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東芝インドネシアの争議が解決 東芝CPIで4カ月に及ぶ激しい闘いの末、交渉が再開して労使が妥結、697人の労働者が復職したが、地方組合幹部15人の復職は実現しなかった。 インドネシア:東芝家電製造インドネシア社をめぐる労使紛争は、何カ月もの闘争と何週間もの精力的な交渉を経て、8月22日にようやく解決した。 IMF加盟組織のインドネシア金属労連(FSPMI)に加入する労働者が団体交渉中の争議を支持して4月16日にストに入ったあと、東芝CPI経営陣は、地方組合幹部15人を含む697人の労働者をロックアウトし、解雇した。IMFは5月の大会で、FSPMIと東芝労働者を全面的に支援する決議を可決し、同社が労働者の諸権利を完全に無視していることを非難した。 IMFと加盟組織が親会社の経営陣を関与させようとした初期の試みは失敗に終わったが、IMF-JC、電機連合、東芝労組の代表団が7月23日にジャカルタに赴き、組合との誠実な交渉を再開するよう経営陣を説得、最終的に解決に至った。 このイニシアティブにより、経営側は、7月23日に始まった交渉を通じてFSPMIとの争議を解決することに最終的に同意した。8月22日に締結された協約覚書には、以下の条件が盛り込まれている。 ●地方組合幹部を除く697人の労働者全員を無条件で直ちに復職させる。 つまり、地方組合会長でIMF執行委員のアグニ・ダマヤンティとFSPMI上級副会長のボニー・ディアナントは、工場の他の組合幹部13人とともに職を失うことになる。ボニーとアグニはともに引き続きFSPMI役員を務め、工場で同労組と協力するなど、新しい指導部を援助する。 12年以上にわたって東芝で働いてきたが、やむを得ない事情のため、解雇された他の労働者のために自分の雇用を犠牲にすることにした、とボニーは述べた。「15人の幹部が会社を辞め、相当額の補償を支払われる。最も重要なのは、この会社で組合の地位を回復することだ。私たちがこの闘いを長引かせていれば、会社側は解雇された労働者の代わりに契約労働者を雇っていた可能性がある。そのような雇用に関して、労働裁判所は会社側を支持する判決を下したからだ」とボニーは説明した。 東芝CPIの経営陣が労働協約の相互に合意された条項の登録を拒否したことを受けて、FSPMIはストライキを実施した。労働側が今年4月に平和な合法的ストに入ると、会社側は直ちに労働者をロックアウトし、解雇した。その大多数は、同社が12年前に設立されてから働いてきた女性労働者であった。 会社側はストに対応して、健康保険制度を廃止するとともに労働者への賃金支払いを停止、労働者は厳しい苦境に追い込まれた。組合員の1人がスト中に治療を受けられなかったために死亡した。人的資源省は同社に対し、労働者を直ちに復職させて賃金全額を支給するよう命令したが、会社側はこの命令に従うことを拒否した。 会社側は、明らかに組合指導者・労働者に対する報復・処罰を狙って、組合幹部に対して何件かの刑事訴訟を起こし、生産・事業の損失を理由にFSPMIを相手取って160万米ドルの損害賠償訴訟を起こした。これらの訴訟と、組合が会社側を相手取って起こした訴訟は取り下げられた。 サイード・イクバルFSPMI会長は、組合は極めて厳しい状況のもとで懸命に闘ったが、この妥結は可能な限り最善の取り決めだった、と述べた。「組合が合法的ストを実施したにもかかわらず、労働裁判所が会社側を支持する判決を下したとき、正義は踏みにじられた」とイクバルは述べた。 「このTNCは現地の法律・規則を尊重せず、さらに追い打ちをかけるように、労働裁判所は腐敗している。このような状況では、妥協による解決を受け入れる以外に方法はないだろう」とイクバルは嘆いた。イクバルはIMFに対し、労働者の窮状を強調してFSPMIがこの課題に立ち向かううえで手助けするために、あらゆる連帯援助を提供してくれたことに感謝し、「IMFの支援がなければ労働者を復職させることはできなかっただろう」と付け加えた。 7月に、IMFは労働者のためにストライキ基金を設立し、IMF加盟組織が多額の資金を寄付した。この基金のおかげで、FSPMIはスト中の労働者と家族に1日3回の暖かい食事を提供し、医療費の一部を支払うことができた。 [2009年8月27日――アニタ・ガードナー] |