労働を軸とする
安全・安心、信頼の社会の再構築、
福祉型社会の実現
IMF-JC第49回定期大会の開催を心よりお祝い申し上げます。
連合結成20周年と運動の総括
連合は昨年、結成20周年の定期大会を開催し、節目の年として、さまざまな総括がなされました。1980年代以降、経済成長の鈍化と同時に、社会主義の否定――「大きな政府」から競争至上主義の「小さな政府」への流れ――が強まり、新自由主義が台頭しました。この傾向は90年代半ばからのIT革命により、一層顕著となりました。連合にとってこの20年は、そうした新自由主義による貧困と格差との戦いの20年だったと認識しています。
リーマン・ショックは、連合が常に警告を鳴らしてきた、80年代以降の行き過ぎた新自由主義がもたらした破綻であると認識しています。日本でも、新自由主義を推進した結果、社会基盤が脆弱となり、貧困と格差が最大の社会問題となっています。
今こそ、労働を軸とする安全・安心、信頼の社会の再構築、福祉型社会の実現を追求する時期にきています。正規・非正規の関係なく、すべての働く者の連帯を通じて、そうした社会を実現していかなくてはなりません。
政権交代以降の政治動向
昨年の政権交代以降、官僚主導から政治主導、国民第一への政治改革は着実に進んでいますが、参院選は管総理の消費税発言もあり大敗しました。連合はその総括として、(1)候補者名の浸透不足、(2)地方組織の脆弱さ、(3)複数候補者擁立に関する合意形成のあり方、に問題があったとしています。
民主党においては、9月14日に代表選が行われますが、政策を軸とした前向きな討論を期待しています。責任ある与党として合意形成による政策実現を着実に目指してほしいと願っています。
グローバル化に対応した労働運動の推進
グローバル化が加速する中、そうした状況に対応した労働運動の重要性が高まっています。グローバル化の負の側面の解消に向け、連合は「公正で持続可能なグローバル化」の推進を掲げて、多国籍企業などへの働きかけをしています。現在は本年11月に横浜で開催するAPEC首脳会議に向けて、労働組合としての発言権を恒常的に獲得する枠組み「APECアジア太平洋労働組合ネットワーク」の構築に向け鋭意努力しているところです。
2011年闘争への対応
2011年闘争の基本方針において焦点となるのが、労働者配分の見直しでです。それなくして本格的な景気回復は実現しないと考えています。労働分配率は2001年を境に急降下していて、景気回復の足を引っ張る要因となっています。デフレ脱却と真の競争力構築のため、連合としては、「賃金共闘」「非正規・パート共闘」「労働時間共闘」「中小企業共闘」を4つの軸に闘争を進めていく方針です。