ミャンマーの生活改善を求める闘い
2015-03-31
50年に及ぶ軍事政権を経て、ミャンマーは民主主義国となり、新興工業国となるべく前進している。労働者は何とか生活改善を実現したいと熱望し、永続的な変革を生み出すには組合が必要であることを認識している。
私は3月にアジアへのミニ・ツアーを実施し、ミャンマーとベトナムを訪問した。両国での活動プログラムはかなり似通っており、労働大臣や加盟組織、パートナーとの会談、衣料工場の視察、記者会見を行った。スケジュールはきつかったが、得たものは非常に大きい。
最初のイベントは、ミャンマー最大の都市ヤンゴンに近い工業地域で実施した。200人を超える若い女性と何人かの男性が一堂に会し、3月8日の国際女性デーを祝ったのである。
38度の暑さと強い日差しのため、行進することはできなかった。屋内で過ごし、組織化、より強力な組合の構築、組合ポストへの女性の登用の促進、そして健康管理と母性保護について話し合った。
50年に及ぶ軍事政権の結果、人口5,000万人のこの国には市民社会も中産階級も存在しないばかりか、病院や診療所もなく、母性・健康問題に関する知識もない。新しいミャンマーの建設には何年もかかるだろう。
しかし、にこやかな若い女性労働者たちは、生活改善を達成しようと多大なエネルギーと情熱を示した。彼女らは、変化を生み出すには労働者の力を組合に結集する必要があることを理解している。
インダストリオール・グローバルユニオンは、ITUCやBWI、FESといったパートナーとともに、ミャンマーで組織化、訓練、組合構築を支援している。2012年以降、1,400の地方組合が設立された。しかし、まだまだ先は長い。
インダストリオールは2014年12月、産業労連、金属労連のIWFMとMWFMの加盟を承認した。いずれもマウン・マウン率いるナショナルセンターCTUMの傘下組織である。
両組合は3年足らず前にゼロからスタートしたため、その成長ぶりは目覚ましい。労使とも交渉の経験がないので、今後、訓練が大いに必要である。同じことが安全衛生問題の取り扱いにも当てはまる。
しかし、労働者はのみ込みが早い。私が訪問したヤンゴン近郊の日系サクラガーメント工場では、女性を中心とする600人の労働者が週60時間、1日10時間、月曜日から土曜日までこつこつ働いていた。
先ごろ、組合委員会(女性のみ!)が工場初の労働協約を締結、18%の賃上げを達成し、最低賃金が月118米ドルになった。ストは必要なかったが、労働者全員が穏やかな警告として2週間にわたり赤い腕章を着用した。
工業生産への外国投資の加速に伴い、政府は新しい労働法と初めての最低賃金の決定に忙しい。私は労働大臣に、最低賃金を生活賃金のレベルに設定することがいかに重要かを伝えた。
大臣は私の話を理解してくれた。性急に賃上げを要求する工場労働者の山猫ストが広がっている。このような行動を平和的に処理することが、新しい社会にとって試金石の1つになるだろう。
インダストリオール 書記長 ユルキ・ライナ
ブラジルの組合、トヨタとフォードで雇用を確保
2015-03-31
ABC金属労組は自動車メーカーのトヨタおよびフォードと協約を締結し、ブラジル・サンパウロ州の2大工場で労働者の雇用を保障した。
CNM-CUTを通してインダストリオール・グローバルユニオンに加盟する同労組は、3月27日にフォードと協約を締結し、サンベルナルド・ド・カンポの同社工場で2017年まで労働者の雇用を確保した。
この協約は雇用保障に加えて、2年間の賃上げと、成果に基づく3年間の利益分配ボーナスも盛り込んでいる。
その数日前の3月23日にも、やはりサンベルナルドで、ABCは雇用保護と持続的成長に関する同様の協約を締結し、この協約はトヨタ工場の労働者に全会一致で承認された。
トヨタは、1960年に日本国外初の同社施設として開設したサンベルナルド工場の近代化に、1,900万ドルを投資する計画を発表した。
同社は現在1,700人の労働者を雇用し、アメリカに輸出するためのカローラとカムリを生産している。
ABCによると、同社は3直の導入によって全ユニットの生産量を約10%拡大し、ポルト・フェリース(サンパウロ)に将来建設されるトヨタ工場に部品を供給するために生産量を14%増やすと予想される。
この協約によって、「トヨタは進出先の国々で経済・社会の発展に持続的に貢献することを、当社の主な価値観の1つとして打ち出したいと考えている」とブラジル・トヨタのスティーブ・サンタンジェロ社長は述べた。
「この協約は、自動車産業が厳しい状況に直面し、多くの自動車メーカーがレイオフを避けるためのメカニズムを採用しているブラジルにとって、絶好の時期に締結された」とラファエル・マルケスABC金属労組会長は述べた。
フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長は言う。「サンベルナルドの組合員の雇用を確保する大きな成果を上げたことについて、ABC金属労組に祝意を表したい。この協約は、加盟組織CNM-CUTとABC、ブラジル政府が現在交渉中の雇用保護プログラムに沿っており、採択されれば、ブラジルのすべての産業部門全体にこの優れた慣行を広めるうえで役立つと期待される」
なお、トヨタ労働者のセベリノ・ホセ・ダシルバは、ブラジルのサンベルナルド工場でトヨタと労働協約を締結するために重要な役割を果たした。
日本の金属労働者、大幅賃上げを確保
2015-03-26
インダストリオール・グローバルユニオンに加盟する日本の金属労組は、2015年の春闘で16年ぶりの大幅な年間賃上げを達成した。日本の金属労働者は毎年2月に賃金・労働条件に関する要求を提出し、団体交渉を行う。
日本経済はデフレに苦しんでおり、不透明な時期にある。組合は、賃上げは経済の活性化に貢献すると信じている。全日本金属産業労働組合協議会(JCM)は、自動車、ICT・電機・電子、機械、鉄鋼、造船各産業の大手企業で50組合の組合員を代表している。
JCMは特に以下の成果を強調している。
●すべての労働組合が賃金構造維持分を何とか確保した。これは実質的に月約2%(およそ6,000円、50米ドル)の引き上げとなる。
●賃金構造維持に加えて、賃上げを要求する組合の97%が2,801円の追加増額の取り決めに成功した。基本給の増額と合わせて、月約8,801円の引き上げとなる。
●33組合が年間平均一時金5.26カ月分(前年比0.1カ月分増)を取り決めた。
●24組合が企業内最低賃金(月額)の2,004円の増額を取り決めた。これは未組織労働者と非正規労働者の賃上げにも寄与する。
●非正規労働者の労働条件改善に関して、いくつかの組合は、経営側から積極的・具体的な回答と協力的で好ましい約束を引き出すこともできた。
2015年の春闘で達成した結果に関する声明で、JCMは次のように明言している。「今後回答を引き出す組合についても、これまで引き出した回答と同様、昨年の引き上げ額を確実に上回る賃上げを獲得すべく、支援を進める」
インダストリオール、ロールスロイスに韓国の労働組合員の復職を要求
2015-03-26
インダストリオール・グローバルユニオンは、釜山市労働委員会が解雇を違法と裁定したことを受けて、解雇された労働組合員12人を直ちに復職させるよう同市のロールスロイス・マリン・コリアに要求した。
釜山国家労使関係委員会は2015年1月7日、船舶用ウインチを製造するロールスロイス・マリン・コリアが2014年10月に組合員を違法に解雇したとの裁定を下した。
同社は、「経営上の緊急性」のため、韓国金属労組連盟(FKMTU)を通してインダストリオールに加入している労働者を解雇したと述べている。
同委員会の裁定によると、ロールスロイス・マリンは、経営上の理由による解雇を制限している韓国の労働基準法に違反した。したがって同社は、判決書発行後30日以内に、解雇された労働者全員を復職させなければならない。
しかし、同社は労働者を復職させておらず、中央国家労使関係委員会に再審を請求した。
「会社側が過失を認め、解雇された労働者に謝罪するまで、私たちはあきらめない」と組合指導者のジェ・ハヨンは言う。「無力な労働者のために勝利を収めたい」
ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、ロールスロイスへの書簡で次のように述べた。
「解雇された労働者を直ちに復職させ、労働者と組合に対する嫌がらせをやめるよう強く要求します。さらに、ロールスロイス・マリン・コリア経営陣に対し、組合との交渉の場に戻って、この紛争の公正かつ公平な解決を達成するとともに、建設的な労使関係を構築することも要求します」
釜山市のロールスロイス・マリン・コリアは、イギリスに本社を置く世界的に有名なエンジニアリング会社、ロールスロイスの関連会社である。
この韓国企業は2000年に設立され、2014年の総売上高は3,600万米ドルだった。
インダストリオールとティッセンクルップ、基本的権利の促進に関するグローバル協定を締結
2015-03-20
インダストリオール・グローバルユニオンは、世界80カ国近くで15万人以上の労働者の権利を保護・促進するために、金属産業のさまざまなセグメントで活動するドイツ系多国籍企業ティッセンクルップと、グローバル枠組み協定(GFA)を締結した。
ドイツのインダストリオール加盟組織IGメタルとティッセンクルップ従業員代表委員会は、2015年3月16日にエッセンの同社本社で執り行われた式典で、ティッセンクルップとのGFAプロセスを完了した。このGFAは、同社の事業全体に組合員がいるインダストリオール加盟組織と協議して立案された。このプロセスは、アメリカとイタリアの労働争議の解決策を見つけるうえでも重要な役割を果たした。
インダストリオール会長としてGFAに署名したベルトホルト・フーバーは、この新しいGFAを「流れを決める協定」と呼んだ。この協定では、苦情処理制度や国際委員会への関与によって、労働者代表の参加が確保される。フーバー会長は、さらに次のように述べた。
「グローバルに活動する多国籍グループは、労働者に全世界で公正な労働条件を提供し、労働者の利益となるように既存の規則や規制、法律を守るよう確保しなければならない」
協定に従って、ティッセンクルップは、世界中のすべての子会社で国際基準、特に国際労働機関(ILO)の原則に従う義務を負う。この原則には、ILO条約第29号、第87号、第98号、第100号、第105号、第111号、第138号および第182号が含まれる。新たに締結されたGFAに基づき、ティッセンクルップは以下の原則を尊重することを約束している。
●機会均等と平等な待遇
●各国でそれぞれの法律、団体交渉協約その他の協約に定める最大労働時間
●妥当な報酬を受け取る全従業員の権利
●従業員の安全衛生は重要な問題であり、ティッセンクルップは安全で衛生的な労働環境に関する地域法を遵守する義務を負う。
●すべての従業員は、労働組合や従業員代表機関を設立し、団体交渉を行う権利を有する。
●あらゆる形態の児童労働と強制労働は禁止される。
このGFAには、さまざまな労使代表が参加する国際委員会を通して実施・監視を行うための強力な条項も盛り込まれている。
ティッセンクルップは世界有数の金属会社で、自動車産業、エレベーター、エスカレーター、材料管理および産業サービス用の部品やシステムを提供している。
マルチ・スズキ労働者81人が保釈
2015-02-19
マルチ・スズキ・マネサール事件に進展があり、ハリヤナの地方裁判所が労働者81人の保釈を許可した。労働者たちは、会社の管理者に対する暴行・殺害の容疑で2012年7月から収監されていた。
2012年にインドのマルチ・スズキ工場で暴力事件が発生し、管理者1人が死亡したあと、約2,800人の労働者が解雇され、147人が投獄された。労働者たちは殺人、殺人未遂および犯罪的陰謀で告発された。
今年2月に2人が保釈され、3月17日にさらに79人が保釈された。64人がまだ保釈を待っている。
保釈手続きが長引いており、経営側は労働者に不利な実質的証拠を提示していない。
最高裁上級弁護士のブリンダ・グローバーは保釈手続きの遅れについて次のように述べた。
「国家は企業を喜ばせ、労働組合をつぶし、労働者を弾圧するために、犯罪捜査や告発、投獄を利用している」
スドハシャン・ラオ・インダストリオール地域事務所所長は、労働者の基本的権利を保護する判決を歓迎し、連帯を表明した。
「政府が三者構成原則の精神に従っていれば、労働者の試練はもっと短くてすんだだろう。今度は、今なお獄中にある労働者が速やかに保釈されることを願う」
オンタリオ州政府、クラウン・ホールディングスでの18カ月に及ぶストの調査を開始
2015-03-17
インダストリオール・グローバルユニオンは北米の加盟組織、全米鉄鋼労組(USW)とともに、トロントのクラウン・ホールディングスで賃金・労働条件をめぐり18カ月にわたって行われたストについて、オンタリオ州政府が調査を開始するという決定を歓迎した。
めったに利用されることのない産業調査委員会が、米国系多国籍企業のクラウン・ホールディングスが2013年9月に引き起こした労働争議を調査する。
同社は2012年、利益がほぼ倍増するという信じられないほど好調な業績を上げていながら、労働者に賃金と給付に関してさらなる譲歩を求めた。使用者側の非協力的態度を受けて、労働者はストに入るしかなかった。
クラウンは過去18カ月間、USW第9176支部との交渉によって争議を公正な形で解決することを一貫して拒否してきた。それどころか代替労働者を採用し、争議を長引かせて組合をつぶし、ストを抑えようとしている。
インダストリオール加盟組合ユニフォーをはじめとする同盟組織は、USWとともにオンタリオ州政府に対し、クラウンに交渉による公正な解決を強制することによって、労働争議の終結を支援するよう要求している。
USWオンタリオ州責任者のマーティー・ウォーレンは言う。
「クラウンのスト参加者の大部分は長期勤続従業員で、クラウンを今日の収益性の高い巨大企業に築き上げるために勤労生活を捧げてきた。この18カ月のストは、組合員に無数の財政的・個人的悲劇をもたらしている。産業調査の発表によって、クラウンが献身的な従業員への公正な対応を拒否し続けるという、この長く悲惨な状況に終止符を打たなければならない」
インダストリオールのブライアン・コーラー安全衛生・持続可能性担当部長は、政府による調査の発表を受けて、クラウンのピケ参加者に連帯の挨拶を伝えた。
「この闘いにはトロントでのピケラインにとどまらない重要性がある。他の北米の使用者も注視しており、もしクラウンが成功すれば米大陸全域で同様の争議が一斉に起こるだろう。クラウンの恥ずべき行動に対する私たちの共同対応は、グローバルな連帯だ!」
電子産業が有毒化学物質の使用に抗議
2015-03-16
インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織を含む200以上の市民社会組織の代表は今日、電子産業で有毒化学物質による危害を防止するために抗議行動を開始する。
100社以上のエレクトロニクス企業を代表する業界団体、電子業界CSRアライアンス(EICC)は、3月16日にブリュッセルで会合を開き、化学管理戦略について議論する。
GoodElectronicsネットワークと責任あるテクノロジーのための国際キャンペーン(ICRT)が主導する市民社会グループは、この機会を利用して電子産業に正式に抗議し、化学的安全の改善と有毒物質にさらされている労働者の安全確保を要求している。
この抗議行動は、開示の重要性、有害化学物質に代わるより安全な代替物質の使用、労働者の保護、結社の自由、職場監視への労働者の参加、環境保護、労働者や地域社会、環境に対する損害賠償の必要性を強調している。
インダストリオールのブライアン・コーラー安全衛生・持続可能性担当部長は述べた。
「安全衛生は労働者の権利の問題だ。労働者には権利があり、使用者には責任がある。至って単純な話だ。電子産業は、効果がない監査システムや不十分な規則を盾にとるのをやめて、労働者が生産ラインで有毒物質にさらされないようにするために実際に行動を起こすべきときが来ている」
電子労働者が病気やがんにかかっているという証拠が増加している。労働組合とNGOは、製造業で使用されるベンゼンなど毒性の強い化学薬品にさらされたために、過去5年間に病気になった電子労働者の事例を何百件も報告している。
インダストリオールとカンボジア、インドネシア、マレーシア、フィリピン、韓国、アメリカの主要エレクトロニクス生産地域の加盟組織は、電子産業の使用者がこの抗議に注意を払うよう共同で要求している。
抗議文を読んで支持者を参照するには、ここをクリック。
インダストリオール・インドネシア、2015年の行動計画を立案
2015-03-12
インダストリオール・インドネシア協議会の組合幹部30人が、2015年2月23~25日にジャカルタで全国統一会合を開き、向こう1年間の計画を立てた。
金属、鉱業、繊維・衣料、医薬品、石油・ガス部門の11の全国連合団体を代表する女性12人と男性18人に加えて、ジュネーブのインダストリオール・グローバルユニオン本部のスザンナ・ミラーとアーメル・セビー、インダストリオール東南アジア・シンガポール事務所のボニー・ディアナント、インダストリオール・プロジェクト・コーディネーターのアランヤ・パカパットとユン・ヒョウォン、スウェーデン・ユニオネンのアン・ヘレーネ・ウェストラップも参加した。
この会合でインドネシアの労働組合員は、この国の労働情勢、団体交渉、組織化、不安定雇用、世界・地域レベルにおける2015年のインダストリオールの方針と活動をめぐり討議した。スウェーデン・ユニオネンのアン・ヘレーネ・ウェストラップは、スウェーデンの労働組合に関する情報と労働協約モデルについてプレゼンテーションを行った。
インダストリオール・インドネシア協議会の女性委員会は2014年、「14 Weeks」と「Stop Check Menstruation Blood」というタグラインで、インドネシアのすべての女性労働者の母性保護を求める全国キャンペーンを開始した。このキャンペーンは、団体交渉協約(CBA)によって出産休暇を(現在の12週間から)14週間に延ばすことを要求し、女性が生理休暇の取得を希望したときに使用者が血液検査を行うことをやめるよう主張している。インドネシアの女性には、医師の診断書があれば生理中に1日か2日の休暇を取る法的権利がある。しかし使用者には、月経の身体的徴候について女性を検査するという屈辱的な手続きを行う権利がない。
女性委員会はインドネシア政府に対し、母性保護に関する国際労働機関第183号条約の批准も要求した。
「今年も引き続き、このキャンペーンを全国に広め、母性保護に関するモデルCBA条項を作成して工場レベルの組合に普及させていく。11連合団体の女性委員会と協力することにしている」とインドネシア女性委員会のリリス・マームダー議長は述べた。
全国統一会合は、インドネシアにおける不安定労働者の問題も強調した。「国有企業の外注労働者を取り巻く状況は、民間部門よりよいというわけではない。外注労働者の雇用形態を正社員に切り替えるようインドネシア政府に促すために、キャンペーン活動『GEBER BUMN』を展開している。今、目標を達成するためにすべての加盟組織がもっと努力し、支援する必要がある」と金属・鉱山労連のジュディ・ウィナルノとリスワン・ルビスは言う。
全国統一会合は、産業部門とエネルギー鉱業部門に関するいわゆる「国家的重要産業」についての大統領令(2004年第63号)と産業省令(2014年第446号)をめぐり、論議を呼ぶ規則に関する討議も開始した。この規則は、警察や軍による労使関係への干渉を「保証」することによって、労働基本権に害を及ぼす。
インドネシアの加盟組織は新しい法律について警告を発した。「この規則の利用を注意深く監視し、命令を撤回させるためにインダストリオール国別協議会の枠内でキャンペーン・チームを設置する」
インドネシアの組合指導者は、この統一会合の機会を利用して2015年の優先課題を決定し、団体交渉協約の改善、組織化、キャンペーン、全国レベルの提言、不安定労働者の保護・組織化、連合団体が効果的な役割を果たせるよう上位レベル組合を強化する構造改革などの活動を計画した。
「これで2015年の日程が決まった。加盟組織指導者の集団的な活動を通して、インダストリオールのすべてのプロジェクトと活動が結合・統合されている。インダストリオール・インドネシア協議会が、インドネシアのインダストリオール加盟組織の間で連帯を構築して団結を維持するうえで、重要な役割を果たすことを私は確信し、楽観視している」とスジャイフル・パトンボンは締めくくりの言葉で述べた。
伊テナリス・ダルミネの金属労働者、余剰人員解雇に反対して結集
2015-03-12
伊テナリス・グループのダルミネ工場で働く労働者全員が称賛すべき形で連帯を表明、3月10日に一日
ストを実施して3つの工場入り口前で集会を開き、会社側が発表した406人の余剰人員解雇に抗議した。
ストは午前6時に始まって終日続いた。このストはインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織のFIM-CISL、FIOM-CGILおよび UILM-UILが組織した。行動の目的は、会社側が406人(見習工120人を含む)の労働契約を延長せず、雇用を削減するという2月25日発表の計画 に反対することだった。この工場は現在、約1,850人の労働者を雇用している。
「テナリスの労働者全員が、ストの理由を理解し共有した」とユージニオ・ボレラFIOM-CGIL地方書記長は話す。「私たちとしては、すべての未解決問 題に関して交渉を開始できればと考えている。見習工の確認を皮切りに、この状況が続くようなら、連帯契約の利用に関する提案を踏まえて生産上の困難につい ても協議したい」
余剰人員解雇は、労働者とその家族だけでなく地域社会にとっても、極めて重い社会的費用になる。組合によると、同社が挙げる解雇の理由、特に石油価格の下 落と石油産業用パイプの需要減少は、イタリアや世界各地でテナリス・グループの生産能力を削減する正当な理由にならない。
会社側に対する組合の代案は、1984年にイタリアで法的に導入された連帯契約の利用である。それ以来、連帯契約は雇用水準を維持しつつ労働時間を短縮することにより、経済危機に負けず雇用を維持するために不可欠な手段となっている。
「私たちは動員によって、会社側が見習工に関する姿勢を変え、直ちに交渉を開始するよう求めている」とFIM-CISLベルガモのエマニュエーレ・ファン ティニは言う。「さもなければ、争議は拡大の一途をたどるだろう。余剰人員解雇を撤回させたら、この危機を引き起こした要素についての議論を求める。厳し い状況にあることは分かっているが、どうやって原状に取り組むかを決めるプロセスに関与したい」
コスタ・ボルピーノ、アルコレ(モンツァ・エ・ブリアンツァ県)、ピオンビノ(リボルノ県)にある他のグループ傘下工場の労働者たちも、ダルミネの同僚の 未来と自分自身に対する潜在的影響を懸念して行動に参加した。コスタ・ボルピーノでは、交代勤務が終わるたびに2時間のストが実施された。
「テナリス首脳部との対話を再開できたのは非常に重要な一歩だった」とUILMベルガモのエミリオ・ロリウスは述べた。「労働者は共同でシグナルを送っ た。今、まずは基本的な前提条件から、未来についてじっくり議論する必要がある。見習工は会社の相続財産であり、保護しなければならない」
組合によると、経営側は動員の規模に驚いている。組合側は、雇用の構造的削減なしで注文や生産活動の落ち込みに取り組む方法をめぐる議論に招待されることを期待している。議論が始まらなければ、さらに動員が続くだろう。
フィリピンの金属労働者が多国籍サプライヤーに照準
2015-03-09
フィリピンの金属労組は、国内で労働者の権利を侵害している多国籍企業のサプライヤーに照準を合わせている。
インダストリオー ル・グローバルユニオン加盟組織のフィリピン金属労働者同盟(PMA)は3月3日、無節操なサプライヤーでストを実施するキャンペーンを開始した。PMA は、学生主導の運動である労働者・若年者同盟(ALAY)と協力して、カトーレックフィリピン、森六、創美工芸、ヤング・シン・トロニクスで労働者の権利 を求めて闘う。
上記サプライヤーのうち3社、カトーレックフィリピンと森六、創美工芸は、悪しき反組合的方針で知られる経済特区にある。
キャンペーンの目的は、企業による嫌がらせや労働法違反が横行している現状を強調することである。
組合幹部の証言は、労働者の権利の侵害が続く中で、企業側が処罰されない文化があることを浮き彫りにしている。「これらの企業は特別な毛布で保護されているかのようで、労働裁判所の決定さえ無視されている」とPMA代表は言う。
「2回目の認証選挙で組合側が圧倒的な勝利を収めたにもかかわらず、カトーレックフィリピンは、当組合の承認も労働条件の改善に向けた交渉も拒否してい る。それどころか同社は、組合の指導者であるという理由で私を解雇した」とカトーレックフィリピン労組(KAPLU)のフェルミン・ガリシア会長は述べ た。
KAPLUの女性役員は目に涙をためて、労働者が求めているのは賃金と労働条件の改善に尽きると力説し、「この会社で12年働いてきたが、その間わずかな賃金しか受け取ったことがなく、まともな生活を送るにはほど遠い水準だ」と嘆いた。
フィリピンの森六では、組合が結成されるとすぐに労働者に対する嫌がらせや威嚇が始まり、特に組合役員が狙われた。「私たちが知る限り、組合側は違反や不 法行為は一切犯しておらず、ただ組合結成権を行使したいだけだ」と森六フィリピン労組のジョゼフ・アプリカドール会長は語る。しかし、この主張は経営側に 無視され、組合の会長と副会長がともに解雇された。
「サムスンのサプライヤーであるヤング・シン・トロニクスは、話のポイントを理解し ていない。労働者が求めているのは、自分たちの利益を代表してくれる組合を持つことだけだ」とアプリカドール会長は述べ、「同社の労働者は、個別の闘いで は権利や給付改善を獲得するのが難しいことを理解し始めており、それが理由で共同行動を決定した」と付け加えた。
3月8日の女性デーに向けて団結!
2015-03-05
インダストリオールは加盟組合に対し、3月8日の国際女性デーに行動を起こすよう呼びかけている。
私たちは3月8日に国際女性デーを記念して行動を起こそうとしている。現在、世界中でますます多くの女性が暴力の影響を受けるようになっており、女性は武力紛争や宗教的不寛容(宗教とは関係のない紛争)の犠牲者で、またしても戦争の手段として利用されている。
これらの危機は打ち続く経済摩擦とともに、女性の権利への直接的な脅威であり、女性の業績に対する攻撃である。2015年も女性たちは、根強い暴力、伝統 的な男女の役割やジェンダー・ステレオタイプ、新たな環境問題、医療サービスへのアクセスの欠如、過激主義に直面し続けている。
人種、階級、文化、社会、経済、宗教および政治構造は女性の搾取の上に成り立っている。女性は今なお家庭や社会で暴力にさらされやすく、出産休暇など多くの法的保護を受けていない。
ヨーロッパでは緊縮政策により、女性の出産手当が削減されており、父親がもっと家事を手伝うよう奨励する試みが破綻している。多くの場合、女性はいまだに母親か労働者かの選択を迫られている。
インダストリオールのアジア太平洋地域は、この3月8日に、すべての女性の母性保護を要求する。臨時的かつインフォーマルな条件下で働きながら、母性保護を享受していない不安定労働者が増え続けているため、これは必要な要求である。
団体交渉は、女性に優しい法律の欠如を埋め合わせることができる。それでも労働組合は、男性による提案をめぐる交渉で、女性が要求した提案がもみ消されな いよう取り計らわなければならない。女性は電子や衣料といった産業で労働力の大部分を占めていながら、依然、労働組合指導部で適切に代表されているとは到 底言えない。このため、賃上げや労働条件改善の交渉にあたって女性は不利な立場に置かれている。
インダストリオール女性委員会のクリス ティン・オリビエ議長は、女性が今も直面している厳しい課題を次のように強調する。 「女性の組合組織率は平均40%だが、組織の最高意思決定ポストに占める女性の割合は15%にすぎない。女性の労働力率は男性を26ポイント下回る水準で 低迷している。女性は相変わらず、インフォーマルで質が低く過小評価された不安定な雇用で目立っている。女性の平均賃金は男性より4~36%少ない。ジェ ンダーに基づく暴力は依然、職場で大目に見られすぎており、それを禁止する包括的・国際的な法的基準はない」
インダストリオールは ITUCとともに加盟組織に対し、各国政府に働きかけて、ジェンダーに基づく暴力に関する提案を今後のILO国際労働総会の議題に盛り込ませるよう促して いる。この問題については、2015年3月12~27日のILO理事会で討議される予定である。したがって、早急に理事会のメンバーに接触し、この提案を 支持する必要があることを強く訴え、職場でジェンダーに基づく暴力に取り組むために国際基準を採択することの重要性を強調しなければならない。
母性保護はもちろん重要だが、女性は母性問題にとどまらず、賃金や昇進における男女平等、仕事のステレオタイプ化の禁止、非差別を達成するために前進する必要がある。
モニカ・ケンペール・インダストリオール書記次長はこう説明する。「私たちインダストリオールは、適切な女性代表を確保するには割り当てが必要だと確信し ている。割り当ては、それがもはや必要なくなるまで実施できる一時的な手段になる。しかし、社会や労働組合の基本的変換は、割り当てだけに基づいて起こる ものではない。ジェンダーに関する考え方を変え、真の解放と女性のエンパワーメントにつなげていかなければならない」
加盟組合に対し、この3月8日に行動を起こし、実施した活動の写真を送るようお願いする。
ブラジルのゼネラル・モーターズでスト参加者5,000人が勝利
2015-03-03
ブラジルのゼネラル・モーターズで5,000人を超える労働者が6日間のストを実施した結果、組合が勝利を収め、会社側は800人のレイオフ計画を撤回した。
サンパウロ南東部サンジョゼ・ドス・カンポスにある工場で金属労組の労働者数千人がストに入り、労働者800人に一時休暇を与えたのち解雇するというGMの計画に抗議した。
しかし数回の交渉を経て、「GMは組合側の主な要求であったレイオフの中止に同意し、私たちはスト終結に同意した」と組合指導者のアントニオ・フェレイラ・デ・バロスは2月26日のスト終結時に語った。
労働側は、3月9日から650人の労働者が5カ月の有給休暇に入り、その後少なくとも3カ月にわたって復職することに同意した、とバロスは述べた。
GMは当初、2カ月の有給休暇のあと労働者を解雇することを提案していた。
同社は今後、労働者に早期依願退職報奨制度による自主退職を勧める。
サンジョゼ・ドス・カンポス工場はGMのS10とトレイルブレイザーを生産している。GMは同工場の労働者数を2012年の7,500人から現在では5,200人に削減している。