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第31号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2014年11月~12月)

混乱するメキシコの自動車工場で不当解雇

2014-12-05

 メキシコ・コアウイラ州モンクローバにあるフィアット・クライスラー・グループ傘下のテクシッド・イエロで、今年4月16日に組合の民主化をめぐる争議が発生し、不名誉なほど低い賃金・給付に抗議してストが実施された。600人を超える労働者が、CTM組合の追放と全国鉱山労組(SNTMMSRM)の導入を求めた。

  会社側はストを鎮圧するとともに、3人の労働者を解雇し、CTMの暴漢による労働者11人に対する情け容赦のない大規模な攻撃を組織した。しかし、その後SNTMMSRMと協約を締結し、解雇された労働者3人の復職、労働者への利益分配、そして最も重要なことだが、自分で選んだ組合に加入する労働者の権利の尊重を約束した。また、ストに参加した労働者に報復しないことにも同意した。

 ところが、テクシッド・イエロは11月26日、会社側に協約の遵守を要求したという理由で、労働者スポークスウーマンのイメルダ・ヒメネスを含む17人を解雇した。

  同社の主張によると、解雇の理由は生産が終了したことと、労働者が臨時契約で雇われていたことだという。しかし、どちらの組合に団体交渉権があるかを決定する投票の前に、労働者を威嚇しようとしたというのが実態である。

  組合は解雇を批判し、「会社側は労働者を挑発して4月19日のようなストに追い込もうとしている」と言う。

  解雇された労働者たちは次のように語った。「生産はまだ行われており、私たちは常勤契約に対する権利の法的要件をすべて満たしている。同社が私たちを解雇したのは、5月19日、CTMを追放してナポレオン・ゴメス・ウルティア率いるSNTMMSRMを代表組合に選べるようにすることを会社側に要求した際に、私たちが主導したからだ」と。

  会社側は給付・賃金の支給前に労働者を解雇し、解雇手当を受け取らせようとした。拒否すれば、クリスマス休暇に無一文になってしまう。イメルダ・ヒメネスとジョエル・シルバは、会社は嘘をついていると非難し、解雇同意書への署名を拒否して闘い続けることに決めた。理解しておくべき重要なポイントは、解雇同意書に署名しない労働者が、引き続き復職と未払賃金の支払いを求め、どちらの組合が労働者を代表すべきかを決める選挙で投票できることである。

  イメルダは、解雇されて手当の受け取りを拒否したあと、同僚たちの会合を開いた。この会合にはSNTMMSRMの全国代表と組合弁護士のアルサガ氏も参加し、組合による無条件の支援を伝えた。

 「私たちは、これは不当解雇だと主張し、私の復職と未払賃金の支払いを要求している。同僚たちは全面的に支援してくれる。最後まで闘うつもりだ」と彼女は述べた。

  労働者は、12月10日に労働委員会が開かれ、団体交渉のために労働者を代表したいというSNTMMSRMの申請を審理し、投票日を設定する予定であることを知っている。会社側が投票前に威嚇しようとして労働者を解雇したことは明らかだ。

  コアウイラ州モンクローバで組合代表を務めるマヌエル・プリンス・デュランによると、同労組はテクシッドで労働者を支援しており、労働者は自分たちがさらされている搾取と闘うために何かをしてくれる真の組合を求めている。労働者は、鉱山労組が代表権を獲得すれば、救済を求めるプロセス全体を通じて、解雇された労働者を法律面・財政面で支援してくれることを知っている、とデュランは述べた。

 

メキシコのフィアット・クライスラー・グループ傘下の自動車工場テクシッド・イエロ

テクシッドの労働者は団結し、闘争と選挙に勝利する、と同労組は断言した。

  インダストリオール・グローバルユニオンは、不当解雇とテクシッドによる労働者の威嚇を完全に拒絶し、当局が労働者を保護して組合権を守ることを要求している。

 

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