メルコスールの組合が質の高い雇用を要求
メルコスール諸国の金属労組は今週開かれたセミナーで、貿易自由化が工業生産や開発に及ぼす影響と、貿易協定における労働・社会関連条項の促進の必要性に検討を加えた。
アルゼンチン:7月16〜18日にブエノスアイレスでメルコスールの貿易協定に関するIMFセミナーが開かれ、アルゼンチン、ブラジル、チリ、パラグアイ、ウルグアイの加盟組織が参加した。
このセミナーでは、アルゼンチンとブラジルの金属部門に焦点を合わせて、貿易自由化が雇用に及ぼす影響の評価方法に関するIMF/ILOパイロット研究プロジェクトの報告書が発表された。さまざまな要因が結びついて雇用の量と質に影響を与えていることが強調された。労働組合活動にとっての影響と、ブラジルの社会観測所ならびにアルゼンチンのLASOS財団の援助で実施された研究プロジェクトの今後の発展の見通しについて議論した。
アルゼンチンの政労使代表とサウスコーン諸国のナショナルセンター代表で構成されるパネルで、メルコスールにおける生産的な統合の見通し、貿易自由化がメルコスール加盟国の工業生産や開発に与える影響を取り上げた。労働組合が労働・社会関連条項の促進に関心を持っていることが改めて強調された。しかし、労働者の権利を持続可能な開発および安定した質の高い雇用の創出に結びつけることが不可欠だと指摘された。
「ラテンアメリカの労働組合には提案すべき労働・社会戦略がある」とTUCA/ITUCのヒルダ・サンチェスは述べた。「だが、別室にこもって労働関連条項の盛り込みだけを議論するつもりはない。主要な問題は、生産と、開発およびディーセント・ワークと生産との関係だ」。サンチェスは、特にラテンアメリカで労働者に関連のある貿易自由化問題をめぐって実施された労働組合の動員を徹底的に分析し、IMFと実に積極的に連携していることを強調した。
このセミナーでは、アルゼンチンのカルロス・トマーダ労働大臣が開会の辞を述べ、労働の重要性を力説した。大臣は、開発と貧困削減を妨げる最も危険な要因として、雇用の量・質の不足と競争の名における孫請慣行を挙げた。「コスト削減を狙う搾取ならびに不安定化と闘わなければならない」
IMFとTUCA代表は大臣との個別会談で、ドーハ・ラウンド交渉に関する労働組合の懸念を表明した。トマーダ大臣は、アルゼンチン政府がWTO交渉において開発と雇用を優先していることを再確認した。
[2008年7月18日] |