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IMFがTNCにおける労働組合ネットワークについて討議

IMFワーキンググループが、多国籍企業における労働組合ネットワーク構築のためのガイドラインをめぐって討議した。

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全世界IMFは5月11〜12日にスイス・ジュネーブで、多国籍企業(TNC)における労働組合ネットワークのためのガイドライン策定に関する第1回ワーキンググループ会合を開いた。このワーキンググループの設置は、2009年12月のIMF執行委員会で決定された。ワーキンググループの当初の委任事項には次のようなものが含まれる。

●労働組合ネットワークの構成、その主要任務、調整および資源に関するガイドライン
●基本的な労働組合権の実施と未組織工場の組織化の支援に向けた、国際枠組み協約(IFA)、ILO文書およびOECDガイドラインの利用改善におけるネットワークの役割
●加盟組織からのマンデートに基づき、安全衛生や訓練、平等、情報、協議、再編プロセスといった分野に関するグローバル協約を推進する可能性
●ネットワーク構築に関するガイドブックや訓練資料
●各産業部門の重点企業数社(適切な場合はサプライチェーンを含む)をめぐる議論

この会合には、ベルギー、ブラジル、カナダ、チェコ共和国、ドイツ、日本、ノルウェー、ロシア、南アフリカ、イギリス、アメリカからの参加者が、インドとラテンアメリカのIMF地域代表とともに出席した。会合では、ブラジルCNM-CUTのバルター・サンチェスがワーキンググループ議長に選ばれ、ワーキンググループを主導するとともに、2010年6月のIMF執行委員会に経過を報告する任務を委ねられた。

ワーキンググループは書記局作成の原案を歓迎し、議論のよい出発点になると考えた。IMFがより真剣にTNCネットワークへの取り組みを展開したいと考えていることも、励みになる兆候とみなされた。今回のワーキンググループ会合は、IMF加盟組織に見られる多くの差異を埋めるうえで役立った。加盟組織によって組合の制度や文化、経験が異なることについて理解を高めることが極めて重要である。

議論の焦点となった2つの分野は、草案文面に固有の問題と広範な問題である。広範な問題としては、現行IMFネットワークのさらなる評価の必要性、訓練・教育資料の作成、IMFが現実的に参加できそうなネットワークの数、企業からの承認の獲得、具体的かつ測定可能な目標の必要性が挙げられる。

次の段階では、初会合の結果を要約するとともに、6月の次期執行委員会に新版ガイドライン草案を提出する。執行委員会の勧告に基づき、ワーキンググループは引き続き電子メール交換によって活動する予定であり、2010年12月にジュネーブで開かれる執行委員会において最終草案が採択されるだろう。

[2010年5月18日――ロブ・ジョンストン]