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裁判所がITUA幹部の復職を命令

ロシアの地方裁判所は3月15日、エフゲニー・イワーノフの解雇は不法であるとの裁定を下し、ゼネラル・モーターズに対し、3.5カ月分の未払賃金の支払いと精神的損害の補償を命じた。

ロシアIMFに加盟する地域間自動車労組(ITUA)の傘下組合指導者で、サンクトペテルブルクのGM自動車工場で働くエフゲニー・イワーノフが復職した。地方裁判所は3月15日、無断欠勤を理由にイワーノフを解雇した経営側の決定は不法であるとの裁定を下した。裁判所は会社側に対し、イワーノフに3.5カ月分の未払賃金を支払い、精神的損害を補償することも命じた。

2009年11月11日に同労組が工場で「イタリア式」ストに入り、特に賃上げ、明確な年次休暇規則の導入、総括年間賃金に代わる標準的な週40時間制の採用を要求したあと、イワーノフは解雇された。

この数日間に及ぶ順法闘争で、労働者は何とか生産速度を大幅に遅らせることができたが、経営側は労働者の連帯を切り崩し、「トラブルメーカー」に対して処置を講じた。2009年11月20日、エフゲニー・イワーノフは解雇され、工場から強制的に追い出された。同時に経営側は、ITUAの役割を弱めるために黄色労働組合を設立した。 

しかし、工場のITUA傘下組合は干渉に負けず闘い続けた。同労組指導者の復職は、さまざまなNGOや人権擁護団体の援助・支援のおかげで達成された成果であり、GM自動車労働者の闘いに新たな弾みをつけるだろう。

イワーノフに対するこの権利侵害は、先ごろ国際労働機関結社の自由委員会に申し立てられた苦情でも実例として挙げられている。2010年1月20日に全ロシア労働同盟(VKT)とロシア労働総連合(KTR)が申し立て、IMFも支持するこの苦情は、とりわけ、基本的な労働組合権に対して一連の組織的な侵害が行われ、政府がこれらの侵害を調査・是正していないことを指摘している。次のような侵害が見られる。

●労働組合指導者に対する肉体攻撃
●事前承諾を必要としない団結権の否認
●労働組合員に対する差別
●使用者による新設労働組合の承認の拒否
●労働組合指導者が組合員の職場に立ち入る権利の否認
●団体交渉権の否認
●労働組合内部問題への政府による干渉
●国家法執行機関による労働組合権の調査・保障の不履行

この提訴状はIMFウェブサイトに公表されている。
[2010年3月17日――イリヤ・マトベーエフ]