パスタ・デ・コンチョス鉱山の再開は可能
パスタ・デ・コンチョス鉱山での爆発事故に関する事後報告書を作成した鑑定官がメキシコで記者会見を開き、「2006年2月19日に亡くなった鉱山労働者63人の遺体を収容するために同鉱山を再開することは可能だ」と述べた。
メキシコ:メキシコの日刊新聞『エクセルショール』の8月26日版に掲載されたインタビューで、パスタ・デ・コンチョス鉱山での爆発事故に関する事後報告書を作成した鑑定官ホセ・ルイス・フェルナンデス・ザヤスは、「2006年2月19日に亡くなった鉱山労働者63人の遺体を収容するために同鉱山を再開することは可能だ」と述べた。
メキシコ国立自治大学(UNAM)工学研究所の研究員で、爆発後に同鉱山を調べて報告書を作成した科学技術協議フォーラムの責任者を2週間前まで務めていたホセ・ルイス・フェルナンデス・ザヤスは、「会社側は都合のいいように報告書を歪曲し、それを利用して鉱山再開は危険すぎると主張した」と述べた。
ザヤスによると、グルーポ・メヒコと労働大臣は技術報告書の実際の内容を曲解し、それに基づいて遺体収容のための鉱山再開を拒否した。
ザヤスは、遺体収容は可能だと言う。しかし、その前に同鉱山で通常の安全対策をすべて講じておかなければならないだろう。
ザヤスによれば、グルーポ・メヒコは「同鉱山は現時点では安全ではないため、他の人間が命の危険を冒して鉱山に入るのは適切ではない」と述べた報告書の言葉をこじつけたという。しかしザヤスは、この状況は危険を冒したり鉱山に入ったりしなくても変えることができ、そのような作業の実施方法を知っている専門家が国内に何人かいる、と述べた。問題は、同社が「この事例を打ち切った」ことである。
ザヤスはこう付け加えた。「こうした劣悪な労働条件の企業風土を黙認できるのは無責任な企業にほかならず、労働者の安全を危険にさらすなどというのは、適切な行動方法を知らない会社である証拠だ。結果は誰の目にも明白であり、鉱山が閉鎖されて操業していないにもかかわらず、同社はもう何年にもわたって賃金を支払っている。これは教訓であり、2度とこのような事故を起こしてはならない。私たちはそれを報告書に書いた」
ザヤスによると、この報告書では、爆発前の同鉱山の危険な状況が、亡くなった鉱山労働者の遺体収容が試みられた爆発後の状況と大して変わらないことも明確にした。
インタビューが新聞に掲載されたあと、鉱山労組とNGO数団体がメキシコシティーでアメリカ、カナダ、スペイン各大使館、在メキシコ国連事務所、上下両院、それに大統領官邸に記事のコピーを配った。
パスタ・デ・コンチョスの悲劇は鉱山労組と政府およびグルーポ・メヒコとの紛争を引き起こし、その結果、同労組幹部のナポレオン・ゴメス・ウルティアが亡命した。
[2008年9月8日] |