IMFニュース・ブリーフス
座り込みスト激化で警察が双竜自動車を包囲

国際労働界は韓国政府に対し、機動隊と放水銃の即時撤退と、労使紛争を解決するための暴力行使の中止を強く要請している。


韓国:3,000人を超える武装した機動隊が放水銃、はしご車、ヘリコプターを使って、双竜自動車ピョンテク工場を攻撃した。この工場では、会社側が通知も組合への連絡もなしに大量解雇を発表したあと、レイオフされた労働者約800人が61日間にわたって座り込みストを実施している。

座り込みに参加している韓国金属労組(KMWU)組合員は現在、工場の塗装作業場にいる。

KMWUからの最近の報告書を見ると、事態は緊迫している。「今朝、塗装工場を取り囲む機動隊が、包囲網を100メートルから70メートルに縮小した。機動隊は今朝から夕方まで一日中、ヘリコプターで座り込み参加者に催涙弾を落としており、参加者を排除する作戦を開始した。事態は極めて切迫しており、座り込み参加者がいつまで持ちこたえることができるか定かではない。現地時間はすでに午後8時30分で、日が暮れたにもかかわらず、工場前で抗議集会が開かれている中で作戦が続行している」

労働者は1週間以上にわたって水や食べ物、医療品の供給を断たれている。7月16日、機動隊は過大な実力行使と容赦ない逮捕によって、KMWU労働組合員とその家族がスト参加者に必需品を手渡すのを妨害した。合計82人が逮捕され、2日間にわたって拘留された。

スト参加者の家族の報告によると、同社の管理者は労働者の自宅を訪問し、「ストによって会社側が被った損害を賠償させるために配偶者を投獄し、家や資産を没収する」と言って家族を脅した。

韓国の現行刑法第314条に基づき、使用者は「営業妨害」で投獄を求めたり、個人や組合を相手取って莫大な金額の損害賠償訴訟を起こしたりすることができる。KMWUによると、双竜自動車は192人の労働組合員を営業妨害で訴えており、KMWU役員2人が逮捕され、今回のストライキに関連してKMWU役員らに対してさらに15件の逮捕状が発行された。

双竜自動車は、労働協約に定める福利厚生給付の支給を一方的に全面停止したり、3月から生産労働者への賃金支払いをやめたりするなど、再三にわたって労働協約に違反した。

IMFは加盟組織に、ストライキ中の双竜自動車労働者への支援行動を緊急に要請している。現地の韓国大使館・領事館に書簡を送って、韓国政府に対し、労使紛争を解決するための暴力・弾圧の行使をやめ、現在双竜自動車工場を包囲している機動隊を直ちに撤退させ、ストを支援しているKMWU組合員に対する訴訟・告発をすべて取り下げ、公正かつ公平な解決に向けて政府と同社とKMWUとの交渉を促すよう要求しなければならない。

[2009年7月21日――クリスティン・ピーター]