NUMSAが自動車産業の協約を締結
同労組が締結した3年協約によって2万1,000人の自動車労働者の実質賃金が引き上げられ、生活水準と労働条件が向上する。
南アフリカ:南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は8月5日、自動車製造業使用者団体と3カ年の賃金協約を締結し、これに署名した。この合意によって、3カ月間にわたって続いた交渉が終結した。
今回の妥結で、2004年7月1日にさかのぼって賃金が平均7.5%引き上げられ、自動車製造業の労働者2万1,000人の実質賃金が増える。この協約には以下の特典が盛り込まれている。
●労働者は学習援助制度を通して、技能レベル5以上の欠員に応募する資格を与えられる。
●すべての労働者が健康保険や医療扶助組合の利用権を得て、HIV/エイズの治療に必要な適切な医療を確実に受けられるようになる。
●使用者と雇用保障基金が費用を折半して、勤務時間中に成人基礎教育を実施する。
●4カ月間の出産休暇に賃金全額を支払う。
NUMSA情報担当官のドゥミサ・ントゥリ氏によれば、同労組は自動車産業の歴史上初めて、紛争なしで協約を締結することができた。「この賃金協約は大いに歓迎される」とントゥリ氏は述べた。「というのも、この協約は自動車産業で働く労働者の賃金を守るからだ。インフレが賃金に及ぼす影響を考えれば、これは最大限の平均賃金引き上げだ。多くの保守的な批判者は、団体交渉が富の再分配の手段であることを理解していない。したがって労働組合運動は、この役割――国内において大量失業と貧困が蔓延する中で、より大幅な賃上げによって組合員の富を増大させる役割を果たさなければならない」
[2004年8月10日]
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