IMFニュースブリーフ

インコで組合が勝利

USWA組合員はカナダの鉱山・金属多国籍企業で新しい3年協約を承認し、争議行為が終了した。


カナダ:
8月28日、全米鉄鋼労組(USWA)労働者3,300人がUSWAとインコ社との協約を承認し、オンタリオ州のサドベリーとポート・コルボーンにある同社のニッケル・銅事業で12週間前から続いていたストライキが終結した。争議のきっかけとなった主要問題は、会社側が医療給付・年金・転勤に関して譲歩を引き出そうと試みたことだった。
 同労組によれば、締結された協約によって、現役・退職組合員への継続的な医療給付が保護・保証される。この3年協約には、以下の給付も盛り込まれている(数字はカナダ・ドル:1カナダ・ドル=0.7150米ドル、0.6535ユーロ)。
● 協約終了まで1時間当たり40セントの一律賃上げと同1.51ドルの予想生計費手当て
● 所得比例報酬の継続(3年間の契約期間全体で組合員1人当たり1万ドルになると予想される)
● 1,500ドルの契約ボーナス
 時給は、協約1年目は21.37〜28.85ドルで、3年目には23.03〜30.51ドルに引き上げられる。
 勤続30年で退職する労働者は年金が月額150ドル増え、年間給付額が3万7,800ドルになる。
 USWAがカナダで発表した対プレス声明の中で、スポークスパーソンは、この協約を同労組にとって非常に大きな勝利と表現したが、「インコはまだ大きな溝を埋めなければならない」と述べた。「失われた友好を取り戻すには時間がかかるだろう」。組合員は会社側と協力してコスト削減と生産改善に努め、長年の間に数百万ドルの節約に助力した。
 トロントに本拠を置く鉱山・金属多国籍企業のインコ社は、世界第2位のニッケル生産会社である。同社は1902年にサドベリーで事業を開始し、現在、同地に世界有数の完全に統合された採鉱・圧延・精錬・精製複合施設を所有している。
[2003年8月29日]