広報ニュース

第37号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年6月4~15日)

IGメタル、グローバル協定の強化に専心

2015-06-15

 

2015年6月2~3日にドイツ・フランクフルトでワークショップが開かれ、GFA分野における経験と包括的な進展をめぐり討議

ドイツのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織IGメタルで、約50人の組合幹部と従業員代表委員会代表が、同労組が交渉と実施を主導した既存のグローバル枠組み協定(GFA)を評価するために突っ込んだ議論を行った。

  この会合は2015年6月2~3日にフランクフルトのIGメタル本部で開かれ、この問題に取り組むワークショップの参加者が、GFA分野における経験と包括的な進展について討議した。対象となったのは、インダストリオール・グローバルユニオンが多国籍企業と締結した46本のGFAで、ドイツ系企業はこれらのGFAにおいて重要な役割を担っている。これらの協定は、航空宇宙から機械エンジニアリングまで多岐にわたる部門をカバーし、ILO中核的条約、ディーセント・ワーク、労働安全衛生、児童労働・強制労働の禁止など、いくつかの問題に言及している。

  参加者は、2014年12月にチュニスの執行委員会で採択されたインダストリオール・グローバルユニオンの新しいGFAガイドラインについても議論した。この新しいガイドラインは、新規GFAの交渉・締結手続きに関するいくつかの原則も、透明かつオープンに定めている。参加者は、90年代終わりにさかのぼるGFAや最近締結されたばかりのGFAをめぐる進展を分析した。

  参加者は、先ごろ研究者とともに実施された第1世代・第2世代の既存GFAに関する調査の結果にも検討を加えた。この研究は、これらの協定が多国籍企業の方針に予想以上に大きな影響を与えていることを証明している一方で、まだまだ先は長いことも示している。ワークショップでは、「労働組合と従業員代表委員会の存在と圧力が、GFAの成功に不可欠であることに疑問の余地はない。フォローアップしなければ、いくつかの第1世代協定の悪例が示すように、協定が休眠状態になってしまう」と指摘された。このワークショップでは、多国籍企業が事業を展開している世界中の国々で、協定の実施と全国・地方組合の能力強化が重要であることも強調された。

  ウォルフガング・レムIGメタル執行委員が、機能するGFAの価値を過小評価してはならず、同時に、GFAは複雑な手段の1つであるため、一連の活動や労働組合の存在に埋め込むことが重要だと明言した。

  ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は、プレゼンテーションで次のように述べた。

 「インダストリオールにとって、GFAは私たちがGFAガイドラインにおいて共同で定義した基準を満たさなければならない。少なくとも、結社の自由、団体交渉権、児童労働・強制労働の禁止、非差別ルールのようなILO中核的労働基準を盛り込まなければならない。しかし、私たちはそれ以上のことを求めている。その名に値するGFAによって、締約企業の従業員のために変化をもたらしたいと考えており、サプライチェーンや、労働組合の参加によるGFA監視ルールを組み入れなければならない」

 

 

東欧の加盟組織、鉄鋼業と鉱業で力をつけるために会談

2015-06-15

 

東欧の加盟組織は鉄鋼業と鉱業で力を強化するために2015年6月4~5日にジョージアのバツーミで会談

アルメニア、アゼルバイジャン、ジョージア、カザフスタン、キルギスタン、ロシア、ウクライナのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は、6月4~5日にジョージアのバツーミで会合を開き、鉄鋼業と鉱業で団体交渉を強化する戦略を検討した。

  フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長が、鉄鋼業のグローバルな傾向について報告した。主要製鉄会社に関する予測によると、中国は依然、金属製造・消費が増加している唯一の国であり、2030年まで2桁成長を達成すると予想される。2番手の鉄鋼製造国であるアメリカと第7位のロシアは、いずれも2014年から2030年まで現在の地位を維持するが、生産量はやや減少するだろう。減少が予想される大きな原因は、例えば自動車部門その他の産業で、金属に代わる新素材が利用されるようになることである。

  ウクライナ金属・鉱業労組(MMIWU)のセルゲイ・コミシェフ会長が、金属生産が年間4,000万トンから3,000万トンに減少した原因は、2008~2010年の金融危機後におけるウクライナ経済の変化とドンバスの軍事衝突だと報告した。同会長は使用者団体との関係が難しい状況にあることにも触れた。多国籍企業は使用者団体に加入していないため、部門別団体交渉協約に加わっていない。

  参加者は、域内でますます目立つようになっている不安定雇用に特別な注意を払った。ウクライナでは、2013年1月1日に実施された「国民の雇用に関する法律」によって、不安定雇用の利用が制限されている。この法律は三角雇用を合法化し、別の使用者のために労働者を採用する場合に免許を義務づけている。この法律によって、例えば、冶金会社で多くの労働者を再雇用していた人材会社、アゾフ・パーソナル・サービスが閉鎖された。労働者たちは各社において、危険な状況にある蒸し暑い作業場でこつこつ働いていたが、正式にはアゾフ・パーソナル・サービスを通して雇用され、その企業に直接雇用されていれば受給資格があったはずの給付を支給されていなかった。同社の閉鎖後、数百人の労働者が常用雇用で復職を果たした。しかしMMIWUが、同社を通して雇用されていた間に労働者が失った雇用保障を取り戻すには、長い時間がかかった。

  ロシア鉱山・冶金労組のアンドレイ・シュベドフ副会長が、ロシアは不安定雇用禁止法を採択したと述べた。

  カザフスタン鉱業・金属産業労組のアシルベック・ヌラリン会長が、部門レベル交渉にあたって直面している難題について話した。ここ5年以内でアルミニウム価格は2分の1、銅価格は3分の1、鉄鉱石価格は40%下落している。価格は今や原価に近い。同時に、一部の産業では労働者数が3分の1以下に減少し、組合が使用者と交渉するのが難しくなっている。

  キルギスタン鉱山・冶金労組のエルダル・タジバエフ会長が、同労組の発展と規約に定める組合の構造改革について語った。

  ジョージア冶金・鉱業・化学産業労組のタマズ・ドラベリーゼ会長が、RMGゴールド社とRMGカッパー社で組織労働者に圧力が加えられた事件を取り上げ、ノルウェー工業・エネルギー産業労組の支援による組織化プロジェクトについても報告した。

  会合参加者は、アルメニア共和国鉱山・冶金・宝石労働組合組織(TUMMJRA)支部組合を新規加盟組織として受け入れるというインダストリオール執行委員会の決定を歓迎。フェルナンド・ロペスが、同労組代表団にインダストリオール・グローバルユニオンの旗を手渡した。

 

 

インダストリオール・グローバルユニオンICT電機・電子世界会議

2015-06-12

 

挨拶する有野ICT・電機・電子部会長

6月11~12日にマレーシアのペタリンジャヤでインダストリオール・グローバルユニオンICT電機・電子世界会議が開かれ、16カ国・32組織から約100人の代議員が出席した。

  ICT電機・電子世界会議の参加者は、向こう4年間の行動計画で以下の活動に対する強い決意を確認した。

●グローバル資本に立ち向かうための組合の力の強化

●労働組合権を求める闘い

●不安定雇用との闘い

●産業政策と持続可能性の促進

  有野正治部会長は開会の辞で、この部門では多国籍企業の拡大が加速しており、不安定労働者を取り巻く状況が悪化していると主張した。

 「特に新興国や発展途上国で幅広い連帯行動を起こすために、組合の団結を強化しなければならない」と有野部会長は述べた。

 「あらゆる場所の労働者にとって容易ならざる時期を迎えている。したがって、労働者を組織化して教育し、権限を与えるのは私たち労働組合の任務だ」とケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長は冒頭に歓迎の辞で述べた。

 松崎寛インダストリオールICT電機・電子担当部長が、グローバルな傾向の大要を説明した。

活動報告をする松崎ICT・電機・電子部会担当部長

「この部門への外国投資は一斉にASEANとインドに流入している。これらの国々では、結社の自由(第87号)と団体交渉権(第98号)に関するILO条約が尊重されていない」

  インダストリオール加盟組織「労働者の力」(FO)のアン=マリー・ショピネがヨーロッパの状況を概説。特に、ヨーロッパでは非常に厳しい債務削減政策が実施されているが、これは労働者、とりわけ25歳未満の若年者の状況に影響を及ぼしており、この年齢層の失業率は気がかりな水準に達していると説明した。

  2014年にグッドエレクトロニクス・ネットワークと協力して、欧州委員会の支援による5カ年プロジェクトが開始された。このプロジェクトはASEAN地域の電子労働者の組織化に焦点を合わせており、その30%が女性で、外注労働者や臨時労働者、移民、学生も含まれている。2014年には、インドネシア(FSPMIとロメニック)、マレーシア(EIWUとEIEU連合)、タイ(TEAM)、ベトナム(VUIT)、台湾(ROCMU)のインダストリオール加盟組織で、600人を超える労働組合員が組織化訓練を受けた。このプロジェクトは2015年からフィリピンでも実施される。

  タイ、マレーシア、インドネシアから参加したパネリストが、すでに具体的な成果が表れていることを説明した。タイTEAMのサンヤ・クロムタイソンによると、TEAMは移民労働者や派遣労働者が加入できるようにするために規約を変更する。

  マレーシアEIEU連合のサフル・ハミド・ビン・フセインは、経営側による強い抵抗と組合つぶし戦術にもかかわらず、EIEUは電子部門で労働者の組織化に成功したと説明した。そしてEIEUは初めて、移民労働者も対象とする団体交渉協約を取り決めた。

  「インドネシアでは、労働者の40%が社会的保護の対象に含まれていない。労働者は依然、労働組合権や労働者の権利に関する知識を得る必要がある」とロメニックのジュスマニアは語った。インドネシアの組合は不安定雇用の問題を解決しようと、不安定労働者に規則に関する情報を提供したり、権利について教育するワークショップを開催したりするために行動を取っている。

  マレーシアでは、組合が交渉力を失っていることも報告された。その会社に複数の人材派遣会社が入っている場合、不安定労働者を組織化するのが難しいからである。

 電子業界CSRアライアンス(EICC)のビリー・グレイソンの参加のもと、ILO世界対話フォーラムに対する組合の期待についても討議した。グレイソンの説明によると、EICCは、臨時労働者が若年労働者や勤労学生、移民労働者である場合、労働者が最も大きな危険にさらされることを認識している。「私の印象では、ILO対話フォーラムは積極的な活動だった。フォーラムの合意事項には満足している。このプロセスは非常に緩慢だが、関与することが重要であり、ILOの討議に引き続きかかわっていく必要がある」と同氏は述べた。EICCの詳細については、下記サイトでビリー・グレイソンへのフルインタビューを参照:

https://www.youtube.com/watch?v=LCIC4JC4fBU&feature=youtu.be

 「労働組合は契約労働者その他の未組織労働者を組織化しなければならない」とフィリピンMWAPのレデン・アルカンタラは述べ、「ILO世界対話フォーラムの課題は、このフォーラムがどのように実施されるかにある。組合は、需要の変動は不安定労働者を雇用する口実にならないと主張している」と結論づけた。

  労働組合は持続可能な産業政策に関する活動と、そのような政策を奨励するうえで組合が直面している問題や課題を共有した。参加者は、電子産業のグローバル・サプライチェーンで課題を克服する方法について議論した。

  この部門は大手多国籍企業に支配されているため、インダストリオールがグローバル・レベルで組合の力を強化し、多国籍企業に立ち向かうことが重要である。

  ドイツIGメタルのカール=ハインツ・ハゲニが、「雇用のデジタル・プラットフォームが新たに出現しており、労働条件や雇用に大きな影響を与えている。このような理由で、IGメタルはこれらの労働者を保護するためにwww.Faircrowdwork.orgを立ち上げた」と説明した。

  この会議では、インダストリオールの目標と基本戦略に基づいて部門の行動計画も採択された。

  参加者は、PTフィリップス・インダストリーズ・バタムで不当解雇された労働者に関する決議も承認した。この会議は同社に対し、労働者に対する嫌がらせをやめてFSPMIとの団体交渉を再開し、この紛争の公正かつ公平な解決の達成と建設的な労使関係の確立を目指すよう要求した。

  電機連合の有野正治とプリハナニ・ボエナディがICT電機・電子部門の共同部会長に選出された。

  会議終了後、代表団はマレーシアのパナソニックPAPAMY空調設備工場を見学し、地方組合幹部およびパナソニック経営陣と会談した。この見学によって代議員は、工場の歴史と建設的な労使関係を理解することができた。

 

会議終了後、全員での記念撮影

 

イギリスのインダストリオール鉄鋼関連加盟組織、年金削減に反対してスト

2015-06-11

  イギリスでタタ・スチール労働者1万7,000人が6月22日に年金削減案を拒絶してストに入り、国の鉄鋼業が活動を停止する。

  イギリスで35年ぶりとなる鉄鋼部門の全国ストは、タタの4大組合(コミュニティー、ユナイト、GMB、UCATT)のスト権投票で強力な支持を受けた。コミュニティーとユナイト、GMBは、インダストリオール・グローバルユニオン加盟組織である。UCATTは建設労働者を組織化しており、国際建設林業労働組合連盟に加盟している。

 英国タタ・スチールの最大組合はコミュニティーで、組合員の88%がストに賛成票を投じた。

  英国タタ・スチールの年金赤字は2011年以降劇的に膨れ上がっており、金融危機の際に労働者が大幅に譲歩したにもかかわらず、タタは労働者に年金基金赤字の責任を取らせようとしている。

 ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長はタタ・スチール会長サイラス・ミストリーに書簡を送り、交渉の場に戻ってインダストリオール加盟組織と公正な解決策を取り決めるよう会社側に求めた。

  タタは世界で最も倫理的な企業であると誇っているが、ブリティッシュ・スチール年金制度の廃止決定により、同社の土台である労働者とその家族は退職後に経済的に苦労することになる。この決定はタタ自身の価値観と完全に矛盾しているうえ、同社は組合との有意義な対話も拒否しているため、鉄鋼労働者は、苦労して手に入れた年金受給権を守るためにストを実施するしかない。

  ライナ書記長は同社に対し、イギリスの組合が昨年11月以来、代替措置を検討する姿勢を示していることも強調した。4組合は8億5,000万ポンド(13億米ドル)の年金節約をタタに提示した。

  2015年5月19~20日にスウェーデンのストックホルムで開かれたインダストリオール執行委員会は、年金を守るために闘うイギリスの鉄鋼労働者を全会一致で支持した。インダストリオールは、5月11~12日にOECDでこの問題を提起した。

  鉄鋼業では重労働の長時間勤務による労働集約的活動が行われているため、これまでずっと労働者は60歳で退職して年金の全額を受給することができた。タタがブリティッシュ・スチール年金制度を廃止すれば、労働者はあと5年働かない限り、年間5%ずつ合計25%の年金を失うことになるだろう。

 英国タタ・スチールは、ウェールズのポートトールボット、ランウェルン、ショットン、トロスターの4カ所、スコットランドのマザーウェル、イングランドのコービー、スカンソープ、レッドカー、ロザラム、ハートルプール、ウォルソル、ウェンズベリーに工場がある。

 

 

 

キャタピラー労働組合ネットワーク、意欲的な活動計画を採択

2015-06-11

 

キャタピラー労組ネットワーク会議

6月10~11日にブリュッセルで、4大陸から集まった30人以上のキャタピラー労働組合代議員が会合を開き、ネットワークが取るべき今後の措置について合意した。

  キャタピラー労働組合ネットワークは、現在キャタピラーが事業を展開しているほとんどすべての大陸を網羅している。北米、ヨーロッパ、アジア、オーストラリアの労働組合が積極的に関与し、インドとラテンアメリカの組合も招待された。すべての代議員が、世界中のキャタピラー・グループで見られる悪しき労働慣行について報告した。キャタピラー経営陣は反組合的であるだけでなく、多くの国々で組織化を目指す従業員に嫌がらせをしている。

  キャタピラーは、建設・鉱山機械、エンジンその他の機械エンジニアリングを製造する米国トップの多国籍メーカーである。

  キャタピラーでは世界のほとんどすべての場所で、大規模な余剰人員解雇が実施され、常用雇用がさまざまな形態の不安定雇用と入れ替えられている。一部の国々では、労働者が恐怖心を感じるあまり、週末に秘密の場所でも労働組合や組合オルグと話をしようとしない。この状況はキャタピラー労組にとって容認できるものではなく、組合ネットワークは行動を起こすことにしている。

  特にイギリス、アメリカ、オーストラリアの代表が、将来、必要なときに必要な場所でインダストリオール・グローバルユニオンとともに組織化の努力を支援することを約束した。

 

日本からも基幹労連代表が参加

 代議員は、既存の欧州従業員代表委員会(EWC)との協力およびグローバル・レベルでの協力を改善することについても合意した。定期的に情報交換を行う。また参加者は、オーストラリアのインダストリオール加盟組織AMWUとともに引き続き調査活動を進め、同社がどこで活動しており、どこで連帯活動が必要かを、より総合的な視点でとらえるようにすることにも合意した。

 ノーウッド・ジュエル副会長に代わって会合の議長を務めたUAWのティム・ブレスラーは、ネットワーク参加者が積極的に貢献し、日常的な任務に加えて仕事を引き受ける意欲を示したことに印象を受けた。

  イギリスの組合ユナイトのトニー・マーフィーも、このネットワークは過去数年間に大きく進歩したと述べ、ネットワークが今年、目標と任務を掲げた明確な作業計画を採択し、参加者が特定の期日までに結果を出すと約束したことを、真の進歩として強調した。

  マティアス・ハートウィッチ・インダストリオール機械エンジニアリング担当部長は、次のように述べている。

 「特定の期日までに達成したい具体的な任務と目標、明確な構想に基づく作業計画が採択された今、私たちは反組合的な企業の経営陣に対しても、このまま黙ってはいないという明白なシグナルを送っている。隠れる場所はどこにもない、私たちのほうから出向く、と。しかし同時に、経営側との公正な社会的対話を導入するために手を差し伸べ、キャタピラー内部でオープンに問題を解決できるようにする」

キャタピラー労組ネットワーク会議に参加した全員で記念撮影

 

ハンガリーのタービン機械工、公正な報酬を求めてストの準備

2015-06-10

 

団結して権利を要求しているグラナイトのVDSZ組合員

VDSZ組合員は、グラナイト経営陣が約束を破ってハンガリーの労働者の待遇を他の国々の同僚よりも低く抑え続けていることを批判し、このゼネラル・エレクトリック子会社でストを準備している。

  ハンガリー化学労連(VDSZ)は、グラナイト・ハンガリーの組合員との国際連帯を呼びかけている。グラナイトは100カ国で事業を展開し、2,500カ所の職場で6,000人を雇用しているが、ハンガリーの雇用条件は他の国々よりはるかに低い。

  グラナイトの労働者は、発電用のタービンやコンプレッサーのメンテナンスを担当している。同社は米国フロリダ州を拠点とし、ゼネラル・エレクトリック(GE)の全額出資子会社である。

  専門技術者は多くの場合、修理が必要になったら直ちに対応できるよう待機しており、世界各地の現場に赴かなければならない。待機中の時給は3ユーロと安い。配置中の雇用条件は不十分で、ハンガリーの労働者は差別されていると感じている。

  2014年に地方労働組合を設立してVDSZに加盟したあと、2015年4月に新しい地方組合とグラナイト地域経営陣との交渉が行われた。労働者の要求は今なお無視されており、使用者はその協約に従って行動していないため、VDSZは他国のグラナイト従業員と平等な待遇と適正な能力給を要求するために、ストの準備をしている。

  組合員3万人を擁するVDSZの会長で、インダストリオール・グローバルユニオン執行委員会の代理委員を務めるタマス・スゼケリが、グラナイト経営陣と対話している。グラナイト労働者への連帯メッセージはmail@vdsz.huまで。

  インダストリオール・グローバルユニオンのケマル・ウズカン書記次長は国際支援を約束した。

 「ハンガリーのグラナイト従業員の待遇を、他国で働く同社のタービン機械労働者より低くすることを正当化する理由はない。平等な待遇と適正賃金を求める彼らの要求は正当なものだ。私たちはこの闘いを見守っており、彼らにふさわしい賃上げが達成されたら祝福する」

 

第8回アジア金属労組連絡会議(AMLC)

2015-06-10

 

第8回アジア金属労組連絡会議

マレーシアのペタリンジャヤで開かれた第8回アジア金属労組連絡会議(AMLC)にアジア太平洋地域15カ国から約80人の組合員が集まり、アジアの金属産業における労働者問題について討議した。

  広範囲にわたる議論を経て、2016年10月のインダストリオール大会前の同年夏に、JCM後援のアジア金属労組連絡会議(AMLC)を開催することが決定された。2017年以降は、会合形式の可能性を検討する。

  AMLCはアジア地域のインダストリオール活動を補完してきた。今、これまでに達成された相乗効果を最大限に高めるために、活動を合理化する必要がある。長い歴史のあるAMLCは、そのさまざまな段階で地域の金属労組を支援してきた。

  組合機構は開放的でなければならない。タイで達成された団結のように、組合間の団結は組合が生き残っていくうえで重要である。9月9日のインドでのストおよび韓国の労働者との(スト決行が票決された場合の)連帯が表明され、反アスベスト・キャンペーンの重要性が繰り返し強調された。

  JCM(金属労協)の相原康伸議長とマレーシアのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織代表のムハマド・ハムダーン・ビン・ドーハリムによる歓迎の辞のあと、ケマル・ウズカン書記次長と南アジアおよび東南アジアの地域事務所所長が、インダストリオールのアクション・プランと地域での活動について発表した。

  プレゼンに続いて、多国籍企業との交渉、組合構築、不安定雇用、グローバル枠組み協定をめぐって議論した。持続可能な産業政策の概念をより深く理解するための訓練や、企業・政府が労働組合を攻撃した場合の緊急基金の必要性が指摘された。

 

JCMからの参加者

日本、フィリピン、インド、オーストラリア、マレーシアから、金属産業と金属労組の現状に関する国別報告が発表された。プレゼンテーションとそれに続く議論で取り上げられた共通の課題は、金属産業で不安定雇用が増え、政府が反組合的な態度を示すようになっており、労働組合に悪影響が及んでいることである。

  韓国、インドネシア、シンガポール、スリランカ、タイの組合員が、各国における不安定雇用の問題と、この問題と闘うために労働組合が講じている措置について説明した。タイTEAMは不安定労働者の訓練センターを設立しているところで、今年8月に完成するだろう。問題と目標――不安定労働者の長期利用の制限、同一労働同一賃金の獲得、社会保険――は、どの国でも似通っている。議論の中で、「不安定雇用」の共通定義と地域全体の共通行動が必要であることが明確になった。この地域では、移民労働者と不安定労働者の問題が深刻化している。情報共有協力フォーラムとしてのAMLCの重要性が改めて表明された。

  マレーシアのチャールズ・サンティアゴ議員がASEAN経済共同体について発言し、社会的ASEANの議題の必要性、労働者の権利を優先することの必要性を指摘した。この話を受けてケマル・ウズカンは、そのような経済体制の透明性の重要性を強調し、労働者の権利を承認し保護しなければならないと述べた。議論の焦点は、自由貿易協定とそれが労働者の権利に及ぼす影響だった。

全員の連帯を近い記念撮影

 

ITUCがTPP貿易交渉の中止を請願

2015-06-09

  国際労働組合総連合(ITUC)はナショナルセンターとともに、現在密室で交渉されている自由貿易協定、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)をめぐる議論の透明性を要求している。

  ITUCはTPP担当相をターゲットにオンライン請願を開始し、交渉の中止と原文の公表を求めている。請願書は英語、スペイン語、フランス語で作成されている。

  この貿易協定は12カ国(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカおよびベトナム)の間で交渉されている。

  「密室で取り決められている貿易協定は、労働者が損をする内容になっており、公益を犠牲にして権限と富を多国籍企業にさらに集中させようとしている」とシャラン・バロウITUC書記長は述べた。

  ITUCの請願書は以下のように主張している。

 「優れた協定は人を最優先するために、国際労働機関の中核的労働権を実施するとともに、環境と公共サービスを保護し、外国人投資家に政府を訴える特別な権限を与えて地方・州・国家レベルの決定や法律を弱めるようなことをせず、公正な特許ルールに基づいて必要な薬への手ごろなアクセスを促進すべきである。包括的なルールを公表する前にTPPを締結することは、開放的な参加型統治にそぐわない」

 

インドネシアの労働者、フィリップスの組合つぶしに対抗してスト

2015-06-04

外で祈る労働者

インドネシア金属労連(FSPMI)を通してインダストリオール・グローバルユニオンに加盟しているPTフィリップス・インダストリーズ・バタムの労働者600人は6月3日、経営陣による組合つぶしと不当解雇に抗議してストに入った。

  労働者はフィリップス経営陣に以下のとおり要求している。

●経営側が開始した組合つぶしキャンペーンの一環として不当解雇されたFSPMIの組合役員と組合員を復職させること。

●インドネシアの労働権と国際労働機関の結社の自由に関する条約を尊重すること。

●労働組合PUK PTフィリップスを尊重し、交渉を再開すること。

トイレに並ぶ労働者

  今までのところ、経営陣は労働者の要求に応じることを拒否、威嚇や虐待の戦術を利用しており、スト参加者がトイレや食堂などの施設を利用したり、モスクで祈ったりすることを妨害している。

  FSPMIによると、PUK PTフィリップス・バタムは2015年3月18日に登録された。バタムは自由貿易地区の地位を付与されたインドネシアの自治体で、労働組合に対して敵対的な態度を募らせていることで悪名高い。

  PTフィリップス・インダストリーズ・バタム経営陣は2015年4月9日、同労組の公式登録通知を受け取った。まさにその翌日、経営陣は同労組の一般組合員を1人ずつ呼び出し、解雇通知に署名するよう強く迫った。その中には常用労働者も契約労働者も含まれていた。

  労働者は組合役員の支援を受けて解雇の受け入れを拒否したが、会社の敷地から強制的に追い出され、ロッカーから身の回り品を持ち出す機会さえ与えられなかった。今年4月、合計83人のFSPMI組合役員と組合員がPTフィリップス・インダストリーズ・バタムに解雇された。

  同労組は、不当解雇された労働者の復職について協議するために、何度にもわたって経営陣と交渉しようとした。しかし毎回、経営陣は作業効率を解雇の理由に挙げた。

  解雇された労働者は同僚から実質的支援を受けている。従業員約1,900人のうち、さらに519人が4月末までに組合に新規加入した。

  組合は可能な限りの手段を尽くしたが、経営陣を説得して労働者を復職させることができなかったため、5月末にストを発表して経営側に通知した。

  ストは今日に至るまで続いている。インダストリオールは同社の現地・本社首脳部に接触し、この紛争を公正に解決しようと努めている。ユルキ・ライナ・インダストリオール書記長は、オランダのフィリップスCEOとインドネシアのPTフィリップス・インダストリーズ・バタム取締役に対し、「不当解雇された組合役員と組合員を直ちに復職させ、労働者に対する嫌がらせをやめ、自ら選んだ組合に加入する権利を尊重する」よう求めた。

  ライナ書記長はPTフィリップス・インダストリーズ・バタムに対し、「FSPMIとの団体交渉を再開し、この紛争の公正かつ公平な解決の達成と建設的な労使関係の確立を目指す」ことも要求した。

 

 

ボルボ・ブラジルの労働者、ストで勝利

2015-06-04

 

ボルボ・ブラジルの2週間にわたるストを勝利で終える

ボルボ・ブラジルの労働者は同社の歴史で最も長いストを終了した。6月1日、賃金と雇用保障について最終的に合意に達し、労働者を解雇するという会社側の脅しに対抗して指示された24日間のストが終わった。

 全国金属総連合(CNTM)を通してインダストリオール・グローバルユニオンに加盟しているクリティバ金属労組(SMC)の組合員は5月8日、労働者を解雇するというボルボ・ブラジル経営陣の威嚇に対応してストを票決。このストは協約締結後の6月1日に終わった。

  ボルボのクリティバ工場は約3,500人を雇用している。5月7日、同社は労働省と合意に達し、解雇に代わる方法の模索に向けて組合と協議するために、15日間の交渉期間を設定した。しかし同じ日に、同社は労働者に対し、600人を解雇すると通知し始めた。

 そこで同労組はストを指示した。セルジオ・バトカ会長は初めから、ボルボが雇用を保障するための選択肢について議論する用意があると述べていた。

 交渉の結果、労働者に有利な合意を確保

  ボルボは5月12日、会社の利益分配制で今年予定されている支払いを50%減額する案について無記名投票を実施し、賃金協約に定める権利の柔軟化も提案した。しかし、従業員の77%がこの案に反対し、賛成は23%だった。

  同社からその後反応がなかったため、労働者は会社側が交渉の用意をするまでスト継続を決定した。最終的に6月1日、ボルボは交渉の場で組合と話し合うことに同意し、利益分配に関する別の案を提示。生産レベルに応じて、第1回の支給額を5,000~8,000レアル増額し、3万レアルの上限を設定することを提案した。最終的に、同社は希望退職計画の可能性をめぐって交渉し、余剰人員解雇を受け入れた従業員は賃金その他の権利を与えられることになった。

  フェルナンド・ロペス・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長は、「この勝利は、労働者が組合を支持しなければならないことを示している。団結を保てば勝利を収めることができる」と述べた。

 インダストリオール・グローバルユニオンは、ボルボ労使との交渉・合意と、会社側が従業員の苦情に耳を傾け、団体交渉の受け入れに同意する旨決定したことを歓迎している。