メキシコ政府、グルーポ・メヒコの利益を守るために恐怖政治を実施
カナネアとパスタ・デ・コンチョスのグルーポ・メヒコ鉱山がほぼ同時に襲撃され、メキシコ政府は州・連邦警察を利用し、メキシコ鉱山労組とスト中の労働者、嘆きの未亡人の権利をあからさまに無視して鉱山を奪い返そうとした。
メキシコ:
メキシコ政府が6月6日(月)午前2時15分にカナネアのグルーポ・メヒコ鉱山でスト中の労働者を攻撃した数時間後、グルーポ・メヒコ当局者はコアウイラ州警察のパトロールカー20台に護衛されてパスタ・デ・コンチョス鉱山の第8立て坑に戻り、鉱山の所有権を取り戻した。
2006年2月19日、グルーポ・メヒコが所有するパスタ・デ・コンチョス鉱山の第8立て坑でメタンガスが爆発し、65人の鉱山労働者が地下に閉じ込められた。亡くなった鉱山労働者の多くが、メキシコ全国鉱山・金属・関連労組(SNTMMSRM)の組合員だった。
この痛ましい事件がきっかけで、並行して一連の出来事が起こった。例えば、ナポレオン・ゴメスはこの事故を「産業殺人」と呼んだあと、同労組書記長を不当に解任された。
パスタ・デ・コンチョス鉱山からは2人の遺体しか回収されておらず、故人の未亡人と遺族は同鉱山で不寝番を続け、生き埋めになった鉱山労働者の収容と、この災害につながった悲惨な安全衛生条件に対する公正な処置を要求している。
連邦政府は事故発生以来、同鉱山での作業を全面停止しておきながら、このたびグルーポ・メヒコに炭坑での探査・操業の再開を許可した。州警察が到着してから数分以内に鉱山の入り口に姿を現した遺族は、何の情報も与えられず、鉱山への立ち入りや写真の撮影を拒否された。
カナネア
一方、危険なことで有名なグルーポ・メヒコ所有の銅山で、鉱山労働者たちが甚だしい安全衛生基準違反をめぐって2007年7月からストを続けているメキシコ・カナネアからの最新報告によると、連邦警察が鉱山の支配権を取り戻したようである。
日曜日の午後10時ごろ、約2,000人の連邦警察隊がカナネアの町に入った。約400人の警察官が鉱山のゲートに近づき、各ゲートを守っていた組合員に催涙ガスを発射した。ある時点で、ゲートに隣接した管理棟に火が放たれた。
続いて警察は組合事務所に催涙ガスを撃ち込み、中にいた労働者を勝手口から外に追い出した。組合事務所は現在、政府統制下にある。
2人の組合員が負傷し、ひょっとすると死亡したかもしれないとの報告があったが、名前は分かっていない。メキシコ鉱山労組の報告によると、3人の労働者が銃弾や発射体で負傷し、そのほかにも何人かが殴られたり催涙ガスの影響を受けたりしていた。
鉱山労組第65支部のセルジオ・トラノ・リサラガ書記長、全国執行委員会のソノラ州代議員フアン・グティエレス・バレステロス、地方執行委員のジャシント・マルチネスをはじめとする組合幹部に連邦警察の逮捕状が出された。昨夜、トラノは逮捕状に対する差止命令を勝ち取った。
連邦警察は5人の鉱山労組組合員、ロドルフォ・バルデス・セラノ、エベラルド・オチョア・バレステロス、ルイス・アロンゾ・ボルボン・ペレス、ルイス・アロンゾ・トーレス、マルセロ・ララ・ロペスを逮捕した。
月曜日、ソノラ州知事とグルーポ・メヒコ社長、ハビエル・ロサーノ労働長官が記者会見を開き、カナネアで50億ドルのインフラ・プロジェクトを実施すると発表した。また同社は、労働者が6月11日(金)までに支払いを受けることを条件として、労働協約に従ってスト中の労働者に(法定金額の約6倍の)支給金を提示した。同労組によると、ストがまだ合法的に存続しているため、労働者は退職金の申し出を断る予定である。
今日(6月8日)、IMFとICEMはともにカルデロン大統領に書簡を送り、合法的かつ正当に自らの権利を擁護している労働者に対する武力行使を直ちに中止するようメキシコ政府に強く要請した。
[2010年6月8日――アニタ・ガードナー]
|