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IMFニュース・ブリーフス2003年NO.23

 IMFニュース・ブリーフス本号は、ベラルーシで自動車・農業機械労組会長兼IMF執行委員のアレクサンドル・ブクボスタウ氏が逮捕・拘留された事件の最新状況について、読者に情報を提供するために発行された特別号である。

IMFニュースブリーフ

ベラルーシの金属労組会長が逮捕される

IMFは、ベラルーシ自動車・農業機械労組の指導者でIMF執行委員でもあるアレクサンドル・ブクボスタウ氏の逮捕・投獄を全面的に非難する。

 
ベラルーシ:10月30日(木曜日)午後、国際金属労連(IMF)に加盟する自動車・農業機械労組(AAM)のアレクサンドル・ブクボスタウ会長が、ミンスク中心部のオクチャブルスカヤ(Oktyabrskaya)広場で約30人の集会に参加していたところを警察に逮捕された。この集会は、絶えず労働組合活動に干渉する政府の姿勢に抗議するために召集された。
 ブクボスタウ会長は逮捕後2時間も経たないうちに、当局に言わせれば「違法夜間集会」の罪で禁固10日の刑を言い渡された。やはりベラルーシのIMF加盟組織であるラジオ・電子産業労組(REI)の別の組合活動家も逮捕されたが、その後まもなく釈放された。
 IMFに入った情報によれば、IMF執行委員でもあるブクボスタウ会長は、ベラルーシで民主的な独立労働組合活動家らが際限のない苦境に置かれている状況に関心を引きたがっていた。同会長は私人として集会の許可を求めたが、当局が同労組に対して過激な措置を講じるのではないかとの懸念がある。
 ブクボスタウ会長の投獄が、ベラルーシに残った独立労働組合運動を威嚇・破壊しようとするアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と同政権の試みの一環であることに疑問の余地はない。過去数年間に政府当局は、いずれもIMF加盟組織であるAAMとREIの会長を辞任させようと試みてきた。
 数週間後の11月24日に、IMFをはじめとするグローバル・ユニオン・フェデレーションと国際自由労連(ICFTU)からなるグローバル・ユニオンは、欧州民主主義・人権イニシアティブ(European Initiative for Democracy and Human Rights)とフリードリッヒ・エーベルト財団の支援を受けてミンスクで国際会議を開き、悪化の一途をたどるベラルーシの人権・労働組合権状況について討議する予定である。この会議は、国際労働組合運動によるベラルーシの民主的な独立労働組合活動家への献身的な連帯を表明するだけでなく、民主主義の根本的な基礎としての労働組合権・人権の普遍的価値を強調するとともに、特にベラルーシが批准しているILO条約を通して、同国の政府・公的機関に自らの国際的関与を思い出させることを目指す。
 IMFは、ごく最近ベラルーシで発生したこの人権・労働組合権侵害を全面的に非難する。11月の会議は、国際労働組合運動が近年ベラルーシの独立労働組合とその指導者に示してきた支援・連帯を改めて表明する場となるだろう。
 インターネットを利用できる方は、「ベラルーシ(Belarus)」という言葉でIMFウェブサイト(www.imfmetal.org)を検索し、これまでに同国の労働組合情勢に関して報告された広範な背景情報を集めていただきたい。
[2003年10月31日]

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