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船舶解撤労働者の搾取を阻止せよ

IMFとEMFは、船舶解撤を管理する独立機関の新設を要求した。


ヨーロッパ:IMFと欧州金属労連は欧州委員会への共同提案の中で、世界有数の危険な産業である船舶解撤を規制するために、独立機関の新設を要求している。

この提出物は、国際労働機関、バーゼル条約および国際海事機関が確立した自主的規範の失敗を受けて、義務的な法定基準も要求している。

現在のところ船舶解撤は、低賃金、国際安全衛生基準の不遵守、環境規制の不備を理由に、少数の発展途上国(主にアジア諸国)に集中している。

「船舶解撤労働者の日常的な搾取に目をつぶることは、もはや許されない。IMFとEMFはともに、より安全で環境重視のグローバルな船舶解体システムを要求する。この共同提案の狙いは、影響を受ける労働者に発言権を与え、その関心事を取り上げることだ」と、新たに選出されたユルキ・ライナIMF書記長は述べた。

「共同提案の提出によって、私たちがこの問題を重視していることを欧州委員会が認識してくれるよう願う。EUは2015年に新しい国際文書が実施されるのを待っていてはならない。そんなことをすれば、数百人の命が犠牲になるからだ。EUは、模範的国際基準を設定できるヨーロッパの船舶解撤部門のための条件を整えることによって、指導力を発揮しなければならない」と、ピーター・シェラーEMF書記長は言う。

IMFとEMFは、船舶解撤に関する公の協議への提案の中で、船舶解撤労働者の労働条件を改善するために新しい措置を直ちに実施するよう要求している。

提案の要求は以下のとおり。

●船舶解撤産業の使用者に、職場・労働権・環境に関する義務的な法定基準を適用する。
●すべての船舶解撤プロセスに、解体予定の船舶に含まれる危険物質をすべて掲載した標準的一覧表を含める。
●監視・規制における労働組合の役割を明確にする。
●ヨーロッパの軍・政府が所有するすべての船舶をEU域内で解体することを義務づける。
●環境的・社会的責任を負うとともに、経済的・産業的・社会的な革新性を達成することによって、模範的国際基準を設定できるヨーロッパの船舶解撤部門を創出する。
●この提案はIMFウェブサイトに公表されている。

[2009年5月26日――アニタ・ガードナー]