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ブラジル中央委で不安定労働について議論

世界中から集まった金属労組が、悪化する不安定労働問題に取り組むための戦略について討議し、参加者は会議終了後にサルバドル中心部でデモ行進した。


ブラジル:金属労働者を代表する全世界500人近くの代議員が、11月28〜29日にブラジルのバイア州サルバドルに集まり、不安定労働者に関する基準を改善する方法について議論するとともに、常用雇用の臨時雇用化を阻止するためのグローバル戦略を立案した。

不安定労働は、一般的に永続性がなく、一時的・偶発的で不確実な臨時労働である。これらの雇用に就く労働者は多くの場合、労働法や社会保障による保護の対象にならない。不安定労働の原因は、使用者利益と柔軟性を最大限に高め、労働者にリスクを転嫁しようとする雇用慣行にある。

IMF加盟組織は、不安定労働に対するグローバルな努力の一環として取るべき行動を勧告した。例えば次のような勧告である。

●組合は、不安定労働者を含む全従業員に適用される労働協約を要求すべきである。
●不安定労働に関する条項を労働協約に盛り込み、労働条件改善だけでなく、不安定労働利用の制限についても定めるべきである。
●組合は、労働安全衛生などに対する不安定労働の効果・影響について、労働者を教育すべきである。
●組合は、不安定労働に反対する全国キャンペーンを実施し、特に輸出加工区での根絶を目指して行動計画を立案すべきである。
●組合は、不安定労働との闘いにおいて、他の社会運動との同盟を築くべきである。
●組合は、不安定労働者を支持して労働改革への介入を強め、不安定労働を促進したり、不安定労働者の権利を削減したりする法改正に積極的に抵抗すべきである。
●正規労働者と同じ組合に加入し、同じ協約に基づいて交渉し、ともに集団行動を取る不安定労働者の権利に対する法的規制を取り除くべきである。
●IMFは、不安定労働に反対する国際行動日を調整し、事前に教育を行うとともに国別に焦点を絞るべきである。
●IMFは、不安定労働者を支援する国際連帯行動を調整すべきである。
●国際枠組み協約に不安定労働の拒絶・制限を盛り込むべきである。
●IMFは、他のグローバル・ユニオン・フェデレーションやナショナルセンターと連携し、グローバル戦略の策定を援助すべきである。

2日間の会合に続いて、約2,000人の金属労働者がサルバドル市街地を練り歩き、ポルトガル語とスペイン語と英語で「団結は無敵だ!」とシュプレヒコールした。デモ参加者は組合の旗や横断幕を頭上に高々と掲げ、不安定労働の撤廃を求めるプラカードを持つ者もいた。

「これは出身国に関係なく、世界中の労働者にとって重要な問題だ」と、マルチェロ・マレンタッキIMF書記長は述べた。「あらゆる大陸で見られるように、不安定労働は、労働者から基本的人権を奪い取るだけでなく、職場の安全衛生基準を弱め、労働条件・賃金を引き下げ、労働者とその家族に多大なストレスをかけている。これはIMFと国際労働運動にとって深刻な問題だ。私たちは、充実した常用雇用の悪化の阻止に取り組むうえで役割を果たすことができる。それは私たちの義務でもある」

[2007年11月30日]