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ジェームズ・ハーディーと補償について合意

ジェームズ・ハーディー製品への曝露を原因とするアスベスト関連疾患に苦しむ人々に対する補償が、少なくとも今後40年間にわたって確保された。


オーストラリア:
労働組合、アスベスト関連団体、ニューサウスウェールズ州政府は今日(12月21日)、元アスベスト製品メーカーのジェームズ・ハーディーと補償協約について合意に達した。
 この協約は、ジェームズ・ハーディー・アスベスト製品の犠牲者のために十分な補償を確保しようと11週間にわたって交渉した末に締結された。この「主要協約項目」は、来年6月までに結ばれる法的拘束力のある「本協約」の基礎となる。ジェームズ・ハーディーとオーストラリア労働組合協議会(ACTU)、ユニオンズNSW、アスベスト犠牲者のバーニー・バントン、ニューサウスウェールズ州政府が達した合意の内容は、以下のとおりである。

●無制限の資金供給を約束する(資金供給総額に上限を定めない)。
●犠牲者への支払額に上限を定めない。
●専用基金を設立し、ジェームズ・ハーディーから資金供給を受けて請求者に補償金を支払う。
●請求額2年分に相当する「緩衝金」を前払いし、さらに請求額1年分を前もって支払う。この緩衝金はおよそ2億5,000万ドルに上る。
●ジェームズ・ハーディーからの追加的な年間支払額は、アスベスト関連請求に対する債務の保険数理査定に基づいて決定する
●ジェームズ・ハーディー年間支払額の上限は、同社のフリー・キャッシュフローの35%とする。これは協約初年度には7,000万ドル超に相当する。
●資金供給取り決めの最低期間は40年とする。この協約期間は必要があれば無期限で延長する。
●ジェームズ・ハーディーは、アスベストに関する教育や医学研究のために資金を供給する。
 ハーディーとの交渉を主導したグレッグ・コンベットACTU書記は、今日シドニーで「これは非常に重要な業績であり、オーストラリアのアスベスト犠牲者とその家族にとって吉報になる」と述べた。
 ACTUとニューサウスウェールズ州政府は、「ジェームズ・ハーディーが拘束力のある協約に基づいて義務を履行する限り、これ以上ジェームズ・ハーディーの事業に損害を与える行動を起こしたいとは考えていない」と明言した。
[2004年12月21日]