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閉講式終了後、紅葉を背に全員で記念写真(軽井沢) |
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第40回労働リーダーシップ東日本コースは、2006年11月13〜25日までの期間、加盟産別・単組から9名の組合役員が参加し、開講された。受講生は、組合リーダーとしての資質の向上を目指すことを目的に、講義・ケース、ゼミナールを通して、組合と職場における課題解決に向けて、問題意識を養うと共に、熱心な議論を行った。
今回から名称を、上級コースから東日本コースに改め、国会議事堂の見学と金属労協政治顧問による講演、東京証券取引所見学と経済学者による実務的な財務分析などを中心とした一日お江戸探訪『日本の政治と経済の中心を体験』などを盛り込み、さらに労使の代表を交えた『日本の雇用を考える』一日討論会など、魅力的な講座を多数配置して開講した。
11月13日午前に港区白金台の明治学院大学記念館で若松英幸・金属労協事務局次長の司会の下、開講式を行った。
開講式には、来賓として大塩武・明治学院大学学長、金子順一・厚生労働省政策統括官が臨席された。
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開講式で挨拶される大塩明学学長 |
記念館チャペルで行われた開講式はパイプオルガンによる厳かな前奏で幕を開けた。
冒頭、主催者を代表して金属労協の加藤議長が挨拶、「今回は40回という節目のコースである。この労働リーダーシップ東日本コースは、伝統、内容、卒業生の活躍の面で、日本の労働界におけるリーダー教育の中でも傑出したものと自負している。組合リーダーとしての歴史観、世界観など広い視野を身につけると共に、身近な職場の課題を掘り下げて論議する場である。この2週間ともに切磋琢磨しながら、ネットワークを築いていってほしい」と激励した。
続いて、協力していただいている明治学院大学の大塩学長が挨拶に立ち、「この明治学院大学は、ヘボンを創立者とする143年の歴史と伝統を持つキリスト教主義を基盤とした自由と博愛をもとにした教養を身につける場である。このIMF−JCの労働リーダーシップコースは、40年前、IMF−JCと明治学院大学産業経済研究所との提携によってスタートした。現在は、経済学部の教授を中心に、明学として協力している。この2週間のコースの内1週間を、明学のキャンパスで勉学に励む中で、明学の歴史と伝統の一端に触れていただきたい。皆さんの研鑽の実り多きことを祈ります」と激励した。続いて、来賓として厚生労働省の金子政策統括官から、激励と直近の労働行政の取り組み状況について挨拶を受けた。その中で、「この労働リーダーシップコースは40年という長い歴史と伝統を持つ。この間のIMF−JCの歴代役員、そして明学の運営委員の皆様方のご尽力に心から敬意を表したい。日本の労働運動におけるIMF−JCの役割は大きいものがある。日本の経済発展の基盤であるものづくり産業を労働組合の立場から支える、皆さんがた、組合リーダーの皆さんのがんばりが是非とも必要である。まとまった2週間という教育の場を生かし、貪欲に学習するとともに、受講生同士の絆を深め、新しい時代を拓く組合リーダーとして活躍していってほしい」と激励した。
続いて運営委員三方の挨拶を受けた。まず、運営委員長である大平明治学院大学教授が挨拶にたち、「今回は40周年という節目を迎えた。当コースの産みの親の一人は、明学元学長(当時産業経済研究所所長)の金井信一郎先生であるが、明学が労働組合教育に協力をした淵源をさらに尋ねれば、明学の卒業生であり教鞭も取った社会運動の先駆者である賀川豊彦先生の影響も大きいと思われる。これからの2週間のコースで、是非これからの運動の手がかりをつかんでほしい。講義やゼミナールでの論議を通して、現在の課題解決と将来の運動の手がかりをつかんでほしい。大いにコミュニケーションを深め、議論していってほしい」と激励した。
次に運営委員の神田明学教授が挨拶に立ち、「皆さんは日々現場で多くの課題に直面しているが、簡単には解決できない。この2週間のコースの中で、職場の課題について深く考えてほしい。現場から離れて、今抱えている課題について、違った視点から見直していくことが必要である。組合リーダーとして、広い視野を持ち、長い時間軸の中でものを考え、自身のスタンスを確立していくことが大事だ。是非この2週間で、新たなスタンスを確立して行動を変えていってほしい」と述べた。
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開講式で受講生宣誓を行う宮城さん |
同じく運営委員の石井高千穂大学助教授が挨拶に立ち、「私がこのコースに関わったのは、ちょうど10年前、当時明学の院生として30周年記念国際シンポジウムのお手伝いをした時だった。大変忙しい日常の中で、この2週間は貴重な機会である。講義自身を自分の職場に当てはめて、これからの運動のヒントにしていってほしい。この2週間私自身も皆さんからいろいろなことを学んでいきたい。一緒にがんばりましょう」と述べた。
最後に全員起立した中で、受講生を代表して、富士重工労組の宮城(みやのじょう)さんが、これからの2週間のコースの受講にあたっての決意表明を行い、終了した。。
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開講講演をする加藤金属労協議長(明治学院大学記念館) |
清家慶大教授 |
丸山厚労省調査官 |
矢野中日本道路株会長 |
1週目(11月13〜17日)は、通学(遠方の受講生は宿泊)で、東京・白金台の明治学院大学のキャンパスで、『人口減社会への対応』(清家篤慶大教授)、『グローバルな企業展開と労使の役割』(矢野弘典中日本高速道路(株)会長)、『コーポレートガバナンスとCSR』(大平浩二明学教授、原強上智大学教授)を学ぶと共に、『新たな時代の労働運動の課題』(加藤裕治金属労協議長)、『グローバル化への労働組合の対応』(小島正剛金属労協顧問)、『ワーク・ライフ・バランスを考える』(丸山浩典厚労省)、実践を含めた『組合戦略づくり』を学んだ。
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小島JC顧問 |
大平明学教授 |
原上智大教授 |
神田明学教授 |
組合戦略づくりの実習風景 |
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大平ゼミ |
石井ゼミ |
ゼミの合間に白金プラチナ通りを散策 |
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特別プログラム:一日お江戸探訪『日本の政治と経済の中心を体験』 |
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国会議事堂の前で記念写真 |
参議院議員会館で若林参議院議員から講演受ける |
11月16日は、初の試みとして特別プログラム一日お江戸探訪『日本の政治と経済の中心を体験』を実施した。国会議事堂を見学すると共に、参議院会館で金属労協政治顧問の若林秀樹参議院議員から「希望立国、ニッポンへ」と題して講演を受けた。その後、日本橋に移動して、金属労協本部で、團野事務局長から金属労協の活動について説明を受けた後、東京証券取引所を見学し、株投資のシミュレーションにもチャレンジした。金属労協本部に戻り、『財務諸表から見た伸びる会社』と題して講義を受けた。
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東京証券取引所を見学 |
株投資のシミュレーションに挑戦 |
日本橋の道の起点で記念撮影 |
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特別講演を行うオスマン・サンコン氏 |
2週目は、軽井沢の軽井沢プリンスホテルで、全員合宿形式で、ゼミナールを中心に研修に励んだ。初日の21日には、ゼミナールの後、ギニア日本交流協会顧問のオスマン・サンコン氏を講師に迎え、特別講演「大地の教え」を受けた。終了後に、サンコン氏、ゼミ担当講師も交えてスポーツ交流「ボウリング大会」を行い、交流を深めた。
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ボウリング大会 |
ボウリングの後の懇親会 |
一日討論『日本の雇用について考えよう』
2日目の22日には、特別プログラムとして一日討論『日本の雇用を考えよう』を昨年に引き続き行った。最初に、経営側から東京経営者協会の大久保力専務理事、労働組合側から大福真由美電機連合副委員長、経済学者から佐野嘉秀東京大学客員助教授から、それぞれ、日本の雇用についての課題提起を受けた後、全体討論を行い、非典型労働の増加など雇用形態の多様化に伴う職場での課題などについて講師も交えて活発な討論を行った。<ページのトップへ>
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大久保力氏 |
大福真由美氏 |
佐野嘉秀氏 |
一日討論『みんなで討論』 |
ゼミナール総括発表
受講生は、各自が持ち寄った「労働組合で現在抱えている課題」について、二つのゼミに分かれて、計5回にわたり、グループディスカッションを通じて、課題を整理し課題解決への道筋を探った。
最終日24日には、ゼミ総括発表を行い、全受講生が、2週間のゼミナール通じて各自の組合・職場での課題について議論・研究してまとめた成果を発表した。各受講生のまとめたレポートのテーマは以下の通り。総括発表には、加盟産別から4名の役員(自動車総連:山本事務局次長、電機連合:石村書記次長、基幹労連:神津事務局長、全電線:海老ヶ瀬副書記長)が出席してくださり、受講生の総括発表に熱心に耳を傾け、激励のコメントをしていただいた。
第1部 ワークライフバランスを考える |
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1.労働時間の適正な管理に向けて |
金子将司 |
DOWA労働組合連合会 |
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2.長時間労働への対応 |
中野晋男 |
日立電線労働組合日高支部 |
第2部 組合づくり |
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3.組合づくり |
平野邦弘 |
三菱重工労組名古屋冷熱支部 |
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4.販売代理店の組合づくり |
桑野 昇 |
スズキ関連労働組合連合会 |
第3部 組合活動の活性化 |
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5.組織強化活動について |
宮城俊一 |
富士重工業労働組合 |
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6.効果的な組合活動の実践 |
佐野雅英 |
三菱重工業労組本社支部 |
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7.コミュニケーション強化策 |
松島亮介 |
全国本田労働組合連合会 |
第4部 組合活動の創造 |
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8.会社を元気にする活動 |
中島正行 |
パイオニア労組川越支部 |
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9.労働市場の変化に対応した新たな組合活動の創造 |
坂本俊哉 |
三洋電機労組コーポレート支部 |
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金子将司 |
中野晋男 |
平野邦弘 |
桑野 昇 |
宮城俊一 |
佐野雅英 |
松島亮介 |
中島正行 |
坂本俊哉 |
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修了証授与 |
金子学生長答辞 |
閉講式では、加藤議長が挨拶に立ち、2週間の受講生の研鑽の労をねぎらうと共に、今後の活躍を期待した。加藤議長から全受講生に修了証が授与された。運営委員の大平運営委員長、神田運営委員、石井運営委員の先生方から餞の挨拶があり、最後に受講生を代表して、今回学生長を務めたDOWA労連の金子将司さんが答辞を行い、終了した。
終了後、産別役員も交え、打ち上げの懇親会を行った。
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