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金融危機がメキシコの労働者の雇用と権利に打撃

CEREALは、メキシコのエレクトロニクス産業で悪化している労働条件について報告した。金融危機の結果、数千人が職を失い、安定雇用に就く権利が弱体化している。

メキシコ:ノキア、フィリップス、パナソニック、IBM、HP、レノボ、サンミナ、ジェイビル、フレクストロニクスのサプライチェーンで働くメキシコの労働者は、6,000人の雇用削減、大量解雇、賃金の10%削減に見舞われており、2008年以降、3カ月・1カ月の臨時契約で働く労働者の割合が40%から60%に増えた。

一方、第4四半期に、サンミナは前年比20%の成長を報告し、ノキアでは2008年に減少した労働者数が回復したが、マンパワーと契約する臨時労働者が75%を占めるようになり、フレクストロニクスは1,000人の新規雇用を発表、ジェイビルも労働者を136%増やし、HPとIBMは2010年の新規投資プロジェクトを発表した。

メキシコのエレクトロニクス産業における労働条件に関するこのCEREAL発行の第3次報告書は、11月17日に発表され、「今回の危機で最悪の年に、企業は利益を得て労働者は損害を被った」ことを示している。

この報告書は、エレクトロニクス産業全体で大量失業が発生し、労働者は再雇用されたものの、賃金が減って仕事量が増え、安定雇用に就く権利が弱体化したことを実証している。

「メキシコのエレクトロニクス産業で構造転換を実施し、たとえ経済危機の時期にあっても、この部門で活動するすべての企業に社会的責任を負わせるよう保証できるようにする必要がある」とCEREALは述べている。CEREALは非政府組織の労働行動研究センターであり、組合結成権が厳しく制限されている環境の中で、メキシコのエレクトロニクス労働者の権利を求めて努力している。

この報告書(英語版)はIMFウェブサイトに掲載されている。

[2009年11月25日――アニタ・ガードナー]