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アルセロール・ミッタル工場でグローバル委員会の視察中に死亡事故

グローバル合同安全衛生委員会による視察中の8月19日、クリボイログのアルセロール・ミッタル鉄鋼工場で労働者が死亡し、労使双方が警戒態勢を強化する必要のあることが浮き彫りになった。

ウクライナクリボイログのアルセロール・ミッタル鉄鋼工場で8月19日、労使によるグローバル合同安全衛生委員会が会合を開いていたときに労働者が死亡した。死亡事故発生の数分前に、「グローバル委員会が南アフリカ、メキシコ、カザフスタン、ルーマニア、チェコ共和国を視察したあと本格的な進展が見られる」と同委員会に説明されたばかりだった。 今回、クリボイログが視察先に選ばれたのは、グループの主要現場のうち同委員会がまだ視察していなかった工場の1つだからである。この会合にはIMF、EMFおよびUSWの代表と、ルクセンブルク、ブラジル、ドイツ、イギリス、チェコ共和国、アメリカ、オランダのアルセロール・ミッタル安全衛生専門家が出席した。視察の狙いは、他の現場が参考にできそうな最優良事例の分野を確認するとともに、クリボイログでもっと速く進展を達成できる改善分野を明らかにすることだった。 「グローバル協約締結以降進展が見られ、死亡事故が減っているにもかかわらず、残念ながら、この会社では死亡・負傷労働者数が依然として容認できないほど多い」と、ロブ・ジョンストンIMF産業・多国籍企業政策担当エグゼクティブ・ディレクターは述べた。 「グローバル委員会は、クリボイログを訪問して現地の労使と会談する機会を歓迎した。全体的な印象としては、現地の労使双方が改善を目指してすでに一致協力しているが、変化の速度を上げる必要がある。工場の未来は過去にあるのではなく、いかにして未来に適応するかにかかってくるだろう。つまり、労使が一致協力し、未来に向けた投資や技術を呼び込む共同戦略を策定しなければならない」 グローバル合同安全衛生委員会は、アルセロール・ミッタルとIMF、EMF、USWが締結した協約の結果設置された機関で、社内の安全衛生改善に向けた協力を目的としている。この委員会は労使代表で構成され、アルセロール・ミッタル・グループ全体でこの協約の実施を監督し、迅速な進展を遂げられるよう支援する。 一方、モロッコでも今週、アルセロール・ミッタルの下請会社SOMRAPEで働く労働者3人が死亡、2人は8月22日に、3人目は同じ事故で負った傷が原因で8月24日に亡くなった。

[2010年8月26日――アニタ・ガードナー]