IMFニュースブリーフ

IMFが韓国大統領に抗議文を送付

韓国の法律制度が、合法的な集団行動を実施する労働組合・労働者の権利を抑圧するために利用されていることに関してILOに提訴する。


韓国:
一連の金属労組活動家の自殺に至った韓国における最近の深刻な事態の展開を踏まえて、国際金属労連(IMF)は盧武鉉韓国大統領に「加盟組織である韓国金属産業労組連盟(KMWF)に代わって、まもなく国際労働機関(ILO)に提訴する」と伝えた。
 マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は、盧大統領への書簡の中で次のように述べた。「これらの悲劇的な死の原因は、韓国で労働組合の権利・活動が抑圧され続けていることであり、その一つの手段は企業が多額の損害賠償訴訟を起こし、組合だけでなく組合員個人の財産まで仮差し押さえするというものである」
 韓国の民法は他国の民法と違って、「違法行為を犯した個人は損害賠償請求の対象になる」と定めている。一方、韓国の労働法は労働者の合法的な集団行動を制限しており、労働者の集団行動はほとんどが裁判で違法とみなされ、判決後、使用者は一般に多額の損害賠償を請求する。「したがって、問題は損害賠償訴訟や仮差し押さえの法律制度ではなく、使用者がこの法律制度を利用して、合法的な集団行動を実施する労働者の権利を抑圧していることである」
 IMFは、韓国の労働法(労働組合・労働関係調整法)を「適切な方法で」一新するよう強く催促しており、「集団行動を実施する労働者の権利を抑圧するために使用者が損害賠償請求を不適切に利用するのを制限すべきだ」と主張している。
 KMWFは、一連の悲惨な自殺が発生したあとの使用者・政府の無為無策に抗議するために11月6日に約8万人の組合員によるゼネストを計画しており、組合員に対する損害賠償請求をすべて取り下げることを要求している。
[2003年11月5日]