総合労働条件の改善

その他

(1) 働く環境と働き方の改善に向けた取り組み

①ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組み

ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、所定労働時間の短縮や年次有給休暇の付与日数増など、制度面の労働時間短縮とともに、時間管理の徹底や、長期休暇制度の導入などによって年次有給休暇を取得促進するなど、年間総実労働時間を短縮するための実効ある施策について取り組むこととします。

さらに、勤労者のニーズに合った働き方の選択肢を拡大し、仕事と家庭の両立支援策を充実する取り組みを推進します。同時に、職場の意識や風土の改革など、制度を利用しやすい環境を整備し、活用を促進するため、労使協議の充実を含めた効果的な取り組みを進めていきます。

②60歳以降の就労確保

60歳以降の就労確保については、2013年4月から厚生年金の基礎年金部分に加え報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられ、65歳までの公的年金が段階的にゼロになることを踏まえて、①希望者全員の雇用を確保するため、就労制度の改善を図る、②労働の価値にふさわしく、かつ生活を維持することのできる賃金を確保する、との考え方の下で取り組んでいます。60歳以降の就労における良質な雇用のあり方は、社会的な取り組み課題となっています。金属労協の考え方を踏まえた各産別の取り組み趣旨に沿った制度を早急に確立するため、金属労協各産別の連携を図りつつ取り組みます。

③その他の労働条件向上の取り組み

金属労協は、2010年闘争で労働災害による死亡ならびに障害等級1~3級の労災付加補償水準を3,400万円以上とし、通勤途上災害についても労災に準じて取り扱うこととしました。大手労組を中心に、この水準に到達していますが、今後は、金属産業全体が到達するように取り組むことが必要です。

また、ものづくり産業において、男女が共にいきいきと働くための職場環境整備にも取り組んでいきます。

(2) 非正規労働者の労働条件改善などへの取り組み

非正規労働者の採用・受け入れに関しては、法令遵守の徹底と、仕事内容、期間、人員、社会保障への加入等について、労使で確認や協議を行うこととします。均等・均衡待遇を念頭に置きつつ、賃金・労働条件、福利厚生などの改善、能力開発の機会の提供・協力についても、実態を踏まえて取り組みます。また、非正規労働者の組織化に向けた取り組みを進めます。

(3) ものづくり産業が環境変化する下での賃金・労働条件のあり方の検討

ものづくり産業の事業拠点の海外移転が加速する中で、超高齢化・少子化やそれに伴う公的年金支給開始年齢の65歳への引き上げ、社会保障・税の一体改革など、ものづくり産業に働く者の生涯にわたる雇用環境・生活環境が大きく変化しています。金属労協は、2004年に「長期安定雇用の実現」「仕事を通じた自己実現」「仕事・社会・家庭生活の調和」を目指す「第2次賃金・労働政策」を策定しましたが、その検証を行うとともに、賃金、退職金・企業年金、ワーク・ライフ・バランス、男女共同参画、非正規労働者の均等・均衡待遇など、環境変化に伴う諸課題について検討を行うこととします。