IMFニュース・ブリーフス
ディーセント・ワークを求める闘いは「過激主義」?

IMF加盟組織ITUA発行のリーフレットが、ロシアで「連邦過激派資料リスト」に掲載された。

ロシア:ここ数カ月、ロシアでは「過激主義」に対する取り締まりが強化されている。「過激な活動への対策」に関する連邦法の定義が曖昧であるため、政府当局は、独立機関や知識人、活動家を迫害し、正当な社会的要求を敵意・憎悪の表現と同列に扱える状況にある。

「過激主義」との闘いの形態の1つは、禁制資料リストの作成である。そのようなリストに掲載されたすべての資料には「共通の特徴、すなわち人々に対する憎悪が見られる」と、政府機関紙『ロシア官報』は報じている。

「不安定労働に対抗」、「夜勤手当を取り戻そう!」、「新組合発足」といったITUAリーフレットに、いったい「人々に対する憎悪」が込められているのだろうか。これらのリーフレットはなぜ不法とみなされ、反ユダヤ主義のパンフレットや白人至上主義のプロパガンダが満載された「過激派資料」リストに収録されたのだろうか。

このリストは連邦登録局(FRS)が作成している。リストに掲載された資料を配るか、場合によってはただ持っていただけで、行政罰や刑事罰を科せられるおそれがある。

「ロシア国民は過激主義の情報源を知っておくべきであり、これは社会の安定・幸福に対する危険な脅威だ」と、セルゲイ・ワシリエフFRS局長は主張する(『ロシア官報』に掲載された発言)。ディーセント・ワークを求める闘いは、いつから「社会の安定・幸福に対する脅威」になったのだろうか。

正当な労働者の要求を「過激主義」と宣言し、法廷で独立組合を迫害することは、ロシアの労働法で認められている基本的労働権・組合権の甚だしい侵害である。IMFは独立組合に「過激派」のレッテルを張ることに反対する。

[2009年11月9日――イリヤ・マトベーエフ]