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USWがメキシコ大使館で抗議

USWとAFL-CIOは、ワシントンDC訪問中のフェリペ・カルデロン大統領による労働者の権利の弾圧を非難し、この問題をメキシコ大統領に提起するようアメリカ政府に要求した。

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アメリカ/メキシコ組合と支持者は今週、フェリペ・カルデロン・メキシコ大統領のワシントンDC訪問に抗議し、同政権がメキシコで民主的な労働組合を弾圧していることを非難した。

オハイオ、インディアナ、イリノイ、メリーランド、アリゾナ各州から集まった約125人を超える全米鉄鋼労組(USW)組合員が5月19日、45人のAFL-CIO本部スタッフや支持者とともにワシントンDCのメキシコ大使館前の公道で、横断幕やプラカードを掲げてメガホンでシュプレヒコールを叫んだ。

USWとAFL-CIOは、鉱山労組(メキシコ共和国全国鉱山・金属労組――SNTMMSRM)として知られる独立鉱山労組の壊滅を狙うメキシコ政府による4カ年のキャンペーンを再び糾弾した。

ナポレオン・ゴメス・ウルティア鉱山労組会長が強制的に解任され、組合資産が差し押さえられた。大手採鉱会社グルーポ・メヒコが所有するカナネア鉱山でスト中の労働者が長期にわたる弾圧キャンペーンの標的にされており、メキシコ軍によって2人が殺害され、その他大勢が負傷した。

鉱山労組の組合員は、安全衛生その他の協約違反をめぐって、2007年7月からカナネア鉱山でストを実施している。2月11日、連邦裁判所はグルーポ・メヒコに、スト中の労働者を解雇して労働協約を解除する許可を与えた。政府は、カナネア鉱山の支配権を獲得するために軍隊を利用すると言って威嚇している。

ゴメス書記長は亡命先のバンクーバーから携帯電話で演説し、その内容は拡声器を通してデモ参加者に伝えられた。書記長は聴衆に「政府に労働協約に対する鉱山労組の権利を無効にさせるわけにはいかない」と語った。

レオ・ジェラードUSW会長は声明の中で次のように述べた。「私たちはメキシコ政府に対し、スト参加者を追い払うために軍事力を行使するという脅しをやめ、この紛争を平和的に解決すべく鉱山労組と交渉するよう要求する」

リチャード・トラムカAFL-CIO会長は5月17日の書簡で米議会指導部に、カルデロン滞在中に労働者の権利の問題を提起するよう強く要請した。「メキシコの労働者が質の良い高賃金の仕事に就く機会を得て、家族を養ってメキシコで持続可能な真の開発に貢献できるようにすることは、(北米)地域の経済的・社会的進歩にとって絶対に重要だ」とトラムカ会長は書いている。

[2010年5月20日――アニタ・ガードナー]