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組合が役員報酬制度への反対票を要求 ISTCとCWAは株主らに、英国企業2社の役員報酬方針に反対票を投じるよう公然と求めている。 イギリス/アメリカ:国際金属労連(IMF)に加盟する2団体、イギリス鉄鋼労連(ISTC)と全米通信労組(CWA)は、二つの英国企業(ISTCは英蘭系鉄鋼メーカーのコーラス、CWAは多国籍情報会社のロイター)の役員報酬方針に反対票を投じることを公然と要求している。 労働組合は、役員報酬に関する株主投票への関心を深めている。イギリスでは現在、すべての上場企業が賃金方針を諮問株主投票に付さなければならず、年次株主総会では役員報酬が投資家の不満の主な焦点になっている。 発表されたばかりのコーラスのアニュアル・レポートで、取締役の賞与制度を変更し、今後は収益性と関係なく、支払い限度を給与の50%から60%に引き上げる案が示された。この案に対して、マイケル・リーヒーISTC書記長は、取締役は失敗から守ってもらいたがっていると述べた。「コーラスが最高経営責任者を失い、さらに赤字を記録し、施設・工場を削減すると警告し、社員のモラールがかつてないほど低下しているこの時期に、この案はどのような種類の模範を示すだろうか?」とリーヒー書記長は問いかけた。同書記長は株主に対し、4月29日に予定されている年次株主総会で、これらの案を拒否するよう強く催促している。 それに先立つ4月14日に、ISTCは「レッドカードの日」を実施してコーラス経営陣に抗議し、同社会長サー・ブライアン・モファットの退任を要求することにしている。マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は、同労組への連帯メッセージの中で、IMFはサー・モファット退任要求を全面的に支持すると述べた。「同会長の退任と同時に焦眉の急である経営陣の交替を実施し、適切な協議と建設的な提携を基調とするよう保証すれば、コーラス労働者とその家族、地域社会に最大限の利益を与えることになるだろう」 モートン・バーCWA会長も、4月17日に総会を開く予定のロイターの株主に書簡を送り、取締役報酬報告書の承認に反対するよう要求した。役員報酬は「単なるコスト問題ではなく企業業績の問題でもある」とバー会長は言う。「だが、業績目標をバランスの取れたものにし、業績不振に対して報酬を支払うことや、経営幹部が必要以上の危険を冒したり、短期的決定を下したりする誘因を与えることのないようにしなければならない」と同会長は述べた。最近の大型レイオフ、企業リストラ、それに伴う労働条件への影響を踏まえて、役員報酬が高額になりすぎる可能性をめぐって特に強い懸念があった。 [2003年4月8日] |