WTO交渉が正念場
WTOドーハ・ラウンドが正念場を迎え、労働組合は依然、協定が持続可能な開発と雇用に及ぼす影響に関して深い懸念を抱いている。
全世界:世界貿易機関(WTO)のドーハ貿易協定をめぐる交渉が正念場を迎え、今週、農業と非農産品市場アクセス(NAMA)に関する新テキストの発表が予想される。
パスカル・ラミーWTO事務局長が提案し、ダボス閣僚会議で合意されたプロセスによれば、今後数週間に新しいテキストが発表され、農業グループとNAMAグループに分かれて分析とさらなる交渉が行われる。これに続いて高官レベルで水平的協議が行われ、ここでトレードオフを考慮に入れて農業およびNAMAのテキストをめぐり議論することができる。WTOは、このプロセスをイースター前後に終了する予定であり、その後、閣僚は残りのモダリティーについて最終的な立場を明確にする。
交渉が正念場を迎え、トレードオフの可能性が高まっている中で、労働組合は依然、協定が持続可能な開発と雇用に及ぼす悪影響に対して警戒心を解いておらず、3月初めにジュネーブで一連のロビー会合を計画している。
1月17日、NAMAに関する2つの労働組合宣言が発表された。NAMA11労働組合の宣言と、ラテンアメリカ労働組合グループの宣言(スペイン語と英語)である。どちらの声明も、NAMA協定で発展途上国に与えられる柔軟性の制限を提案する、カナダ、欧州共同体、アイスランド、日本、ニュージーランド、ノルウェー、スイスおよびアメリカによるメッセージに対応して発表されたものである。
「したがって、これらのメッセージはNAMA11諸国の雇用ニーズを完全に否定している。関連各国の多くでは失業率が10%を超え、不完全雇用とインフォーマル労働の割合が高い」と、NAMA11労働組合は述べている。
関連組合は各国政府に対し、発展途上国が自国の発展段階に沿って関税引き下げを適用できるようにし、発展途上国の柔軟性を大幅に高め、時間の経過とともに柔軟性を変更できるようにすることを要求している。各組合は、NAMAの発展途上国グループや地域統合グループの分裂を狙った提案を出すべきではないことも、改めて主張している。
どちらの労働組合声明もIMFウェブサイトで入手可能。
[2008年2月4日] |