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労働組合がシュレーダー首相に対抗 ドイツの労働組合運動は、首相の改革政策に対して抗議行動と代替案を計画している。 ドイツ:ドイツの金属労組IGメタルは、ゲアハルト・シュレーダー首相の「アジェンダ2010」改革プランに反対する措置の一つとして、5月12〜17日に、労働組合総連合であるドイツ労働組合総同盟(DGB)が加盟組合とともに実施する行動週間に参加する。 3月に議会に提出されたドイツ首相の政策プログラムの中で発表された改革案は、以下のようにドイツ社会保障の3大要素を解体しようとする内容であったため、同国の労働組合は大騒ぎになった。 ● 失業給付を福祉給付と同水準に引き下げ、期間を短縮する。 ● 解雇からの保護措置を弱める。 ● 医療費を引き上げる。 組合側は、アジェンダ2010を「労働組合と社会民主主義が1世紀以上にわたって協力しながら達成した成果に対する攻撃」として、激しく非難している。IGメタルのスポークスパーソンは、「成長をもたらし、雇用創出に貢献する改革は必要だが、アジェンダ2010はそうではない」と述べた。 クラウス・ツヴィッケルIGメタル会長は、社会民主党と緑の党の議員に書簡を送り、「シュレーダーは、2002年6月に開かれたIGメタルの未来に関する大会、昨年9月の選挙直後に行われた労働組合会長らとの協議、2003年2月のIGメタル執行部との会合で、そのような社会的措置には手をつけないと言っておきながら、その約束を破った」と非難した。 IGメタルをはじめとする組合は、来る行動週間に参加するだけでなく、5月1日の全国規模の行進でアジェンダ2010反対を抗議行動の焦点にした。そのほかにも集会や陳情、情報普及、組合員と議員とのインターネット討論も計画されており、代替案を提出することにしている。労働組合の抗議行動は、5月24日の全DGB加盟組合による全国行動日で頂点に達するだろう。 [2003年5月5日] |