NUMSA組合員がSEIFSA案を受諾
南アフリカ共和国の鉄鋼・エンジニアリング産業を対象とする全国協約には、賃上げだけでなく非賃金問題の改善も盛り込まれている。
南アフリカ共和国:南アフリカ全国金属労組(NUMSA)の組合員は、徹底的な協議を経て、南アフリカ鉄鋼・エンジニアリング産業連盟(Steel, Engineering Industry Federation of South Africa、SEIFSA)の最新全国協約案を承認した。この合意案は、鉄鋼・エンジニアリング産業の労働者23万人による威嚇的ストライキを終了させるもので、同労組と組合員にとって勝利とみなされる。
労働者の利益となる協約合意事項は以下のとおり。
● 2003年7月1日にさかのぼって、最も賃金の低い労働者について10.5%、最も賃金の高い労働者については9.5%賃金を引き上げる。
● 勤続年数6〜12カ月の解雇された労働者を対象に、1週間分の退職手当を導入する。
● 当事者が支払不能企業賃金基金か破産企業従業員賃金受領権基金を設立し、会社の清算や閉鎖の結果、未払い賃金、休暇手当、休暇改善手当を逸する労働者に立替金を支払う。
● 合同戦略計画セッションを開催し、業界の訓練ニーズに関する共通の見解を明確にする。
● 当事者が、企業HIV/AIDS方針に関するベスト・プラクティスの実施を模索する意思のある企業を対象にパイロット・プログラムを策定する。そのようなプログラムを通して、他の産業・企業のベスト・プラクティスから学ぶ。
● 人材派遣会社に雇用される労働者は、12カ月を過ぎれば顧客企業の正社員とみなす。人材派遣部門に関する交渉協議会の合意を管理・監視・実施するための促進措置を導入する。
● すべての労働者に、年末に13回目の保証小切手ボーナスを支給する。
NUMSAによれば、この協約案は「業界の賃金・労働条件を改善するうえで画期的な出来事であり……賃金だけに集中して労働者への他の給付を制限する使用者側のアプローチを阻止することになるだろう。……労働者は賃金だけに夢中になっているわけではなく、他の非賃金問題も不平等、貧困、失業に取り組むに当たって不可欠である」。
[2003年8月7日]
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