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インドの鉄鋼労働者を組織化

インドの鉄鋼労働者2万人を組織化するIMFプロジェクトが始まり、組合幹部は鉄鋼工場の安全基準の低さにショックを受けた。

インド2万人の鉄鋼労働者を組織化するプロジェクトの一環としてインドで会合を開いた組合幹部は、チャッティースガル州のビライ鉄鋼工場視察で実態を目の当たりにし、ショックを受けた。

「私がビライ鉄鋼工場で目にした状況は、1940年代、50年代のスウェーデン鉄鋼業の労働条件に似ている」と、元製銅工場労働者でスウェーデンの労働組合IFメタルの組合員であるエリック・アンデルソンは述べた。

この国内最大の鉄鋼工場は合計4万人の労働者を雇用しており、うち2万8,000人がインド全国金属労連(INMF)加盟組合の組合員で、残りの1万2,000人は不安定労働者と下請労働者である。

「特に、不安定労働者の労働条件は劣悪だ。これらの労働者の多くは、このような危険な作業環境では絶対に必要なヘルメットや保護服、安全靴を身に付けていない。実際、私の妻がビーチで履く靴のほうがましだ!」とアンデルソンは述べた。

組合幹部たちは、2010年1月15〜16日にニューデリーで、IMFインド鉄鋼組織化プロジェクトの第1回全国プロジェクト委員会を開いた。

このプロジェクトは、IMFインド委員会の承認を受け、SASKとLO-TCOに支援されている。その狙いは、インドで操業している海綿鉄工場や巨大鉄鋼TNCで、数千人の労働者の保護が絶対的に不足している状況に対応することである。インドでは、ごく少数の公共部門工場に、常用労働者を部分的に代表する組合があるにすぎない。

このプロジェクトは、3年で2万人の労働者を組織化しようとするIMF加盟組織INMFとSMEFIの共同努力を支援する。重要なことには、労働組合運動が分裂を極めている状況の中で、関連組合が、力を合わせて団結を強化し、プロジェクト対象3州で組合員の組織化をめぐって競い合わないことについて合意した。

この会合で委員会は、2010年から2012年にかけてプロジェクトが実施される対象3州(オリッサ、ジャールカンド、チャッティースガル)で行われた、2009年鉄鋼業調査の結果を検討した。この徹底的な調査は、今後組織化プロジェクトを拡張できると期待される、その他3州も対象にしている。

この調査は2010年に発表される予定で、既存の鉄鋼工場、海綿鉄工場および主な生産拠点を詳細に調べるとともに、不安定労働者や事務技術職労働者も含めた従業員総数の内訳を明らかにしている。精査した結果、鉄鋼業の組合組織率が極めて低いこと、職場で深刻な安全衛生問題や労働者の権利に早急に取り組む必要があることも、さらに確認された。

プロジェクトを監督する委員会のメンバーは、インドの鉄鋼・鉱業部門を代表する2つの全国連合団体であるINMFおよびSMEFIの書記長・地域指導者、それにメタリとTU(フィンランド)およびIFメタルとユニオネン(スウェーデン)の代表、SASK南アジア地域コーディネーター、IMF本部プロジェクト担当者、IMF南アジア地域責任者である。

この会合でINMFとSMEFIは、協力して全国連合団体を強化するという政治的合意を再確認した。IMFとしては、このプロジェクトに貢献するとともに、プロジェクトを支援しているスウェーデンおよびフィンランドの加盟組織と経験を交換していきたい。
[2010年1月18日――スザナ・ミラー]