ブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者に共通の賃金規則
ドイツの金属労組IGメタルは、新しい団体賃金協約構造についてバーデン=ヴュルテンベルク州の使用者と合意に達した。
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ドイツ:6月23日にIGメタルと使用者側が合意したバーデン=ヴュルテンベルク州の金属産業を対象とする新しい賃金構造は、ブルーカラー労働者とホワイトカラー労働者とを区別する従来の制度を廃止し、統一的賃金規則を導入している。この団体賃金協約構造(ERA――ドイツ語「Entgeltrahmentarifvertrag」の略語)に基づき、基本給は1,529.89〜4,014.50ユーロになる。熟練労働者の場合、初任給(職業訓練修了時)は2,152.55ユーロで、従来よりも248ユーロ多くなる。全部で17の賃金グループがある。
賃金の内訳は以下のようになる。
● 基本給(職務によって異なる)
● 能率給(全社平均15%)
● 困難業務手当
職務の定義に当たっては、次の事項を考慮に入れる。
● ノウハウ/知識
● 問題解決能力
● 責任
● コミュニケーション能力
● スタッフ管理能力
上記の各基準についてポイントが与えられ、合計点によって当該従業員の賃金グループが決まる(分析的業務評価)。従業員は各社内で新しいグループに分けられる。IGメタルと使用者側は、補助手段として122の標準職務記述書を作成し、それに従って賃金を設定した。
IGメタルは、健康に危険を及ぼす仕事や超過労働に対する保護措置を確保することができた。組立ライン労働者の有給最低休憩時間(1時間当たり5分)は、ノルトヴュルテンベルク/ノルトバーデン労働協約地域で引き続き実施される。また、バーデン=ヴュルテンベルク州の全賃金地域について、フルタイムで働くことができない労働者を保護するための規則が取り決められた。
各社は2007年12月31日までに、この新しい団体賃金協約構造を導入しなければならない。IGメタルと使用者側が共同で見積もったところによれば、賃金コスト上昇率は2.79%である。すでに2002年の労働協約で、集団合意による賃金スケールにERA構成要素として1.4%の賃上げが盛り込まれており、残りは将来の賃上げに組み入れられる予定である。
[2003年7月30日]
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