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インドネシア/日本:昨年3月、本田技研工業の子会社ホンダ・プロスペクト・インドネシアの労働者は、賃上げ交渉が行き詰まった結果、ストライキを実施した。 これに対して現地経営陣は、208人の労働者を停職処分にした。その後、さらに160人が停職処分を受け、合計368人になった。 インドネシア労働争議仲裁委員会(P4P)は、このストは合法的に実施されたものであるとの裁定を下し、会社側に最初に停職処分を受けた労働者208人の復職を命じた。その決定が下されたあと、ジャカルタ行政裁判所(最高裁判所)は208人の労働者の解雇を支持した。 判決に関係なく、国際金属労連(IMF)の主張は「この労働者らは不当に解雇された」ということである。交渉が行き詰まったために合法的ストを実施している労働者を企業が解雇するのは、国際的に認められた基準に反する行為である。 ホンダは労働者を直ちに復職させて争議を解決することを一貫して拒んでおり、これは労働者の諸権利の明白な侵害である。 IMFは、9月5日に東京でクスナディ・ブディマン・ホンダ・プロスペクト・インドネシア取締役副社長と会見し、「労働者全員を復職させ、現地レベルの交渉を再開させる」という約束を取り付けた。ところが会社側は、この合意を反故にし、いまだに労働者の復職と現地組合との交渉を拒否している。 IMFは多くの加盟組織と同様に日本のホンダ経営陣に何度も手紙を書き、この争議の公正な解決を促進するために措置を講じるよう要求した。しかし、このように建設的な解決策を見いだそうと再三にわたって試みた結果、今IMFは「ホンダ本社は、そのような解決策に真摯に関心を持っていない」と結論を下さざるをえない。 ホンダのインドネシア子会社が労働者の諸権利と労働組合権を甚だしく侵害していることを、全世界に知らしめるときが来た。IMFとしては、解雇されたホンダ・プロスペクト労働者全員の復職と逸失賃金の全額補償だけでなく、現地レベルにおける組合との交渉の再開も要求する。 [2003年1月20日] |