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ベルギーの組合、EU−コロンビア自由貿易協定の批准に反対

ベルギーの組合は、労働組合権・人権が頻繁に侵害されていることや、先ごろベルギーでコロンビアの情報機関DASによるスパイ活動が発覚したことを踏まえて、自国の政治家にEUとコロンビアとの二国間協定を批准しないよう要求している。

ベルギー欧州連合とコロンビアとの二国間貿易協定に関して、ディーセント・ワークを目指すベルギーの連合に加わっている労働組合組織CSC、FGTBおよびCGSLBと多数の非政府組織は、先ごろ世界中のマスメディアで報道されたコロンビア情報機関DASによるベルギーでのスパイ活動事件について、適切な調査を要求している。

この労働組合とNGO組織の連合は、人権・労働組合権に関するコロンビアの残虐な記録の問題も提起した。コロンビアでは、過去15年間に労働組合員2,742人が暗殺され、労働組合員に対する犯罪の実行者の95%が処罰されておらず、国民の基本的自由に対する攻撃が多発している。

コロンビアの労働組合権・人権がひどい状況にあり、EUとコロンビアとの間で取り決められた二国間協定のディーセント・ワークに関する条項が不十分であることを考えて、ベルギーの労働組合は、2009年にベルギー外務大臣が署名したEU−コロンビア二国間投資協定の批准に強く反対した。その結果、この協定はフランダースとワロンの議会によって、またその後ベルギー連邦政府によって否決された。

しかし、アメリカ、カナダ、ノルウェーが重大な人権・労働組合権侵害を理由にコロンビアとの同様の協定を拒否しているにもかかわらず、EUはコロンビアとの交渉を続けている。

ベルギーの労働組合は自国の政治家に働きかけ、自らの権限を利用してこの協定を阻止するよう要求するとともに、ジョン・モンクス欧州労働組合連合書記長の次の見解を支持した。「今やDASの不法行為に対応してコロンビアへの援助を一時停止している国さえあるのだから、このような方法では一連の交渉を確実に妥結することができないことは極めて明瞭だ」

[2010年5月25日――アレックス・イワーノウ]