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WTOは雇用への影響を評価せよ

開発・雇用に対する影響の評価を一層の貿易自由化の条件にしなければならない、とIMF書記長は主張する。


ジュネーブ:
12月の世界貿易機関(WTO)閣僚会議が近づく中で、IMFは労働組合運動とともに「貿易自由化を進める前に開発と雇用への影響を評価しなければならない」と繰り返し要求している。
 「貿易自由化の可能性に関する約束は、発展途上国と工業国でよりよい雇用を増やしていない点で守られていない」と、マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は最新のオピニオン・コラムで書いている。
 「賃金と労働条件の引き下げによる底辺への競争により、企業利潤極大化のためにディーセント・ワークが蝕まれている」と書記長は言う。
 現行のドーハ・ラウンドの方向に関する懸念は、このほど世界銀行が発表したWTO新ラウンドの利益に関する予測によって強まった。世銀の予測は次のことを示唆している。
●利益の70%は先進国に流れる。
●発展途上国の利益は1人当たり1日1セントを下回る。
●貧困緩和効果は非常に小さく、貧困層の減少率は1%未満と予想される。
 発展途上国グループは、先ごろ発表した市場アクセス交渉に関する声明の中で、センシティブ・セクターの関税調整を管理する継続的権利を与え、雇用喪失や企業閉鎖に起因する社会混乱を最小限に抑えられるようにすることを要求した。
 「とりわけ発展途上国・最貧国の持続可能な開発と雇用に及ぼす影響の評価結果に基づいて、今後の貿易自由化交渉を進めていくよう要求する」とマレンタッキ書記長は書いている。
 この要求は、グローバル・ユニオン・グループが作成した「WTO貿易交渉への労働組合提案の要約」にも盛り込まれており、www.icftu.org/displaydocument.asp?Index=991223003&Language=ENで入手可能。
 同グループが今年前半に作成した、より包括的な「WTO交渉に関する労働組合声明」は、www.icftu.org/displaydocument.asp?Index=991221675&Language=ENで入手できる。
 マレンタッキ書記長のオピニオン・コラムは、IMFウェブサイトに掲載されている。

[2005年11月16日]