2011年IMF中央委員会開く(インドネシア・ジャカルタで)
IMF解散大会と新GUF結成大会の開催を決定
2012年6月18−20日、コペンハーゲンで開催へ
IMF(国際金属労連)は、2011年12月7-8日にインドネシア・ジャカルタで中央委員会を開催し、IMFの解散大会と新GUF(国際産業別組織)結成大会を開催することを全会一致で決定した。新GUFは金属、鉱業、化学、エネルギー、そして繊維各産業の労働者を組織し、140カ国、約5,000万人の労働者を統合することになる。IMF解散大会と新GUF結成大会は、2012年6月18−20日にデンマーク・コペンハーゲンで行われる。(写真は参加したIMF−JC代表団)
JCから東日本大震災に際しての世界の支援に感謝
IMF中央委員会は世界各国のIMF加盟組織から約300名の代議員を集めて行われた。
IMF-JCからは西原議長をはじめとしたJC三役、常任幹事を中心に21名が参加した。また、3GUF統合により共に新国際産業別組織を結成することになるICEM(国際化学エネルギー鉱山一般労連)のワルダ−書記長、ITGLWF(国際繊維被服皮革労組同盟)の島田会長も参加した。
初日は、2009年5月の世界大会以降の主要活動について報告と討議が行われた。日本を代表して若松事務局長は東日本大震災に際してIMF加盟各国労組から寄せられた激励のメッセージや義援金に対する感謝の意を表すとともに、「多国籍企業労組ネットワークの構築」「各国における強力な全国組織の構築」等の重点項目においてIMFの果たしてきた役割を評価し、IMF−JCの取り組み状況についても言及した(写真)。
産業別部会長、執行委員会決定を覆す波乱の展開
2日目の最初の議題では、IMFの7つの産業別部会長の選出が提案されたが、採決時の混乱もあり、決定が見送られるという異例の展開となった。この件は前日の執行委員会で何ら異論なく確認済みのものであったが、執行委員会メンバーではない韓国KMWUの参加者が「前回の世界大会時に、今後途上国やジェンダーバランスも配慮するという議論があったはずだが、今回の候補者がすべて先進国、男性で占められているのは問題」と発言したことに続き、ブラジル、南ア等の執行委員会組織がそれを支持する発言を行うなど、これまでの議論プロセスを覆す流れとなった。
これに対し、IMF−JCの西原議長(写真)やIAMのブッフェンバーガー会長が「重要な観点であるがこの場で議論することではない」とし、議論の軌道修正を図ったが全体の合意形成には至らないまま採決を迎えた。ここで、議長の発言と各言語の通訳のリレーのタイミングのズレから賛否の確認に混乱が生じたことに加え、真っ二つに割れた議論の流れを踏まえ、議長判断でここでは結論を出さず、2012年2月の規約作業部会、3GUF合同執行委員会に決定を持ち越すこととなった。
新GUF結成の議論でJCから活発に意見表明
引き続き、製造労働者のための新しいGUF創設についての議論が行われた。
これまでの議論経過や新GUFの規約案、運動の方向性を示す「アクションプラン」案についてのライナIMF書記長からの説明の後、IMF−JCの西原議長が一般討論の口火を切り、新組織結成に賛成の立場で財政、役員体制、地域組織の在り方等について意見表明した。
新組織では執行委員における女性の割合を30%以上にすることを含め、大会等機関会議の参画目標を30%以上とすることが規約案に盛り込まれているが、この解釈を巡って議論が白熱した。「全てのレベル、すなわちIMF本部の書記次長以上の役職においても女性枠を設けるべし」とする意見がオーストラリアの組織から出され、ブラジル、南アの組織がそれに賛同する意見を次々と出す中、IMF−JCの西野常任幹事は「女性の参画強化は重要であるが、書記次長以上の主要ポジションは能力、人物本位で選出させるべき」との意見を表明した。(写真)またブラジルの組織からは執行委員会の各地域への割り当て数に疑問を投げかけ、ラテンアメリカの議席を増やすよう本部に迫った。
最終的に採決の結果、IMF解散大会、新GUF結成大会を2012年6月にコペンハーゲンで開催する提案は全会一致で承認されたが、今回争点になった女性参画目標の取り扱いや執行委員の各地域割り当て数の問題については2012年2月に行われる3GUF規約作業部会、3GUF合同執行委員会での議論、決定に委ねられることとなった。
一体感ある運動のためにも徹底議論を
今回の中央委員会全体を通じ、ブラジルCMN−CUT、南アフリカNUMSA、韓国KMWU、オーストラリアAMWU等の勢力がこれまでの議論経過、意志決定を否定したり、自らの組織に有利になるように拡大解釈したかのような発言が目立った。これまでの議論の流れを踏まえると、その正当性に疑問符を付けざるを得ない主張も多く含まれていたことは事実であるが、IMF本部はあえて今回は意見を聞くスタンスに終始したように思われる。新組織結成後も、各加盟組織が一体感を持って運動を進めていくためにはこうした徹底した議論は避けて通れないプロセスであったことも事実であろう。
IMF−JCとしても、世界の産業労働者にとって最適の意思決定が行われるよう、今後の議論に積極的に関与していく。
IMFのフーバー会長、ライナ書記長とスクラムを組み新組織結成へ向け決意を新たなにするIMF−JC代表団(IMF中央委員会会場で)
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