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労働者、EUに電気料金値上げに対する措置を要求

ヨーロッパの産業労働者はEUに、電気料金と原料価格に関する措置を要求した。EMFとEMCEFは4月22日に欧州行動デーを実施する。

ヨーロッパ4月15日、ヨーロッパの卑金属部門の労働組合は欧州委員会に対し、原料価格をめぐる投機の増加と電気料金の値上げに関して措置を講じるよう要求した。

欧州金属労連(EMF)と欧州鉱山化学エネルギー労連(EMCEF)は、ジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長とヘルマン・ファン・ロンパウ欧州理事会議長に共同書簡を送り、欧州連合に緊急措置を求めた。

「電気料金値上げは、すでに衰弱している関連産業に損害を与え、電力会社が棚ぼた利益を得ている。関連産業を背景に手っ取り早く稼ごうとする金融市場の投機家が、原料価格に対する圧力を強めている。利益よりも労働者を優先させるために団結しなければならない」とピーター・シェラーEMF書記長は要求した。

すでに経済危機で動揺している欧州地域では、非鉄金属産業で25万人、鉄鋼業で37万人を超える労働者が直接雇用されている。

両連合団体は4月22日、欧州労働組合連合の支援を受けて欧州行動デーを実施し、EU・国家・地方レベルにおける労働者の懸念を強調する。

両連合団体はEUに以下の措置を要求している。

●温室効果ガス(GHG)削減に関する拘束力のある意欲的・包括的な国際協定を達成し、平等な競争条件と低炭素経済への公正な移行(新興経済国による取り組みを含む)を保証するために、欧州レベルで改めて努力する。
●欧州委員会が、2013年からではなく今から電気料金に関する関連産業への国家補償を受け入れ、悪影響の波及を避けるために欧州レベルで調整する。
●一貫製鉄所へのETS無償割当に高炉から回収された廃ガス(発電用を含む)を含める。
●国際原料市場のさらなる集中化を避け、ヨーロッパの原料採掘を保護するために欧州レベルで措置を講じる。
●原料の公正な価格水準と長期契約を確保するためにイニシアティブを取り、将来関連産業のために適正価格を保証する欧州レベルの手段を考案する。

詳しくはEMFウェブサイトを参照。

[2010年4月16日――アニタ・ガードナー]