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IMF代表団、モロッコのSONASID/アルセロール・ミッタル工場の職場委員と会談

団体交渉権と国内労働法の尊重が会合の焦点となった。職場委員は、スペインのアルセロール・ミッタル生産現場でまた1人、今年初め以来6人目の死亡者が出たという知らせに接し、悲しみに包まれた。

モロッコモロッコのナドルとエル・ジャディダにあるアルセロール・ミッタル系SONASIDの生産現場の職場委員と労働組合代議員が、2010年1月7〜8日、カサブランカでIMF代表団と会談した。

労使関係の深刻な悪化に関して懸念が表明された。職場委員の話によると、2、3年前までの傾向とは逆に、現地経営陣は建設的な社会的対話に興味を持っていないようであり、組合の話を聞くことさえ拒否しているという。2009年5月に前回の労働者代表選挙が行われてから、経営陣は、国内法によって合法的に団体交渉権を与えられている組合との交渉を拒否している。SNTIMMEE-CDTは実際に、2つの生産現場のそれぞれで、モロッコの労働法で交渉に必要な最低基準と規定される35%以上の票を獲得している。

ストに参加したSNTIMMEE組合員が差別され、エル・ジャディダ工場で締結された労働協約が実施されていないことが報告された。職場委員は、経営陣による差別に対抗し、同社経営陣と誠実な対話・交渉を再開するうえで、IMFに援助を求めた。

会合開催中に、スペインのアルセロール・ミッタル生産現場でまた悲惨な死亡事故が発生したという知らせが届いた。参加者は、世界中のアルセロール・ミッタルの生産現場で労働条件が危険な状況にあり、このところ災害が増えていることに深い懸念を表明した。特に参加者は、経営側が経験豊富なベテラン労働者に代えて若年労働者を採用する動きが目立っていることについて、危険性を指摘した。これらの若年労働者はほとんどの場合、不安定な雇用契約で雇われ、十分に保護されていない。
この活動は、特にマグレブでIMFが推進している活動の一環であり、その目的は世界中のTNCで基本的権利の尊重を監視し、同じTNCの従業員を組織化する労働組合の間で調整やネットワーク構築を促進することである。

[2010年1月11日――カーラ・コレッティ]