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第49回定期大会 - 来賓挨拶 ユルキ・ライナIMF書記長

2010年09月07日

IMF-JCは
IMFファミリーの要

ユルキ・ライナIMF書記長

IMF(国際金属労連)ならびに海外来賓を代表してご挨拶できますことは、私にとって大きな名誉であり喜びです。皆様方は、100カ国以上の金属労働者2,500万人から成るグローバルなIMFファミリーの一員です。

世界金融・経済危機後の経済状況と雇用への対応

この大会が開催されている今、世界の国々は、製造業に打撃を与えた世界金融・経済危機から緩慢かつ不均等に回復しています。国際労働機関(ILO)によると、「リーマン・ショック」以降940万人の雇用が失われました。自動車、冶金、エレクトロニクスなど、関連産業のいくつかも特に大きな打撃を受けました。

現在、経済は再び成長に転じていますが、中国、インド、ブラジルが力強く伸びている一方で、アメリカや日本など、いくつかの先進工業国の成長は脆弱かつ不安定です。失業率は依然高い水準にあります。雇用を創出し、再び下降線をたどることのないようにするために、各国政府が引き続き刺激策その他の措置を講じる必要があることは明らかです。

失われた雇用はある程度回復していますが、不安定雇用や臨時雇用、パートタイム雇用、派遣会社を通した雇用が過度に増えています。不安定労働の利用を制限し、同一賃金、社会的給付および組合加入権を保証するために、グローバル・キャンペーンを続行して法律や労働協約の改正を要求する必要があります。組合の力を維持するには、不安定労働者を組織化して彼らの利益を守らなければなりません。

3GUFの統合への動き

IMFは、化学・エネルギー・鉱山、繊維各産業の国際産業別組織であるICEMおよびITGLWFとともに、世界の産業労働者の力を統合するプロセスを開始しています。産業が国家経済の原動力であることを主張したい。労働組合は、先進工業国・発展途上国の両方で産業政策立案のパートナーになりたいと考えています。そうすれば、適正な労働条件に基づく質の高い雇用を生み出し、持続可能な開発や気候変動対策を促進するうえで役立ちます。

私たちの活動の重要部分は、自分で選んだ組合に加入し、適正な賃金・労働時間と安全な労働環境のもとで働く労働者の権利を守ることです。これを抜きにして円満な労使関係を維持することはできません。残念ながら、IMF書記長就任1年目の経験から言えば、多国籍企業や一部の国々の政府は、これらの基本的な人権・労働組合権に対する攻撃を強めています。

IMFファミリーは、そのような攻撃に迅速かつ効率的に対応しなければなりません。いくつかの国々に特に注意を払う必要があります。アジア太平洋地域では、韓国のIMF加盟組織KMWUとFKMTUが、IMFとその姉妹国際団体およびITUCによる新たな協調行動を支援し、労働組合員が組合活動を理由に投獄されないようにするとともに、非正規労働者の権利を保障しようと取り組んでいます。

多国籍企業における労組ネットワークの構築

関連産業で大手企業の信頼できるパートナー兼交渉相手となるために、IMFは各国で労働者の力を結集できるようにしなければなりません。そこでIMF執行委員会は、多国籍企業において、情報交換のためのグローバル労働組合ネットワークを体系的に構築するプロセスを開始しました。その目的は、共通の立場を明らかにするとともに、未組織工場を組織化し、苦境の際に共同行動を起こすことです。この積極的なプロジェクトを成功させるうえで、IMF-JCの貢献は極めて重要です。この活動については、このあとのプレゼンテーションで再び取り上げます。

鎌田氏の34年に渡る貢献への感謝と松崎氏赴任への期待

ジュネーブのIMF本部で、いくつか大きな変化があります。34年にわたってIMFに貢献してくださった良き同僚、鎌田普さんが、今年いっぱいで退任なさいます。鎌田さんは長年IMFでさまざまな部門のポストを歴任なさり、現在は書記次長の要職にあります。職業意識にあふれ、献身的に仕事に取り組んでおられます。私はダイナミックで透明な新しいIMFを生み出そうと努める中で、鎌田さんの経験や知恵にずいぶん助けられました。鎌田さんが退任なさるのは残念ですが、退任後はのんびりと幸福な生活を送ってくださるよう願っています。

IMF本部に、日本の労使システムに精通した日本語を話すスタッフを確保しておくことが重要です。大変喜ばしいことに、松崎寛さんが8月からジュネーブ本部で造船産業部会と事務技術職労働者部会の担当部長として働き始め、産業政策と気候変動も担当なさっています。松崎寛さんは実に積極果敢に活動を開始しておられます。

IMF運動への積極的かつ建設的な行動に感謝

IMF-JCは今なおグローバルなIMFファミリーの要です。アジア太平洋地域のみならず全世界における皆様の積極的かつ建設的な行動は、円満な労使関係に、また労働者の生活改善に貢献しています。西原浩一郎IMF-JC議長・IMF執行委員ならびに若松英幸IMF-JC事務局長に、ご協力を感謝したいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

もう一つの変化は、IMF-JCにおいて2名の女性が執行委員会の常任幹事となったことです。女性の権利確立は、女性だけでなく、すべての労働者にとって利益となります。

国境なき世界において、当然ながら労働組合活動もグローバルな性質を帯びるようになっています。私は行く先々でこう繰り返しています――あなたも参加できます、と。労働組合ネットワークのメンバーになり、連帯キャンペーンに参加してください。IMFのウェブサイトで簡単に手続きを取ることができます。Facebookで私の友人になってください。情報を読んで広め、行動してください。共同行動によって私たちは強くなります。これは具体的な連帯なのです。

大会のご成功をお祈りします。皆様の貴重な活動が全国レベルでも職場でも実を結びますように。

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