重要なお知らせ

2016年最低賃金連絡会議ひらく(2016年1月27日、大田区産業プラザ)

2016年02月01日

2016年最低賃金連絡会議ひらく

2016年産別最賃取り組み方針を確認

加盟5産別から最低賃金担当者ら約280名が出席

 

2016年最低賃金連絡会議

2016年最低賃金連絡会議

 金属労協(JCM)は、2016年1月27日午後、東京・蒲田の「大田区産業プラザ」で、加盟5産別の中央・地方の最低賃金担当者ら約280名出席の下、金属労協2016年最低賃金連絡会議を開催し、2016年産別最賃取り組み方針を確認した。

有野労働政策委員長

有野労働政策委員長

 会議では、冒頭、有野副議長・労働政策委員長より、「安倍総理の施政方針演説では、『同一労働同一賃金実現に踏み込む』と言っている。国会で論争をすることは良いことだが、その場しのぎではなく、キチッとした対応が必要である。同一労働同一賃金の原点は、産業・職種別の均衡を保つことであり、誰にでも適用される地域別最低賃金と、産業を限定した特定(産業別)最低賃金が同じで良いわけがない。経団連の経労委報告では、特定(産業別)最低賃金の役割が終わったと言っているが、役割を知らないということだ。大変厳しい交渉になると思うが、取り組み強化をお願いする。」との挨拶を受けた。
 

須田連合総合労働局長

須田連合総合労働局長

須田連合総合労働局長からは、「最低賃金における動向と課題」と題して、「特定(産業別)最低賃金は、公正労働基準を確保するための制度であり、企業内組合のマイナスを補完している。派遣労働者にも、派遣先の事業所に適用される最低賃金が適用される。社会全体の底上げのために役割を果たしていることを認識して取り組んでほしい」「当該産業でない使用者が必要性審議に入っていることが、審議を困難にしている。必要性審議は、当該産業労使が入るように取り組んでほしい」「企業内最低賃金協定は全従業員対象をめざしているが、一方で、特定(産業別)最低賃金の適用対象者は基幹的労働者となっている。対象範囲と水準は相反する部分があり、どちらを重視するのか議論していただきたい」「地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の役割分担は法的には整理がついている。具体的な運用をどうすべきか、法の趣旨、技術論、運動論をクリアするにはどうすべきか、産業の実態を踏まえて議論すべき」等、特定(産業別)最低賃金の課題についての提起を受けた。
 

浅沼金属労協事務局長

浅沼金属労協事務局長

続いて、浅沼事務局長から「2016年度特定(産業別)最低賃金の取り組み方針」を報告し、全体討論を行った。参加者からは、「基幹的労働者は、1人前労働者に限定することで、より高い特定(産業別)最低賃金を設定すべき」「産業、地域ごとに課題を分析し、産別、金属労協、連合それぞれが対応する課題を整理すべき」「取り組み事例の共有を金属労協台でやってほしい」「金属労協は、制度の継承・発展の中心になって取り組んできた。今日的な意義・役割を金属労協台で検討していただきたい」「特定(産業別)最低賃金の認知度が低い。行政等への働きかけを行うとともに、広く世の中へ発信し、制度の存在意義と必要性を認知させる取り組みをお願いしたい」「本来の姿である特定(産業別)最低賃金の『あり方』や『基幹労働者の立場に立った優位性の確保』などの課題を第3次賃金・労働政策に反映していただき、これから継続して取り組めるような、バイブルに仕上げていただきたい」などの意見が出された。中央最低賃金審議会委員の冨田氏・萩原氏・木住野氏、浅沼事務局長より答弁を行った。

発言者(JAM)

発言者(JAM)

発言者(電機連合)

発言者(電機連合)

発言者(基幹労連)

発言者(基幹労連)

発言者(全電線)

発言者(全電線)

発言者(自動車総連)

発言者(自動車総連)

木住野中賃委員(JAM)

答弁する木住野中賃委員(JAM)

萩原中賃委員(電機連合)

答弁する萩原中賃委員(電機連合)

冨田中賃委員(自動車総連)

答弁する冨田中賃委員(自動車総連)

とりまとめを行う浅沼金属労協事務局長

とりまとめを行う浅沼金属労協事務局長

 最後に、浅沼事務局長より、「特定(産業別)最低賃金は、世の中に浸透していないのが現状。賃金の底上げための大きな道具となり得る制度であり、社会的責任として取り組んでいく。ご要望いただいたとおり、第3次賃金・労働政策でもあるべき姿をしっかり取りまとめていく。特定(産業別)最低賃金は、88%が金属産業に適用されており、われわれががんばらなければ制度は維持できない。秋に向けて取り組んでいくという思いを一つにして、最後までがんばりたい」と取りまとめを行った。