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オーストラリアで労働法に抗議

新しい労働法が導入され、賃金・労働条件の削減をめぐる懸念が広まる中、6月28日に30万人のオーストラリア人が抗議の街頭デモを実施した。契約労働者に関する新しい法律により、労働者と組合に対する攻撃が強まるおそれがある。


オーストラリア:
6月28日、オーストラリア全国で数千人の労働者が街頭デモを行い、3カ月前に中央政府が導入した新しい労働法による雇用保障の低下と賃金・労働条件の削減に抗議した。
 メルボルン、シドニー、パース、ブリズベン、ローンセストン、アデレード、ダーウィンと全国の主要地方都市で大集会が開かれた。
 オーストラリア労働組合協議会のシャラン・バーロウ会長は、新しい労働法の人的損失について話し、個別契約の締結によって労働者の賃金・労働条件がいかに低下するかを説明した。
 「新労働法実施以降に登録された新しい個別契約はすべて、既存の条件を少なくとも1つは削除している」と、バーロウ会長は述べた。「個別契約の64%が休日給与を受け取る権利をなくし、63%が時間外勤務の賃金率と超過労働手当を引き下げ、52%が交代勤務手当を削減し40%が公休日を奪い、16%がこれまで保護されていた条件をすべて撤廃した」と、バーロウ会長は指摘した。
 オーストラリアの組合は、政府による労働者の諸権利に対する攻撃の第2波とも闘っている。6月22日、新しい「インディペンデント・コントラクター(独立請負業者)」法案が議会に提出されたのである。インディペンデント・コントラクター法と呼ばれる同法案は、契約労働者の雇用関係を断ち切ろうとするもので、大企業に契約料金を引き下げる権限を与え、請負業者・従業員両方の賃金・労働条件を脅かすことになるだろう。
 この法案により、契約労働者は、年金基金、労働災害補償、不当な扱いを受けたときに利用できるいくつかの法的措置など、多数の権利保護を失うことになるだろう。請負業者には契約交渉時に労働組合によって代表される権利がないため、この法律もまた労働組合に対する攻撃を持続させるものである。

[2006年6月28日]