全員の復職を強く要求すべきだ。MWAPとインダストリオール・グローバルユニオン、その支持者は毅然と構え、NXPとアップルに明確に要求し続けている――#BringBackNXP24!」

 さらに詳しい情報へのリンク

  フィリピンのインダストリオール加盟組織15団体がMWAPを支持して強力な連帯声明に署名

http://www.industriall-union.org/sites/default/files/uploads/documents/Philippines/industriall_affiliate_statement_nxp.pdf

  NXPのドイツ従業員代表委員会が強力な書簡を送り、リック・クレマーCEOとNXPセミコンダクターズ・カブヤオのホセ・オルレアン・ゼネラルマネジャーに24人の復職を要求

http://www.industriall-union.org/sites/default/files/uploads/documents/Philippines/support_letter_mwap_nxp_br_hamburg.pdf

 詳しくは#BringBackNXP24ハッシュタグとフェイスブックを参照

 15万人近い支持者がアップルに対し、NXPに正しい行動を取らせるよう要求しているSumOfUsオンライン・キャンペーン

http://action.sumofus.org/a/apple-supplier-nxp-union-busting/

 ビデオ「Holiday Bust」

https://www.youtube.com/watch?v=QGSdSRAYUPE

ビデオ「アップルに知らせよう」

https://www.youtube.com/watch?v=Ijn7tZdk0EQ

 解雇された24人一人一人のプロフィールを詳述するパワーポイント・ファイル

 オーストラリアAMWUによる連帯

https://twitter.com/gthompson19/status/494318010945921024?utm_source=fb&utm_medium=fb&utm_campaign=gthompson19&utm_content=494318010945921024

アップルCEOティム・クックへのUSAS書簡

https://www.facebook.com/bringbacknxp24/photos/pcb.1494905047412664/1494904597412709/?type=1&theater

 アジア人権委員会によるNXP労働者への支援

http://www.humanrights.asia/news/hunger-alerts/AHRC-HAC-005-2014

 

 

 

コロンビア労働者が職場事故の承認を求めて苦闘

2014-08-28

 ここ13年間、困窮したコロンビアの労働者ルーベン・モントヤは、職場事故のあとに年金その他の給付を獲得するために、スラ・インシュランス・カンパニーおよびテナリス・チュボ・カリベと闘っている。8月23日、ルーベン・モントヤは再び自殺を試みた。

 請負業者に雇われてテナリス・チュボ・カリベ工場で働いていた2002年7月、13インチの鋼管がルーベン・ダリオ・モントヤ・オバンドの体を貫いた。それ以来、ルーベンはこの重大な職場災害の補償を求めて闘っている。

  裁判所はルーベンの復職、事故発生日以降の給料の支払い、部分年金の支給を命じた。だがテナリス・チュボス・カリベと保険会社は、過去の賃金支払いと年金支給を命じる判決を不服として上訴している。この措置によって、解決が数カ月遅れることになる。

 チュボ・カリベの労働組合SINTRATUCARの支援を受けて、ルーベンは先週、保険会社と使用者に新たな書類を提出した。今回もまた、何の成果もなかった。そして8月23日、ルーベンは権利の承認を要求して再び自殺を試みたのである。

  ユルキ・ライナ・インダストリオール・グローバルユニオン書記長は加盟組合と協力し、テナリスに障害年金の支給と健康保険の提供を要求している。「テナリス・チュボ・カリベが、障害年金と健康保険を含む補償の支給を明確に要求する判決にまだ従っていないのは、まったくひどいことだ。同社による労働者の基本的権利の甚だしい侵害が原因で、労働者が自暴自棄になって自殺するようなことがあってはならない」

 

グアテマラのテルニウム労組が大勝利を達成

2014-08-28

  労働者にとって世界最悪の国の1つとされるグアテマラのテルニウム鉄鋼工場で解雇された組合幹部が、団結権を支持するための2年に及ぶ闘いに大きな勝利を収めた。

  労働者の復職と逸失賃金の支払いをテルニウムに命じる判決を受けて、労働組合SITRATERNIUMの解雇された幹部9人が8月22日に工場に入った。裁判所事務官とグアテマラの国連事務所職員も同行した。解雇された労働者のうち2人は、名前の綴りが間違っていたため、まだ復職していない。組合は、この間違いが訂正され、労働者が未払賃金を受け取れるよう確保するため、警戒態勢を解いていない。

   労働者たちは権利を擁護するために組合を結成したあと、2012年に不当解雇された。経営側は、会社は労働者に対して何でもやりたいことができる、政府規制など気にしていない、と絶えずうそぶいていた。同社での侵害には、労働者に病気休暇取得権を与えない、週7日労働を強制するといった行為が含まれていた。

  組合幹部は過去2年間、権利を守るための闘いにおいて大変な苦難に耐えてきた。インダストリオール加盟組織FESTRASの傘下にあるSITRATERNIUMの組合員は、国内・国際レベルで、テルニウム労組ネットワークの無条件支援とその他多くの組合の連帯によって勇気づけられてきた。

   2014年5月に発表されたITUC世界労働権利指数によると、グアテマラは労働者にとって世界最悪の国の1つとされ、この国の労働者は国内法に定める権利を実質的に与えられず、そのために甚だしい不当労働行為にさらされている。数十年に及ぶ弾圧の結果、グアテマラの組合組織率は2%に満たない。

   ラテンアメリカの主要製鉄会社であるテルニウムは、アルゼンチン、メキシコ、グアテマラ、コロンビア、アメリカに生産拠点があり、鉄鋼製品と付加価値製品を製造している。

 

 

 

 

 

インドの自動車部品メーカーで訓練工が平等な待遇を獲得

2014-08-21

 

2014年6月、同社に雇用される訓練工48人を代表して権利の平等を求める要求憲章を提出する組合代表

インドのインダストリオール加盟組織である統一労働者連盟(SEM)傘下のプラスチック・オムニウム・バロック労組による取り組みのおかげで、この自動車部品メーカーに訓練工として雇用される労働者に、常勤契約の同僚と同じ権利・給付が与えられる。

 2014年7月、フランス系多国籍自動車関連サプライヤーのプラスチック・オムニウムのインド事業であるプラスチック・オムニウム・オート・エクステリアズ・インディア社と、プラスチック・オムニウム・バロック労組によって代表される労働者は、同社の訓練工に関して和解に達した。争点となったのは、訓練工は同じ仕事をしていながら、常用雇用の同僚より賃金が少ないことである。この状況を改善して労働者の公正を獲得するために、組合は2014年6月、同社に雇用される訓練工48人を代表して要求憲章を提出した。

  組合代表と会社との間で一連の会合、議論、対話が行われた結果、和解に達した。訓練工全員を常用雇用し、常用労働者の条件を適用することについて、両当事者が合意している。

 常用労働者に関する現行協約は1年間有効で、すべての労働者に適用される次の協約は2015年7月1日から実施される。

 この1年間に、常用雇用された訓練工の賃金が毎月4,000ルピー(50ユーロ)引き上げられ、賃金総額が月1万2,000ルピー(150ユーロ)、すべての給付を含めた税込給与額が月1万5,000ルピー(185ユーロ)になる。この和解は、うまくいけば地域の他社にとって基準になるだろう。

 

ハネウェル、またしても米USW組合員をロックアウト

2014-08-18

抗議のプラカードを掲げる組合員親子

ハネウェル経営陣に抗議する組合員

ロックアウトに抗議するUSW組合員

ロックアウトに抗議デモ行進するUSW組合員

ロックアウトに抗議するUSW組合員

ロックアウトに抗議する組合員家族

 イリノイ州メトロポリスにあるハネウェルのウラン転換施設は、全米鉄鋼労組(USW)第7-669支部の組合員150人近くをロックアウトし、同労組をつぶそうとしている。インダストリオール・グローバルユニオンは、世界中の加盟組織とともにキャンペーンを全面的に支持している。

 この施設では、イエローケーキと呼ばれる粗製ウランを核燃料濃縮用の六フッ化ウラニウム(UF6)に転換している。この潜在的危険をはらむプロセスには、現在ロックアウトされている鉄鋼労働者の経験と知識が必要であり、無責任な企業決定で地域社会が危険にさらされている。

 工場経営陣が14カ月に及ぶロックアウトの間に生産を継続しようと試みた3年前の前回には、危険薬品の取り扱いを誤ったために危うく惨事という事態が2回あった。原子力規制委員会は、経営側は非組合員の代替労働者が試験でカンニングする手助けをし、最終的に代替労働者が施設を運転することを許可した、と指摘した。

 前回ロックアウト後の2011年8月2日、USW組合員は3カ年労働協約を承認した。前回のロックアウト開始当初、ハネウェルは年金給付、付随の医療給付、組合保護条項の廃止を狙っていた。しかし、第7-669支部の組合員は適正な労働協約を勝ち取り、今その協約が更新の時期を迎えている。

 今回、ハネウェルは全力を挙げて組合をつぶそうとしている。USWとの交渉で提示された同社の案には、経営側が組合員である常用労働者を組織的に契約労働者と入れ替えられるようにする条項が含まれている。未熟練契約労働者にかかるコストは、すでに工場で働いているUSW組合員の常用労働者の人件費よりも高い。

 ハネウェル経営陣は、8月1日午後11時45分ごろ交渉の席に着き、組合側が4時間前に包括的な対案を示したにもかかわらず、ほとんど変わらない案を提示した。組合交渉委員会が会社側の提示を組合員の投票に付すことを断ると、同社は組合に対し、即刻工場から労働者をロックアウトすると通知した。

下記サイトの請願書に署名しよう:

https://actionnetwork.org/petitions/dont-put-our-communities-at-risk-end-the-lockout-and-bring-back-the-experienced-usw-workforce

  インダストリオール・グローバルユニオンのユルキ・ライナ書記長は今日、コート・ハネウェルCEO宛の書簡で次のように述べた。「労働者と地域社会に、御社が第7-669支部との誠実な交渉よりも原子力事故の危険を選ぶというメッセージを送るとは、何ということでしょうか。これは恥ずべき企業の不正行為であり、私たちはハネウェルのUSW組合員がしかるべき公正な労働協約を獲得するまで支援し続けます」

  次の交渉は8月18日午前10時に行われる。経営側が組合を攻撃するために取り組みを拒否している問題は、雇用保障だけではない。現在の会社案は、10%の賃金カットに等しい労働者の医療手当削減も狙っている。ハネウェルの労働者は、ますます強い放射線を浴びているため、当然ながら適切な安全点検を提案している。

 下記の第7-669支部ウェブサイトで交渉委員会案の詳細を参照:

http://usw7-669.com/story/what-we-are-fighting