IMFニュース・ブリーフス

IMF、先ごろフィリピンで発生した組合活動家殺害を非難

IMFはアキノ・フィリピン次期大統領に対し、「フィリピンにおける労働組合・人権活動家殺害を調査し、犯人を起訴する」という選挙前の約束を守るよう要求している。その中には、2010年6月3日に射殺された独立労働組合幹部エドワルド・パンガニバンの事件も含まれている。

ドイツIMFは先ごろフィリピンで発生した組合指導者殺害を非難し、アキノ・フィリピン次期大統領に事件の調査と犯人の起訴を要求している。 南部タガログ地域の労働組合幹部だった27歳のエドワルド・パンガニバンは、6月3日午後5時20分にラグナ州サンタローザのバランガイ・カインギンで職場へ行くために車に乗ろうとしていたときに、オートバイに乗った男たちに射殺された。全身12カ所に銃創を負い、その場で死亡した。パンガニバンはサラマト独立組合の書記で、5年前から日系企業のタカタ・フィリピン・コーポレーションで働いていた。同社はエアバッグや自動車用シートベルトを製造しており、輸出加工区のラグナ技術団地にある。

6月9日に国際労働組合総連合(ITUC)が発表した調査で、フィリピンは過去1年間の労働組合員殺害件数でアジア第1位、世界第3位にランクされた。ここ数年、フィリピンは労働者にとって最も危険な国のリストで最上位につけており、ほぼ10年間のグロリア・アロヨ政権下で、労働組合員96人とその他の人々1,000人の法的に認められない殺害が発生した。

IMFは、これらの殺害や嫌がらせ、労働者の権利の侵害の即時停止を訴えており、「法的に認められない殺害を『終結』させ、犯人を確認するだけでなく投獄することによって問題を解決する」というアキノ次期大統領の6月の約束を歓迎した。

フィリピン政府に対するこの要求は、6月10〜11日にフランクフルトで開催中のIMF執行委員会で行われた。この会合には世界中のIMF加盟組織から100人近くが集まり、6月10日には、多国籍企業における組合ネットワークと労働組合権・キャンペーンに関するIMF活動を見直した。

[2010年6月10日――アニタ・ガードナー]