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組合がEPZ組織化の課題に対処

アジア全域で、EPZ労働者は最悪の労働条件のもとで働き、労働組合加入を妨げる最も多くの障害に直面している。だが域内の組合は、EPZ労働者に接触して勤労生活を改善するために、創造的な方法を編み出している。

インドネシア:アジア7カ国の組合が9月30日にインドネシアのバタムに集まり、輸出加工区(EPZ)で労働者を組織化するための有効な戦略を共有した。バタム島はそれ自体がEPZで、インドネシアのIMF加盟組織であるFSPMIとロメニックSBSIは、このEPZを拠点とする工場の多くを何とか組織化している。

代議員は、EPZの劣悪な雇用と多くの問題点を改めて強調した。労働者と接触して組織化するには、これらの難題を乗り越えなければならない。EPZでは不安定雇用が蔓延し、賃金はしばしば不当と言えるほど低く、労働時間は過度に長く、多くの場合、法定の最高就業時間を超えている。組合はEPZへの立ち入りを制限されているため、労働者に接触するために別の手段を探さざるを得ない。

EPZでは女性労働者の割合が高く、時には90%にも達することを踏まえて、加盟組織は、女性に指導的役割を与え、組合で活動するための訓練を受けさせるよう確保することの重要性を再確認した。

賃金が組織化の中心となる主要問題として浮上し、いくつかの組合が最低賃金の増額を支持して行動を起こした。そのほかの事例では、組合が労働者の賃金が不当に低いことを確認し、適正な賃金を確保できるよう援助して組合加入を促している。

EPZ組織化に関与するすべての組合が、職場を超えて地域社会に組織化活動を広げていくことの価値を強調した。タイのTEAMから参加した代議員は、「労働者が住んでいる地域社会で組織化活動を実施すれば、組合の知名度を上げる一助となり、積極的な印象を与える」と述べた。フィリピンでは、レイオフされた労働者が地域社会を拠点に組織化している。インドのある組合には、組合員が自分たちの社会的ニーズを満たせるよう援助する活動を専門とする特別な部署がある。この活動には、労働者の子どもの入学援助や、銀行融資の申し込み支援が含まれることもある。

組織化と同時に、組合は政治レベルでも行動を起こし、各国政府にEPZ政策の悪影響を理解させようとしている。インドでは、組合をはじめとする社会集団が、政府の経済特区振興政策に強く抵抗している。経済特区の建設は、所期の目的とは反対の結果、すなわち失業や収入減をもたらすことが多い。これは経済特区の建設によって、農業や漁業、関連自営業に依存する人々が大量に職を失うからである。

この会合は、組合は2つの分野に取り組まなければならないと結論づけた。すなわち、EPZ労働者を組織化して労働条件を改善すると同時に、各国政府にEPZ政策が持続可能な産業と雇用を促進するかどうか再考させることである。

[2009年10月6日――アニタ・ガードナー]