4年ぶりに全代議員が会場に集い開催
2024~2025年度運動方針を審議・決定
新役員を選出、金子議長・梅田事務局長を再任
金属労協(JCM)は、2023年9月5日(火)午後13時30分から東京国際交流館・プラザ平成で第62回定期大会を開催した。4年ぶりにすべての代議員が会場に出席しての開催となった。審議事項では、「2024~2025年度運動方針」を審議・承認した。また役員の改選を行い、金子議長・梅田事務局長のを軸とする2024~2025年度役員を全会一致で承認し、新年度がスタートした。
大会には招集代議員142名中140名(うち委任状6名)が出席した。女性代議員は5産別で53名(39.6%)が出席、産別関係者16名が傍聴として会場で参加した。また、約85名がYouTubeを通して傍聴した。大会の司会進行役である議長団は、浦 誠治(電機連合)・大下夏葉(全電線)両代議員が務めた。
1.議長挨拶
冒頭、金属労協を代表して金子晃浩議長が挨拶した。(以下、要旨)
<国際労働運動への貢献>
本年6月にインダストリオール中間政策会議が開催された。元スウェーデン首相、ステファン・ロベーン氏の労働界における国際連帯の重要性とともに、目指すべき運動の方向性を端的に示した挨拶が印象的だった。アジアでは、2021年の軍事クーデターによって、ミャンマーの民主主義が脅かされている。健全なグローバル化の発展が健全な市場を生み出す。日本の位置づけが低下しつつある今、国内外に影響力を持つJCMの運動が存在感を示すことは日本のプレゼンスを維持することにも繋がる。世界中の金属産業の仲間が集うインダストリオールと連携・連帯を図りつつ、金属労協としての役割と責任をしっかり果たしていきたい。
<人権デュー・ディリジェンスの取り組みの推進>
金属労協は「人権デュー・ディリジェンスの取り組み」を2022闘争時に初めて掲げたが、今期は労働組合の対応のポイントを提示しつつ、各構成組織での対応を促進し、積極的な労使の協議を呼びかけるなど、取組の前進を図るよう推進してきた。しかし、世界と比べて日本の取組は遅れている。今期開催した国内労使セミナーでは、外国人技能実習生の問題を取り上げた。人権デュー・ディリジェンスに関する事案は国内でも身近に起こり得る。政府、企業、労働組合は、この課題を自分事として認識し、未然防止に向けて積極的に対処していく必要がある。来期はこうした認識の尚一層の浸透・共有を図り、取組を前進させていきたい。
<2024年闘争に向けて>
今次闘争では、全体としてはここ数年にない大幅な賃上げを獲得するなど大きな成果を上げることができた。これは各産別が、部署だけの論議に留まらず、産業企業の課題を共有しつつ人への投資の必要性について根気強く主張してきた成果の表れだと認識している。改めて感謝申し上げたい。こうした取り組みを本年単発で終わらせてはいけない。日本の賃金水準をさらに引き上げ、日本経済を軌道に乗せ、人材を確保し、産業企業の国際競争力を維持向上させていく必要がある。そのためには、労使で共有した認識や価値観を引き続き持てるような経済環境をつくり、職場での成果を上げ、会社の理解が深まるように取り組んでいかなければならない。金の底上げ・格差是正の観点に加えて、経済・社会の動向、とりわけ物価上昇に伴う生活への影響を注視していく。また働き方や労働の質の向上に伴う「人への投資」について、適正取引の推進を通じた産業・企業の競争力等の観点も踏まえて、日本経済の好循環にも繋がる取り組みとするべく、幅広い観点から総合的に検討を重ねていきたい。
<最後に>
今期をもって退任される役員の皆様の、これまでのJC運動推進へのご尽力に心より感謝申し上げる。金属労協は来年結成60周年の節目の年を迎える。これを契機に、さらなる成長を果たせるようこれからも金属労協に集う200万人の仲間と共に運動を推し進め、果敢に挑戦し続けていきたい。属産業のおかれている環境はこの先も大変厳しいことが予測されるが、金属労協に集う仲間の英知を結集し果敢に挑戦し続けていけば、必ずやこの難局を乗り越えていけるものと確信している。新しい時代の礎を築いていくべく、引き続きJC共闘のもと仲間の輪を大事にしながら運動を推進していく。
(→2023.9.5 金属労協第62回定期大会・議長挨拶)
2.来賓挨拶
来賓の連合芳野友子会長とインダストリオール・グローバルユニオンの松﨑寛書記次長から挨拶を受けた。
3.報告事項
報告事項では、「一般経過報告」(市川事務局次長)、「第53回労働リーダーシップコース開催報告」(第53回級長・水上全本田労連中央執行委員)、2023年春季生活闘争「闘争経過報告」(中田事務局次長)、「2023年度会計決算報告」(市川事務局次長)、「2023年度会計監査報告」(森山会計監査)を報告した。
また、2023年6月南アフリカ・ケープタウンで開催された「インダストリオール中間政策会議報告」(石原事務局次長)、2年間書記長会議メンバーで議論を重ねてきた「組織改革推進会議報告」(梅田事務局長)を行った。
4.審議事項
第1号議案「2024~2025年度運動方針の件」
第1号議案として「2024~2025年度運動方針」(梅田事務局長)を提案した。加盟5産別から原案賛成の立場で意見・要望が述べられ、それらに対し梅田事務局長が本部答弁を行った。その後、全会一致で「2024~2025年度運動方針」を承認した。
(→金属労協2024~2025年度運動方針)
第5号議案「役員改選の件」
第5号議案「役員改選の件」について中井役員選考委員長(JAM)から経過を説明するとともに2024~2025年度役員の氏名を読み上げ、提案した。新役員の就任を全会一致で承認した。
(→金属労協2024~2025年度役員一覧)
その他の議案
以上の審議事項のほかに、第2号議案「2023年度一般会計剰余金処分」、第3号議案「2024年度会計予算」、第4号議案「規程の一部改訂」、第6号議案「役員選考委員会設置」、第7号議案「顧問および政治顧問の委嘱」を提案し、全会一致で承認した。
(→金属労協2024~2025年度顧問および政治顧問一覧)
退任役員挨拶
今大会をもって退任される6名には金子議長から表彰状が授与された。退任役員は以下のとおり。
副議長 神田健一 基幹労連
事務局次長 市川佳子 JAM
常任幹事 東矢孝朗 自動車総連
常任幹事 加藤 聡 基幹労連
常任幹事 袈裟丸暢子 基幹労連
会計監査 森山謙一 基幹労連