一般経過報告後、基幹労連からの意見と議長回答
小西協議委員(基幹労連)
再生エネルギーの全量固定買取制など、安易な見切り発車的導入は好ましくない
日本の労組活動は総じて内向きになりつつあるが、これからは積極的にグローバルな課題を意識する必要がある。
環境分野における政府の個別政策は時期尚早と思われる。とりわけ、再生可能エネルギーの全量固定買取制などを、電力産業の負担や系統安定化に要するコストも詳細に見積もらないまま、見切り発車的に導入するのは決して好ましくない。日本の電力産業は、世界各国と比較してクリーンである。また、夜間料金の導入によりすでに夜間に需要が集中するなど、運営面での負担も強いられている。むしろ電力自由化などを並行して進めるなど、政府にはいまいちど再考をお願いしたい。再生エネルギーの固定価格全量買取制度については、きわめてコストのかかる制度設計で検討されており、国民生活および国内産業に打撃を与える可能性が大きい。ドイツのような電力多消費産業に対する配慮がないままに導入されれば、そのような産業、とりわけ金属産業のなかにも多く存在する、鋳物業・電炉製鉄業は壊滅的な打撃を受けることとなる。本来、国が電力取引に介入する以上は、電力多消費産業の競争力維持のための措置を国が責任を持って講ずるべきである。IMF-JCとしての対応を要望したい。
西原議長答弁
COP16の最終曲面において貴重な意見をいただいた。JCとして着実に政策提言していきたい。実行ある形でのCO2削減は重要だが、同時に国民生活と産業への影響にも配慮しなければならない。JCとしても、京都議定書の形式的な単純延長は決して好ましいことでなく、実効性あるものとするとの立場を明言しておきたい。また、全量固定買取制度、排出権取引、環境税の拙速な導入に関しても、極めて懸念に思っている。JCとしてもしっかりと政府のやり方を注視し、連合と連携して対応していきたい。