政策・制度課題の実現に向けて政治顧問と意見交換
金属労協は、2013年2月20日、都内で「政策研究会」を開催した。この政策研究会は、当面する政策課題について金属労協三役と政治顧問の方々を中心に意見交換の場として開催している。今回は、2012年12月の衆議院総選挙後、初めての政治顧問との会合となった。
冒頭、金属労協を代表して、西原議長が挨拶に立ち、「企業の将来展望を切り拓く基盤は労使の自助努力ではあるが、円高・デフレ脱却、TPP等自由貿易・経済連携協定、環境・エネルギー政策等の政策課題が、金属産業の健全成長、良質な雇用の維持・創出の足かせとなっていることは否定できない。政治状況・政治体制如何に関らず、金属労協は常に金属ものづくり産業に働く者の視点からの政策実現を求めていくし、政治顧問の皆さんには、政策実現に向け引き続きのご理解とご尽力を、あらためてお願いしたい」等と述べた。
続いて、金属労協政治顧問を代表して、大畠彰宏政治顧問幹事(衆議院議員)が挨拶し、「民主党の新執行部の直面する課題は2つあり、一つは、民主党への不信感の源となっている党の分裂の問題である。政策の問題についていろいろ論議があったとしても、決まった以上は、心を一つにしてがんばっていきたい。また、もう一つは民主党の立ち位置を明確にするという問題で、これについては、党として綱領を作成することにしている」等と述べた。
次に、金属労協の産業動向・政策課題について、相原副議長(自動車総連会長)、有野副議長(電機連合委員長)、眞中副議長(JAM会長)、神津副議長(基幹労連委員長)、海老ケ瀬副議長(全電線委員長)から各産別の状況と政策課題について、大要以下のような報告が行われた。
・自動車取得税は廃止となるが、与党は自動車税での財源振り替えを示唆している。また、自動車重量税についても恒久化、道路特定財源化を示唆しており、危機感を持っている。
・国内空洞化防止という点では、最近の円高是正の動きにより、海外からの受注が増加傾向にある。いまの円水準が維持されることを期待している。
・中小企業金融円滑化法が3月末で切れることになり、資金繰りが懸念される。
・行き過ぎた円高が継続してきたことにより、危機的な受注状況となっている。現在建造中の船舶引き渡しが完了した2015年以降は、仕事量が全くない状況に陥る可能性もある。
・国内需要の低迷から、一部企業において事業構造改革が行われており、それらに伴い、雇用の維持確保についても厳しい実情となっている。
政治顧問からは、以下のような意見が出された。
・地域での声の中には、想像よりも厳しいものがある。選挙後における振り戻しの動きも感じられず、逆にもっとひどくなっているとも考えられる。直接、民主党の主張を聞いてもらうことが必要だ。
・こういう雰囲気の中でいかに活動していくのか、大きな課題だ。組合と価値観を共有できるのは民主党しかないはずであり、第一線で活動してくれる人たちがすくむことなく活動できる土壌を育てていきたい。