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ジンバブエで金属労働者に対する暴行・投獄

労働者による給料全額の銀行引き出しを拒否する政府の姿勢に抗議する組合幹部や労働者が、警察に自宅を強制捜査されたり、誘拐・逮捕・暴行されたりしている。


ジンバブエ:ジンバブエ全国エンジニアリング労組(NEWU)のジャフェット・モヨ書記長とナショナルセンターであるジンバブエ労働組合会議(ZCTU)の書記次長が、銀行預金の引き出しに対する政府の制限に抗議するZCTUデモに参加したあと逮捕された。

スティーブン・ニャポIMFアフリカ地域代表によると、ジャフェットは今朝、国内の各銀行に対する行進を組織化し、これに参加したことを理由に警察に逮捕された。「電話でジャフェットと話している最中に警察に電話を取り上げられ、彼が今後どうなるのかよく分からない」とニャポは報告した。

ジンバブエのインフレ率は急上昇を続けており、月132億%(年5万1,600京%)と史上2番目の衝撃的な水準に達した。1946年のハンガリーの記録が史上最悪である。

政府はインフレ対策の1つとして、使用者に銀行経由での賃金支払いを義務づける措置を導入した。政府は銀行口座からの引き出しを制限する法律も導入した。現在の引き出し限度額は1日50億ジンバブエ・ドルで、週給500億ジンバブエ・ドルの労働者は給料を引き出すのに10日前後かかる。「今なお6月の給料を引き出している労働者もいる」とニャポは報告し、「ほとんどの場合、労働者が銀行に預金を下ろしに行っても、銀行には現金がない」と付け加えた。

「通勤費は1日200億ジンバブエ・ドルほどだ。運良く交通機関に乗れたとしても、料金が1日の引き出し限度額より多い。労働者はどうやって職場に行き、何を食べているのだろうか」とニャポは述べた。

ZCTUは、ジンバブエの中央銀行に現金引き出し制限を撤廃させるために、1日限りの全国抗議行動を要求した。全国各地の銀行前で労働者がデモ行進した。抗議に参加した組合指導者と労働者は使用者に対し、現金か食糧の小包で労働者に直接賃金を支払うとともに、ジンバブエではあらゆるものがドルで売られているため、米ドルで支払うことも要求した。

警棒で武装した機動隊が多くの抗議を中止させ、約70人の組合幹部・組合員を逮捕し、その他10人(NEWU組合員マーサ・カジャマを含む)を攻撃した。この暴力行為にもかかわらず、労働者はジンバブエ準備銀行の多くの事務所に請願書を届け、要求を明らかにすることができた。



[2008年12月3日]