ブラジルの自動車工場で協約を承認
フォード、ダイムラークライスラー、トヨタ、スカニアの労働者は圧倒的多数で新協約を支持する票決を下した。
ブラジル:労働組合にとって大きな勝利とみなされる成果が達成され、ABC金属労組(ABC)の報告によれば、同労組はサンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポのスカニア、トヨタ、フォード、ダイムラークライスラーの工場で働く約2万人の労働者を対象とする新しい労働協約を締結した。11月3日に行われた組合員による承認投票では、協約を支持する票がほぼ100%を占めた。
この協約に盛り込まれた主要事項は以下のとおりである。
● この協約は2003年10月から1年間にわたって有効であり、一般に自動車生産が最も多い月である2004年9月に更新される。
● 2003年10月1日現在、月収5,200ブラジル・レアル(1,818米ドル)以下の労働者の賃金は18.01%引き上げられる。うち15.7%は前期のインフレ率に相当し、これにインフレ調整後の実質賃上げ分2%が上乗せされる。月収が5,200レアルを超える労働者は、1カ月当たり936レアル(327ドル)の賃上げとなる。
● 2004年9月に、少なくとも来年のインフレ率に相当する賃上げを保証する。
● 2005年8月まで社会条項を維持する。
組合スポークスパーソンのバルター・サンチェス(Valter Sanches)氏は、「他の経済部門の労働者の多くはインフレで失った分を賃金で完全に取り戻せるかどうかという状況なので、この自動車メーカーの協約はブラジルにおける大きな勝利だ」と述べた。新たに承認された協約で得られた成果は、9月を国内自動車部門全体の協約更新時期とし、約34万人の労働者を一本化するという重要な労働組合目標の達成へ向けての前進も示している。先ごろサンパウロで開かれた国際金属労連(IMF)ラテン・アメリカ自動車労働者会議で、ブラジルの金属労働者は、この部門の労働者を対象とする全国労働協約を目指して努力すると報告した。
IMF加盟組織の全国金属総連合(CNM/CUT)に加入しているABCによれば、ゼネラル・モーターズはサンパウロ州の二つの工場でも同じ協約案を提示している。1万4,000人の労働者がストライキを続けているサンベルナルドのフォルクスワーゲン工場では、まだ協約が締結されていない。
[2003年11月4日]
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