IMFニュースブリーフ
裁判にかけられている中国の金属労働者に関する懸念
遼陽(リャオヤン)合金鉄工場の独立労組活動家が破壊活動の罪に問われている。

中国
:国際金属労連(IMF)は、ヤオ・フシン(Yao Fuxin)とシャオ・ユンリャン(Xiao Yunliang)が破壊活動の罪で告発された事件を深く懸念している。2人は労働者代表として、遼陽(リャオヤン)合金鉄工場が腐敗と経営ミスの結果倒産したことに抗議し、4年間にわたってキャンペーンを主導した。金属労働者らは、基本的な生活費手当、年金、遡及賃金を要求していた。
 ヤオとシャオは、仲間の労働者パン・チンシャン(Pang Qingxiang)およびワン・チャオミン(Wang Zhaoming)とともに2002年3月に拘留され、このとき再三にわたって権利を侵害された。パンとワンは結局、12月に保釈金を払って釈放された。
 マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は、江沢民中国国家主席とワン・チャオクオ(Wang Zhaoguo)中華全国総工会(ACFTU)会長に抗議文を送り、「遼陽の労働者は国際労働機関(ILO)条約第87号および第98号で保障された団結権・団体交渉権を行使しているにすぎず、中国はILO加盟国として、これらの既得権利を労働者に保障しなければならない」と述べた。
 また、マレンタッキ書記長はACFTU宛の書簡で、ACFTUは工場経営陣との争議においてヤオとシャオを援助したり、係争中の裁判で両者を支援したりするのではなく、「労働者の最も基本的な権利さえ無視し続けている体制側に両名を引き渡した。実際にACFTUは、これらの労働者を助けるどころか足を引っ張っており、両名に対する根拠のない申し立てに拍車をかけている」とも書いた。
 IMFは昨年3月に国際自由労連(ICFTU)とともに、結社の自由の原則の侵害に対して中国政府をILO結社の自由委員会に公式に提訴した。
 今日(1月15日)、2人の活動家に対する裁判が始まる。
[2003年1月15日]